【宅建過去問】(令和05年問09)賃借物の修繕

Aを貸主、Bを借主として甲建物の賃貸借契約が締結された場合の甲建物の修繕に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 甲建物の修繕が必要であることを、Aが知ったにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
  2. 甲建物の修繕が必要である場合において、BがAに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、Aが必要な修繕を直ちにしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
  3. Bの責めに帰すべき事由によって甲建物の修繕が必要となった場合は、Aは甲建物を修繕する義務を負わない。
  4. 甲建物の修繕が必要である場合において、急迫の事情があるときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。

正解:2

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Aを貸主、Bを借主として甲建物の賃貸借契約が締結された

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賃貸物の修繕(民法[26]4(1))
年-問-肢内容正誤
①賃貸人による修繕
1R05-09-3Bの責めに帰すべき事由によって甲建物の修繕が必要となった場合は、Aは甲建物を修繕する義務を負わない。
2R04-08-1AがB所有の甲土地を建物所有目的でなく利用するための権原が、地上権である場合でも賃借権である場合でも、特約がなくても、BはAに対して、甲土地の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。×
3H25-08-3建物の賃貸人が必要な修繕義務を履行しない場合、賃借人は目的物の使用収益に関係なく賃料全額の支払を拒絶することができる。×
4H25-08-4建物の賃貸人が賃貸物の保存に必要な修繕をする場合、賃借人は修繕工事のため使用収益に支障が生じても、これを拒むことはできない。
5H17-15-2賃貸人と賃借人との間で別段の合意をしない限り、動産の賃貸借契約の賃貸人は、賃貸物の使用収益に必要な修繕を行う義務を負うが、建物の賃貸借契約の賃貸人は、そのような修繕を行う義務を負わない。×
6H01-06-1Aは、自己所有の建物をBに賃貸した。建物が老朽化してきたため、Aが建物の保存のために必要な修繕をする場合、Bは、Aの修繕行為を拒むことはできない。
②賃借人による修繕
1R05-09-1甲建物の修繕が必要であることを、Aが知ったにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
2R05-09-2甲建物の修繕が必要である場合において、BがAに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、Aが必要な修繕を直ちにしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。×
3R05-09-4甲建物の修繕が必要である場合において、急迫の事情があるときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
4R02s-12-1賃貸借の目的物である建物の修繕が必要である場合において、賃借人Bが賃貸人Aに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらずAが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは自ら修繕をすることができる。

1 正しい

賃借物の修繕は、基本的には、賃貸人の義務です(民法606条1項本文)。
しかし、以下のケースでは、賃借人が賃借物の修繕をすることができます(同法607条の2)。

本肢は(a)のうち、「賃貸人がその旨を知った」にもかかわらず、「賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき」に該当します(民法607条の2第1号)。この場合、賃借人は自ら賃借物を修繕することが可能です。

2 誤り

(肢1の表を参照。)
「賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知」したにもかかわらず、「賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき」であれば、賃借人が自ら賃借物賃借物を修繕することが可能です(民法607条の2第1号)。
「相当の期間」経過していることが必要であり、賃貸人が修繕を「直ちに」しないからといって、賃借人が修繕できるわけではありません。

3 正しい

賃貸人Aは、「賃借人Bに甲建物を使用させる」という積極的な義務を負っています。そのため、Bに対し、甲建物の使用及び収益に必要な修繕をしなければなりません(民法606条1項本文)。
ただし、賃借人Bに帰責事由がある場合は例外です(同項ただし書き)。賃借人の故意や過失によって建物を破損したような場合まで、賃貸人が修繕する義務はないわけです。

4 正しい

(肢1の表を参照。)
「(b)急迫の事情があるとき」であれば、賃借人が自ら賃借物賃借物を修繕することが可能です(民法607条の2第2号)。


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