【宅建過去問】(令和03年10月問15)都市計画法(地区計画)

都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 地区計画については、都市計画に、当該地区計画の目標を定めるよう努めるものとされている。
  2. 地区計画については、都市計画に、区域の面積を定めるよう努めるものとされている。
  3. 地区整備計画においては、市街化区域と市街化調整区域との区分の決定の有無を定めることができる。
  4. 地区整備計画においては、建築物の建蔽率の最高限度を定めることができる。

正解:3

はじめに

地区計画について、①都市計画に定めるべき事項と②都市計画に定めるように努める事項を区別しておきましょう。
本問ではさらに、①のうち「地区整備計画」に定めることができる事項についても問われています。

■①都市計画に定めるべき事項
  1. 地区計画の種類、名称、位置、区域
  2. 地区施設
  3. 地区整備計画
■②都市計画に定めるように努める事項
  1. 面積
  2. 目標
  3. 整備・開発・保全に関する方針
■地区整備計画に定めることができる事項(例)

①-3の「地区整備計画」に定めることができる事項の例には、以下のものがあります。

  1. 用途の制限
  2. 容積率の最高限度又は最低限度
  3. 建蔽率の最高限度
  4. 敷地面積又は建築面積の最低限度
  5. 高さの最高限度又は最低限度
  6. 形態又は色彩その他の意匠の制限
■参照項目&類似過去問(全選択肢合わせて)
内容を見る
地区計画(都市計画法[04])
年-問-肢内容正誤
地区計画とは
1H18-18-1地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画であり、用途地域が定められている土地の区域においてのみ定められる。×
2H15-17-4地区計画は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その地区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める計画である。×
3H06-17-4地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画である。
4H03-18-3地区計画は、当該区域の各街区における防災、安全、衛生等に関する機能が確保され、かつ、その良好な環境の形成又は保持のためその区域の特性に応じて合理的な土地利用が行われることを目途として、定める。
5H01-19-1地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画である。
設定できるエリア
1R05-15-4地区計画は、用途地域が定められている土地の区域のほか、一定の場合には、用途地域が定められていない土地の区域にも定めることができる。
2H26-15-1都市計画区域については、用途地域が定められていない土地の区域であっても、一定の場合には、都市計画に、地区計画を定めることができる。
3H18-18-1地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画であり、用途地域が定められている土地の区域においてのみ定められる。×
4H10-17-1地区計画は、良好な環境の街区の整備等を図るための都市計画であるが、用途地域が定められていない土地の区域内における相当規模の建築物又はその敷地の整備に関する事業が行われた土地の区域についても定めることができる。
5H01-19-3地区計画に関する都市計画は、市街化調整区域内においても定めることができる場合がある。
決定権者
1H08-19-3地区計画は、それぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための都市計画であり、すべて市町村が定めることとされている。
地区計画について定める事項
1R03-15-1地区計画については、都市計画に、当該地区計画の目標を定めるよう努めるものとされている。
2R03-15-2地区計画については、都市計画に、区域の面積を定めるよう努めるものとされている。
3R03-15-3地区整備計画においては、市街化区域と市街化調整区域との区分の決定の有無を定めることができる。×
4R03-15-4地区整備計画においては、建築物の建蔽率の最高限度を定めることができる。
5R02-15-1地区計画については、都市計画に、地区施設及び地区整備計画を定めるよう努めるものとされている。×
6H28-16-4地区計画については、都市計画に、地区計画の種類、名称、位置、区域及び面積並びに建築物の建蔽率及び容積率の最高限度を定めなければならない。×
地区計画等
1H07-18-4地区計画等とは、一定のまとまりのある地区を対象にその地区の実情にあったきめ細かい規制等を行うことを内容とするもので、地区計画、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画及び集落地区計画をいう。
その他の知識
1R02-15-4市街化調整区域における地区計画は、市街化区域における市街化の状況等を勘案して、地区計画の区域の周辺における市街化を促進することがない等当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないように定めることとされている。

1 正しい

(「はじめに」の表参照。)
「地区計画の目標」は、②都市計画に定めるように努める事項に含まれています(表の2。都市計画法12条の5第2項2号)。

2 正しい

(「はじめに」の表参照。)
「区域の面積」は、②都市計画に定めるように努める事項に含まれています(表の1。都市計画法12条の5第2項、12条の4第2項)。

3 誤り

(「はじめに」参照。)
「市街化区域と市街化調整区域との区分の決定の有無」は、地区整備計画で定めることができる事項の中に含まれていません(都市計画法12条の5第7項)。
そもそも、「市街化区域と市街化調整区域との区分」(区域区分)は、都市計画区域全体について定めるものです(都市計画法7条1項)。地区計画のレベルで定めるものではありません。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
区域区分(都市計画法[02]2(1)(3))
年-問-肢内容正誤
区域区分とは
1H17-19-1区域区分は、都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときに、都市計画に定める市街化区域と市街化調整区域との区分をいう。
区域区分の定め
1R03-15-3地区整備計画においては、市街化区域と市街化調整区域との区分の決定の有無を定めることができる。×
2H30-16-4準都市計画区域については、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、都市計画に市街化区域と市街化調整区域との区分を定めなければならない。
×
3H27-16-2準都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、区域区分を定めることができる。×
4H23-16-4都市計画区域については、秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、都市計画に必ず市街化区域と市街化調整区域との区分を定めなければならない。×
5H22-16-3区域区分は、指定都市、中核市及び施行時特例市の区域の全部又は一部を含む都市計画区域には必ず定めるものとされている。×
6H19-18-2都市計画区域については、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、市街化区域と市街化調整区域との区分を必ず定めなければならない。×
7H14-17-4無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を進めるため、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分することができるが、すべての都市計画区域において区分する必要はない。

4 正しい

(「はじめに」参照。)
「建築物の建蔽率の最高限度」は、地区整備計画で定めることができる事項の中に含まれています(都市計画法12条の5第7項2号)。


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