民法[09]占有権

物を所持しているだけで発生するという、一風変わった権利が占有権です。
自主占有と他主占有とか、自己占有と代理占有、というに分類が可能です。また、相続があった場合などは、他人の占有を承継することも可能です。占有権については、取得時効と関連させて理解しておきましょう。

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学習項目&過去の出題例

1.占有権とは

物に対する事実上の支配(占有)を保護する物権

(1).占有権の取得

物を所持→占有権が発生

(2).占有権の意義
①社会秩序の維持

②司法制度の利用

2.占有の分類

(1).自主占有と他主占有

(2).自己占有と代理占有


★過去の出題例★

民法[09]2(2)
代理占有

 年-問-肢内容正誤
114‐03‐1売主A・買主Bの売買契約解除後、Aが、Bに対して建物をCのために占有することを指示し、Cがそれを承諾しただけでは、AがCに建物を引き渡したことにはならない。×
210‐02‐2A所有の甲土地をBが2年間自己占有し、引き続き18年間Cに賃貸していた場合には、Bに所有の意思があっても、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することができない。×
304‐04‐1Bの所有地をAが善意無過失で占有を開始し、所有の意思をもって、平穏かつ公然に7年間占有を続けた後、Cに3年間賃貸した場合、Aは、その土地の所有権を時効取得することはできない。×

3.占有の承継


占有者の承継人は、選択可能

  1. 自己の占有のみを主張
  2. 前占有者の占有を合わせて主張 (瑕疵も承継)
★過去の出題例★
民法[09]3
占有の承継

 年-問-肢内容正誤
127-04-2Bの父が11年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Bが相続によりその占有を承継し、引き続き9年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有していても、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできない。×
216-05-1Bが平穏・公然・善意・無過失に所有の意思をもって8年間占有し、CがBから土地の譲渡を受けて2年間占有した場合、当該土地の真の所有者はBではなかったとCが知っていたとしても、Cは10年の取得時効を主張できる。
316-05-2Bが所有の意思をもって5年間占有し、CがBから土地の譲渡を受けて平穏・公然に5年間占有した場合、Cが占有の開始時に善意・無過失であれば、Bの占有に瑕疵があるかどうかにかかわらず、Cは10年の取得時効を主張できる。×
416-05-3Aから土地を借りていたBが死亡し、借地であることを知らない相続人Cがその土地を相続により取得したと考えて利用していたとしても、CはBの借地人の地位を相続するだけなので、土地の所有権を時効で取得することはない。×
510-02-1Bの父が15年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有し、Bが相続によりその占有を承継した場合でも、B自身がその後5年間占有しただけでは、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することができない。×
604-04-1Aが善意無過失で占有を開始し、所有の意思をもって、平穏かつ公然に7年間占有を続けた後、Cに3年間賃貸した場合、Aは、その土地の所有権を時効取得することはできない。×

4.占有権の効力

(1).占有物について行使する権利の適法の推定

占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定
★過去の出題例★

民法[09]4(1)
占有物について行使する権利の適法の推定
 年-問-肢内容正誤
127-05-2乙土地の所有者の相続人Bが、乙土地上の建物に居住しているCに対して乙土地の明渡しを求めた場合、Cは、占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定を根拠として、明渡しを拒否することができる。×
(2).即時取得


★過去の出題例★

民法[09]4(2)
即時取得

 年-問-肢内容正誤
126-03-1売買契約に基づいて土地の引渡しを受け、平穏・公然と占有を始めた買主は、売主が無権利者であることにつき善意無過失であれば、即時に不動産の所有権を取得する。×
219-03-1Aと売買契約を締結したBが、平穏かつ公然と甲土地の占有を始め、善意無過失であれば、甲土地がAの土地ではなく第三者の土地であったとしても、Bは即時に所有権を取得することができる。×
(3).占有の訴え
①占有の訴えの種類

②訴えを提起できる者

(a)占有者
(b)他人のために占有をする者([例]賃借人)

③本権の訴えとの関係

本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない

④占有回収の訴え


★過去の出題例★

民法[09]4(3)
占有の訴え
 年-問-肢内容正誤
占有の訴え
127-05-3丙土地の占有を代理しているDは、丙土地の占有が第三者に妨害された場合には、第三者に対して占有保持の訴えを提起することができる。
占有回収の訴え
127-05-4占有回収の訴えは、占有を侵奪した者及びその特定承継人に対して当然に提起することができる。×
214-03-4(売主A・買主B間の建物売買契約(所有権移転登記は行っていない。)が解除され、建物の所有者Aが、B居住の建物をCに売却して所有権移転登記をした。)Cが暴力によって、Bから建物の占有を奪った場合、BはCに占有回収の訴えを提起できるが、CはBに対抗できる所有権があるので占有回収の訴えについては敗訴することはない。×

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