【宅建過去問】(平成29年問36)宅建業者・免許


次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「免許」とは、宅地建物取引業の免許をいう。

  1. 宅地建物取引業者Aは、免許の更新を申請したが、免許権者である甲県知事の申請に対する処分がなされないまま、免許の有効期間が満了した。この場合、Aは、当該処分がなされるまで、宅地建物取引業を営むことができない。
  2. Bは、新たに宅地建物取引業を営むため免許の申請を行った。この場合、Bは、免許の申請から免許を受けるまでの間に、宅地建物取引業を営む旨の広告を行い、取引する物件及び顧客を募ることができる。
  3. 宅地建物取引業者Cは、宅地又は建物の売買に関連し、兼業として、新たに不動産管理業を営むこととした。この場合、Cは兼業で不動産管理業を営む旨を、免許権者である国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
  4. 宅地建物取引業者である法人Dが、宅地建物取引業者でない法人Eに吸収合併されたことにより消滅した場合、一般承継人であるEは、Dが締結した宅地又は建物の契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において宅地建物取引業者とみなされる。

正解:4

1 誤り

宅建業者が免許の更新を望む場合、有効期間満了の90日前から30日前までの間に申請する必要があります(宅建業法3条3項、規則3条)。この申請に対し、有効期間満了の前に処分があれば、問題がありません。

また、有効期間満了までに処分が間に合わなかった場合でも、従前の免許が処分の日まで効力を有するものとされています(同法3条4項)。つまり、有効期限が過ぎても、従前の免許によって宅建業を営むことができます。

■類似過去問
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宅建業法[02]2(2)②
有効期間満了までに更新手続がなされない場合
 年-問-肢内容正誤
129-36-1宅地建物取引業者Aは、免許の更新を申請したが、免許権者である甲県知事の申請に対する処分がなされないまま、免許の有効期間が満了した。この場合、Aは、当該処分がなされるまで、宅地建物取引業を営むことができない。
×
221-26-3有効期間満了までに更新申請に対する処分がなされない場合、従前の免許は処分がなされるまで有効である。
306-49-3有効期間満了までに更新申請に対する処分がなされない場合、処分がなされるまで、宅建業の業務を行うことはできない。×

2 誤り

宅建業の免許を受けていない者は、宅建業を営むことができません(宅建業法12条1項)。また、宅建業を営む旨の表示をしたり、宅建業の広告をしたりすることも禁止されています(同条2項)。
免許を申請したというだけでは、活動することができません。

無免許事業等の禁止

■類似過去問
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宅建業法[01]6(1)
無免許事業等の禁止
 年-問-肢内容正誤
129-36-2Bは、新たに宅地建物取引業を営むため免許の申請を行った。この場合、Bは、免許の申請から免許を受けるまでの間に、宅地建物取引業を営む旨の広告を行い、取引する物件及び顧客を募ることができる。
×
226-27-4免許申請中の者が広告を行った場合でも、売買契約の締結を免許取得後に行うのであれば、宅建業法に違反しない×
322-28-4免許取得・供託完了後、供託届出前の広告は無免許事業×
420-32-1「免許申請中」を明示すれば広告は可能×
507-37-2宅建業の免許申請中の者は、免許を受けた場合の準備のためであれば、宅建業を営む予定である旨の表示をし、又は営む目的をもって広告をすることができる×
606-49-4宅建業者が免許を取り消された場合でも、取消し前に締結した宅地の売買契約に基づき行う債務の履行については、無免許事業の禁止規定に違反しない
704-49-4宅建業者でない者は、宅建業の免許を受けないで宅建業を営んだ場合はもとより、その旨の表示をした場合も罰則の適用を受けることがある

3 誤り

「宅建業以外の事業を行っているときは、その事業の種類」は、宅物業者名簿の記載事項の一つです(宅建業法8条2項8号、規則5条2号)。しかし、変更の際に届出が必要な事項の中には含まれていません(同法9条参照)。
したがって、宅建業者Cが新たに不動産管理業を営む場合であっても、届出をする必要はありません。

