【宅建過去問】(令和03年10月問49)土地に関する知識

土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 森林は、木材資源としても重要で、水源涵養、洪水防止等の大きな役割を担っている。
  2. 活動度の高い火山の火山麓では、火山活動に伴う災害にも留意する必要がある。
  3. 林相は良好でも、破砕帯や崖錐等の上の杉の植林地は、豪雨に際して崩壊することがある。
  4. 崖錐や小河川の出口で堆積物の多い所等は、土石流の危険が少ない。

正解:4

1 適当

日本では、国土の56%が山地であり、その大部分が森林です。
森林は、スギ・ヒノキ・ケヤキなど木材資源としても重要です。
また、森林は、水源涵養機能を有しています。具体的にいうと、洪水緩和・水資源貯留・水質浄化の機能を果たしています。

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森林(免除科目[03]2(1))
年-問-肢内容正誤
1R03-49-1森林は、木材資源としても重要で、水源涵養、洪水防止等の大きな役割を担っている。
2R02s-49-1山地は、地形がかなり急峻で、大部分が森林となっている。
3H21-49-1山地の地形は、かなり急峻で大部分が森林となっている。

2 適当

活動度の高い火山山麓では、噴石・火砕流・溶岩流など火山活動に伴う災害のリスクがあります。これらのリスクに留意する必要があります。

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山地(免除科目[03]2(1))
年-問-肢内容正誤
1R03-49-2活動度の高い火山の火山麓では、火山活動に伴う災害にも留意する必要がある。
2R02s-49-1山地は、地形がかなり急峻で、大部分が森林となっている。
3H25-49-1国土を山地と平地に大別すると、山地の占める比率は、国土面積の約75%である。
4H25-49-2火山地は、国土面積の約7%を占め、山林や原野のままの所も多く、水利に乏しい。
5H21-49-1山地の地形は、かなり急峻で大部分が森林となっている。
6H18-50-1山地とは、傾斜が急で、表土の下に岩盤又はその風化土が現れる地盤である。
山麓(免除科目[03]2(2))
年-問-肢内容正誤
1R03s-49-4平地に乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊等の災害を引き起こす例も多い。
2R03-49-2活動度の高い火山の火山麓では、火山活動に伴う災害にも留意する必要がある。
3H30-49-1山麓の地形の中で、地すべりによってできた地形は一見なだらかで、水はけもよく、住宅地として好適のように見えるが、末端の急斜面部等は斜面崩壊の危険度が高い。
4H28-49-3山麓や火山麓の地形の中で、土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が低く、住宅地として好適である。×
5H27-49-4都市周辺の丘陵や山麓に広がった住宅地は、土砂災害が起こる場合があり、注意する必要がある。
6H23-49-2山麓部の利用に当たっては、背後の地形、地質、地盤について十分吟味する必要がある。

3 適当

破砕帯というのは、断層運動に伴って砕かれた岩石が帯状に分布する部分という意味です。また、崖錐は、崖や急斜面の下に風化・剥離した岩屑が堆積して形成された円錐状の地形をいいます。いずれにしても、脆くて透水性が高いという特徴があります。豪雨があれば、水を含んで崩壊するリスクがあるわけです。
杉を植林し、その林相が良好であっても、このリスクを回避することはできません。

