宅建業法[17]損害賠償額の予定等の制限

売買契約において生じるトラブルに備えて、あらかじめ損害賠償の額を予定しておくことができます。
民法上、この特約の内容に制限はありません。一方、宅建業法では、損害賠償の予定額を売買代金の20%までに制限しています。20%を超えた場合、その超過部分についての特約は、無効です。

1.民法のルール

民法上の損害賠償額の予定⇒民法[16]債務不履行3

(1).原則

実際に発生した損害額を請求
証明の必要あり

(2).損害賠償額の予定

損害賠償額を予定
→実際の損害額によらず、予定額を賠償
証明の必要なし
裁判所も増減することができない。

2.宅建業法のルール

(1).予定額の上限
①対象

損害賠償額の予定
違約金
の合計

②上限額

代金の20%まで

★過去の出題例★
損害賠償額の予定(予定額の上限)(宅建業法[17]2(1))
 年-問-肢内容正誤
1R01-34-1
宅地建物取引業者が自ら売主として建物の売買を行う場合、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額として売買代金の額の10分の2を超えない額を予定するときは、37条書面にその内容を記載しなくてよい。
×
230-29-2
[Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約を締結した。]A及びBがともに宅地建物取引業者である場合において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除があったときの損害賠償の額を600万円とする特約を定めた。
329-31-ウ
宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者でないBとの間で、当事者の債務不履行を理由とする契約解除に伴う違約金について300万円とする特約を定めた場合、加えて、損害賠償の予定額を600万円とする特約を定めることができる。×
428-28-エ
損害賠償の予定額を25%とする特約が可能。
×
527-36-ア損害賠償20%+違約金10%とする特約は、全体として無効。×
625-38-イ損害賠償の予定額と違約金の合計額を20%とする特約は有効。
724-38-イ損害賠償10%+違約金20%の特約をした場合、違約金については全て無効。×
823-37-3損害賠償+違約金で10%の特約が可能。
922-39-2損害賠償20%+違約金10%の特約が可能。×
1022-40-2損害賠償15%+違約金15%の特約が可能。×
1121-37-1手付金5%+損害賠償15%の特約は不可。×
1220-40-2売主の違約金30%の特約が可能。×
1318-39-2損害賠償+違約金が20%を超える特約は不可。
1417-43-2損害賠償40%とする特約が可能。×
1515-38-4損害賠償+違約金で33%の特約は違法。
1612-40-4代金の20%の手付金を違約手付とする特約を定めた場合、別途損害賠償の予定を定めることができる。×
1710-36-2損害賠償を20%と予定した場合、違約金を定めることはできない。
1808-46-3損害賠償を10%と予定しても、実際の損害が大きければ20%まで請求できる。×
1907-43-2損害賠償の予定額20%、別に違約金10%という特約をすることはできない。
2007-45-4損害賠償の予定額として、手付の5%に加え、20%を支払うという特約は有効である。×
2105-43-2違約金20%とする特約が可能。
2204-44-4違約金と損害賠償額の予定を合わせて20%超でも、宅建業法に違反しない。×
(2).20%を超える特約

超えた部分が無効
→20%と予定したことになる

★過去の出題例★
損害賠償額の予定(20%を超える特約)(宅建業法[17]2(2))
 年-問-肢内容正誤
127-36-ア損害賠償20%+違約金10%とする特約は、全体として無効。×
224-38-イ損害賠償10%+違約金20%の特約をした場合、違約金については全て無効。×
319-41-220%を超える特約は全て無効。×
417-43-440%とする特約は全て無効。×
516-37-4損害賠償20%超でも、重要事項として説明すれば有効。×
614-40-420%を超える特約は全て無効。×
711-33-420%を超える特約をした場合、20%を超える部分が無効。
808-46-4損害賠償20%+違約金20%の特約をした場合、それらの合計が20%となる。
906-43-2違約金40%と合意しても、20%を超える部分については請求できない。
1001-48-3損害賠償額を33%と特約した場合、その特約は無効であり、損害賠償の額は予定しなかったことになる。×
(3).損害賠償額の予定がない場合

実際に発生した損害額を請求
証明の必要あり
上限なし

★過去の出題例★
損害賠償額の予定(損害賠償額の予定がない場合)(宅建業法[17]2(3))
 年-問-肢内容正誤
122-39-1損害賠償の予定額を定めなかった場合、売買代金を超える請求は不可。×
217-43-3損害賠償の予定額を定めなかった場合、実際に発生した損害額の賠償請求が可能。
315-41-2損害賠償額の定めがない場合、売買代金の2割が上限である。×
402-40-3損害賠償の予定額を定めなかった場合、実際に発生した損害額である代金の75%の賠償請求が可能。

3.業者間取引

適用除外

★過去の出題例★
業者間取引と損害賠償額の予定(宅建業法[17]3)
 年-問-肢内容正誤
130-29-2[Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約を締結した。]A及びBがともに宅地建物取引業者である場合において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除があったときの損害賠償の額を600万円とする特約を定めた。
227-39-3業者間取引で30%の損害賠償予定が可能。
324-38-ア業者間取引で20%超の損害賠償予定は不可。×
423-39-1業者間取引で20%超の違約金を特約することが可能。
517-43-1業者間取引で20%超の損害賠償特約は無効。×
617-43-3業者間取引で損害賠償額の予定がない場合、実損額の請求が可能。
716-40-2損害賠償の予定等の制限が業者間取引に適用される。×
808-48-3宅建業者を買主とする売買契約や業者間取引でも、20%超の損害賠償予定は無効である。×
902-40-3業者間取引で、特約がない場合、75%の損害賠償金を受領すると、宅建業法に違反する。×

[Step.1]基本習得編講義

【動画講義を御覧になる方法】
DVD通信講座「基本習得編講座」(全16巻)16,000円(税別)
ニコニコチャンネル1講義100円or月額1,500円(税別)

[Step.2]実戦応用編講義

「一問一答式問題集」を解き、自己採点をしたうえで、解説講義を御覧ください。

【動画講義を御覧になる方法】
【必須資料】『一問一答式問題』(宅建業法)
DVD通信講座「実戦応用編講座」(全22巻)22,000円(税別)
ニコニコチャンネル1講義100円or月額1,500円(税別)

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