名簿の登載事項と変更の届出

■類似過去問
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宅建業法[04]1(3)
変更の届出(兼業の種類)
 年-問-肢内容正誤
129-36-3宅地建物取引業者Cは、宅地又は建物の売買に関連し、兼業として、新たに不動産管理業を営むこととした。この場合、Cは兼業で不動産管理業を営む旨を、免許権者である国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。×
221-28-4建設業を営むことになった場合→変更の届出が必要×
307-37-4宅建業以外の事業を併営する場合→変更の届出が必要×
403-38-2建設業を営むことになった場合→変更の届出が必要×
502-41-3宅建業以外の事業の種類の変更→変更の届出が必要×

4 正しい

宅建業者である法人Dが宅建業者でない法人Eに吸収されることにより、法人Dは法人格を失い、その免許は効力を失います(宅建業法11条1項2号)。


しかし、法人Dが突然に宅建業を止めてしまうのでは、取引の相手先が困ってしまいます。そこで、宅建業法は、宅建業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において、その宅建業者の一般承継人を宅建業者とみなすことにしました(宅建業法76条)。本肢でいえば、法人Dが締結した契約については、取引結了するまで、法人Eが宅建業者とみなされます。

☆「廃業等の届出(合併)」というテーマは、問44肢1でも出題されています。

■類似過去問
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宅建業法[04]2(1)
廃業等の届出(合併)
 年-問-肢内容正誤
129-30-4宅地建物取引業者D社(甲県知事免許)が、合併により消滅したときは、その日から30日以内に、D社を代表する役員であった者が、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
224-27-4存続会社の役員が届出。×
322-28-2存続会社が免許を承継。×
421-28-2消滅会社の役員が届出。
518-31-3存続会社の役員が届出。×
610-33-4存続会社の役員が届出。×
709-33-2宅建業者が合併により消滅した場合、消滅した業者の代表役員であった者は免許権者に届出しなければならないが、免許は、届出の時にその効力を失う。×
807-35-4消滅会社の事務所を存続会社の事務所として使用→廃業の届出は不要。×
902-43-2消滅会社の役員が、存続会社の免許権者に届出。×
1001-36-4消滅会社の役員が、免許権者と全事務所所在地の知事に届出。×
宅建業法[04}2(2)
免許取消し等に伴う取引の結了
 年-問-肢内容正誤
129-36-4
宅地建物取引業者である法人Dが、宅地建物取引業者でない法人Eに吸収合併されたことにより消滅した場合、一般承継人であるEは、Dが締結した宅地又は建物の契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において宅地建物取引業者とみなされる。
228-35-4
個人である宅建業者E(丙県知事免許)が死亡した場合、Eの一般承継人Fがその旨を丙県知事に届け出た後であっても、Fは、Eが生前締結した売買契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅建業者とみなされる。
328-37-イ
宅建業者が自ら売主として宅地の売買契約を成立させた後、当該宅地の引渡しの前に免許の有効期間が満了したときは、当該契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、宅建業者として当該取引に係る業務を行うことができる。
423-30-4廃業により免許が効力を失い、自らを売主とする取引が結了した場合、廃業の日から10年経過していれば、還付請求権者に対して公告することなく営業保証金を取り戻すことができる。×
523-36-4免許を取り消された者は、取消前に売買の広告をしていれば、売買契約を締結する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。×
622-28-1個人業者が死亡した場合、相続人は、業者が生前に締結した契約に基づく取引を結了した後に廃業届を提出すればよい。×
714-44-2廃業届を提出し、免許の効力を失った場合でも、廃業前に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。
808-45-2宅建業廃止の届出をした後でも、届出前に締結した宅地分譲の契約に基づく宅地の引渡しを不当に遅延する行為をしてはならない。
906-49-4不正手段により免許を取得したとして、免許を取り消された場合でも、取消し前に締結した宅地の売買契約に基づき行う債務の履行については、無免許事業の禁止規定に違反しない。
1005-45-4宅建業者A社を宅建業者B社が吸収合併した場合、B社は、A社の宅建士が行った重要事項説明について責任を負わない。×
1103-37-4宅建業者である法人Fと宅建業者でない法人Gが合併し、法人Fが消滅した場合において、法人Gが法人Fの締結していた売買契約に基づくマンションの引渡しをしようとするときは、法人Gは、宅建業の免許を受けなければならない×
1202-43-1宅建業者が死亡した場合、その一般承継人は、宅建業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において、なお宅建業者とみなされる

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