【宅建過去問】(令和06年問09)債務引受と転貸借

承諾に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 第三者が債務者との間で、債務者の債務につき免責的債務引受契約をする場合、債権者の承諾は不要である。
  2. 第三者が債務者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債権者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。
  3. 第三者が債権者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債務者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。
  4. 賃借人が賃貸借契約の目的物を第三者に転貸する場合、賃貸人の承諾は不要である。

正解:2

債務引受とは

「承諾に関する」という問題ですが、肢1~3は、債務引受の話です。ここで整理しておきましょう。
債務引受とは、今までの債務者と違う債務者が現れることをいいます。この債務者を引受人といいます(この問題では、「第三者」と書かれています)。

免責的債務引受とは(民法[19]5(2)①
併存的債務引受とは(民法[19]5(1)①
併存的債務引受

今までの債務者が債務を負ったままの状態で、引受人が追加される形式の債務引受です。今までの債務者も残るので「併存的」といいます。併存的債務引受の手続は、以下のとおりです。

契約当事者効力発生時点
(a)債権者・債務者・引受人契約締結時
(b)債権者・引受人契約締結時
(c)債務者・引受人債権者が引受人に承諾した時
併存的債務引受の契約当事者・効力発生時点(民法[19]5(1)②
免責的債務引受

今までの債務者が免責される形式の債務引受です。つまり、今後は、引受人のみが債務者ということになります。免責的債務引受の手続は、以下のとおりです。

契約当事者効力発生時点
(a)債権者・債務者・引受人契約締結時
(b)債権者・引受人債権者が債務者に通知した時
(c)債務者・引受人債権者が引受人に承諾した時
免責的債務引受の契約当事者・効力発生時点(民法[19]5(2)②

1 誤り

第三者(引受人)が債務者との間で、免責的債務引受契約をする場合、債権者が引受人に対して承諾しなければ、契約は効力がありません(民法472条3項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る

債務引受(民法[19]5)
年-問-肢内容正誤
1R06-09-1第三者が債務者との間で、債務者の債務につき免責的債務引受契約をする場合、債権者の承諾は不要である。×
2R06-09-2第三者が債務者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債権者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。
3R06-09-3第三者が債権者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債務者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。×
4H28-01-3
免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。

5H27-01-3
併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。

2 正しい

第三者(引受人)が債務者との間で、併存的債務引受契約をした場合、債権者が引受人に承諾をした時に効力を生じます(民法470条3項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る

債務引受(民法[19]5)
年-問-肢内容正誤
1R06-09-1第三者が債務者との間で、債務者の債務につき免責的債務引受契約をする場合、債権者の承諾は不要である。×
2R06-09-2第三者が債務者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債権者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。
3R06-09-3第三者が債権者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債務者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。×
4H28-01-3
免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。

5H27-01-3
併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。

3 誤り

第三者(引受人)が債権者との間で、併存的債務引受契約をした場合、契約締結時点で効力を生じます(民法470条2項)。債務者の承諾は、必要がありません。

■参照項目&類似過去問
内容を見る

債務引受(民法[19]5)
年-問-肢内容正誤
1R06-09-1第三者が債務者との間で、債務者の債務につき免責的債務引受契約をする場合、債権者の承諾は不要である。×
2R06-09-2第三者が債務者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債権者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。
3R06-09-3第三者が債権者との間で、債務者の債務につき併存的債務引受契約をした場合、債務者が第三者に承諾をした時点で、その効力が生ずる。×
4H28-01-3
免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。

5H27-01-3
併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。

4 誤り

賃貸人は、賃借人について、「この人ならきれいに使って、最終的にも原状回復した上で返してくれるだろう。」と信頼して契約をしています。それなのに、「実際には見知らぬ転借人が使っている。」というのでは、不安で仕方ありません。そこで、賃貸借契約については、賃貸人の承諾を得なければ、賃借物を転貸することができないというルールがあります(無断譲渡・転貸の禁止。民法612条1項)。

■参照項目&類似過去問
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無断譲渡・転貸の禁止(民法[26]5(2))
年-問-肢内容正誤
1R06-09-4賃借人が賃貸借契約の目的物を第三者に転貸する場合、賃貸人の承諾は不要である。×
2R04-06-2Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲土地につき、資材置場とする目的で期間を2年として、AB間で、①賃貸借契約を締結した場合と、②使用貸借契約を締結した場合について考える。Bは、①ではAの承諾がなければ甲土地を適法に転貸することはできないが、②ではAの承諾がなくても甲土地を適法に転貸することができる。
3R04-08-2AがB所有の甲土地を建物所有目的でなく利用するための権原が、①地上権である場合と②賃借権である場合について考える。CがBに無断でAから当該権原を譲り受け、甲土地を使用しているときは、①でも②でも、BはCに対して、甲土地の明渡しを請求することができる。
4R03s-09-2AがBに対してA所有の甲建物を①売却又は②賃貸した。①ではBはAの承諾を得ずにCに甲建物を賃貸することができ、②ではBはAの承諾を得なければ甲建物をCに転貸することはできない。
[共通の設定]
A所有の甲建物につき、Bが賃貸借契約を締結している。
5R02s-12-2BがAに無断でCに当該建物を転貸した場合であっても、Aに対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、Aは賃貸借契約を解除することができない。
6H27-09-2賃貸人が転貸借について承諾を与えた場合には、賃貸人は、断転貸を理由としては賃貸借契約を解除することはできないが、賃借人と賃貸借契約を合意解除することは可能である。
7H27-09-3土地の賃借人が無断転貸した場合、賃貸人は、賃貸借契約を民法第612条第2項により解除できる場合とできない場合があり、土地の賃借人が賃料を支払わない場合にも、賃貸人において法定解除権を行使できる場合とできない場合がある。
8H25-11-1BがAに断で甲建物をCに転貸した場合には、転貸の事情のいかんにかかわらず、AはAB間の賃貸借契約を解除することができる。×
9H21-12-1BがAに無断で甲建物を転貸しても、Aに対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情があるときは、Aは賃貸借契約を解除できない。
10H18-10-1AがBの承諾なく当該建物をCに転貸しても、この転貸がBに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、BはAの無断転貸を理由に賃貸借契約を解除することはできない。
11H06-12-1AC間の転貸借がBの承諾を得ていない場合でも、その転貸借がBに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、Bの解除権は発生しない。


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