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崖錐(免除科目[03]6(1)③)
年-問-肢内容正誤
1R03-49-3林相は良好でも、破砕帯や崖錐等の上の杉の植林地は、豪雨に際して崩壊することがある。
2R03-49-4崖錐や小河川の出口で堆積物の多い所等は、土石流の危険が少ない。×
3H11-49-3崖錐は、谷の出口付近において傾斜の緩い扁平な円錐形状の地形を形成しており、谷出口を頂点とする同心円状の等高線で表されることが多い。×
4H08-01-2崖錐堆積物は、一般的に透水性が低く、基盤との境付近が水の通り道となって、そこをすべり面とした地すべりが生じやすい。×
5H04-01-4崖錐堆積物におおわれた地域は、一般的に、切土をすると、崩壊や地すべりを起こしやすい。
斜面崩壊(免除科目[03]6(1)①)
年-問-肢内容正誤
1R03s-49-4平地に乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊等の災害を引き起こす例も多い。
2R03-49-3林相は良好でも、破砕帯や崖錐等の上の杉の植林地は、豪雨に際して崩壊することがある。
3H30-49-1山麓の地形の中で、地すべりによってできた地形は一見なだらかで、水はけもよく、住宅地として好適のように見えるが、末端の急斜面部等は斜面崩壊の危険度が高い。
4H28-49-1豪雨による深層崩壊は、山体岩盤の深い所に亀裂が生じ、巨大な岩塊が滑落し、山間の集落などに甚大な被害を及ぼす。
5H28-49-4丘陵地や台地の縁辺部の崖崩れについては、山腹で傾斜角が25度を超えると急激に崩壊地が増加する。
6H22-49-3土石流は、流域内で豪雨に伴う斜面崩壊の危険性の大きい場所に起こりやすい。
7H13-49-2土石流は、急勾配の渓流に多量の不安定な砂礫の堆積がある所や、流域内で、豪雨に伴う斜面崩壊の危険性の大きい場合に起こりやすい。
8H12-49-2樹木が生育する斜面地では、その根が土層と堅く結合しても、根より深い位置の斜面崩壊に対しては、樹木による安定効果を期待することはできない。

4 最も不適当

崖錐は、崖や急斜面の下に風化・剥離した岩屑が堆積して形成された円錐状の地形をいいます。小河川の出口も、堆積物が多い点では、これと共通します。
このように堆積物がある箇所に、長雨や集中豪雨があれば、それらの堆積物が一気に押し流され、土石流が発生するリスクがあります(肢3の表参照)。

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崖錐(免除科目[03]6(1)③)
年-問-肢内容正誤
1R03-49-3林相は良好でも、破砕帯や崖錐等の上の杉の植林地は、豪雨に際して崩壊することがある。
2R03-49-4崖錐や小河川の出口で堆積物の多い所等は、土石流の危険が少ない。×
3H11-49-3崖錐は、谷の出口付近において傾斜の緩い扁平な円錐形状の地形を形成しており、谷出口を頂点とする同心円状の等高線で表されることが多い。×
4H08-01-2崖錐堆積物は、一般的に透水性が低く、基盤との境付近が水の通り道となって、そこをすべり面とした地すべりが生じやすい。×
5H04-01-4崖錐堆積物におおわれた地域は、一般的に、切土をすると、崩壊や地すべりを起こしやすい。
土石流(免除科目[03]6(1)①)
年-問-肢内容正誤
1R03-49-4崖錐や小河川の出口で堆積物の多い所等は、土石流の危険が少ない。×
2H28-49-2花崗岩が風化してできた、まさ土地帯においては、近年発生した土石流災害によりその危険性が再認識された。
3H28-49-3山麓や火山麓の地形の中で、土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が低く、住宅地として好適である。×
4H22-49-2谷出口に広がる扇状地は、地盤は堅固でないが、土石流災害に対して安全であることが多い。×
5H22-49-3土石流は、流域内で豪雨に伴う斜面崩壊の危険性の大きい場所に起こりやすい。
6H13-49-2土石流は、急勾配の渓流に多量の不安定な砂礫の堆積がある所や、流域内で、豪雨に伴う斜面崩壊の危険性の大きい場合に起こりやすい。
7H12-49-3谷出口に広がる扇状地は、土砂・礫が堆積してできたものであるため、地盤は堅固でないが、土石流災害に対しては安全であることが多い。×
8H08-01-1扇状地については、大縮尺の地形図や空中写真によって、土石流や洪水流の危険度をある程度判別できることが多い。

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