■講義編■民法[32]遺言
「遺言」とは、遺言者の死亡時に効力を発生する意思表示のことです。つまり、自分の死後、誰にどれだけの財産を譲るか、本人が決めておくのです。
遺言をするには、一定のルールに従う必要があります。自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言、それぞれどのようなもので、どう違っているのか、比較しながら整理しましょう。
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Contents
1.遺言とは
(1).意味
遺言者の死亡時に効力を発生する意思表示
(2).遺贈
遺言による財産の無償譲与

(3).遺言能力
15歳以上であること
★過去の出題例★遺言能力(民法[32]1(3))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
|---|---|---|---|
| 1 | H22-10-3 | 未成年であっても、15歳に達した者は、有効に遺言をすることができる。 | ◯ |
| 2 | H11-01-4 | 満15歳に達した者は、父母の同意を得なくても、遺言をすることができる。 | ◯ |
| 3 | H04-13-1 | 遺言は、満15歳に達すればすることができ、法定代理人の同意は必要でない。 | ◯ |
(4).死因贈与(⇒[28]2(2))との比較
①死因贈与とは
贈与者の死亡によって効力を生じる贈与契約

②遺贈に関する規定を準用
遺贈に関する規定を準用
→いつでも撤回可能
2.遺言の方式
(1).3種類の遺言
①自筆証書遺言
遺言者が、全文・日付・氏名を自署し、押印する方法で作成される遺言
財産目録の作成には、パソコン等を使用可能(各ページに署名・押印が必要)
3種類の遺言(民法[32]2(1))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
|---|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | |||
| 1 | R03s-07-1 | 自筆証書によって遺言をする場合、遺言者は、その全文、日付及び氏名を自書して押印しなければならないが、これに添付する相続財産の目録については、遺言者が毎葉に署名押印すれば、自書でないものも認められる。 | ◯ |
| 2 | H27-10-1 | 自筆証書の内容を遺言者が一部削除する場合、遺言者が変更する箇所に二重線を引いて、その箇所に押印するだけで、一部削除の効力が生ずる 。 | × |
| 3 | H27-10-2 | 自筆証書による遺言をする場合、遺言書の本文の自署名下に押印がなければ、自署と離れた箇所に押印があっても、押印の要件として有効となることはない 。 | × |
| 4 | H22-10-1 | 自筆証書遺言は、その内容をワープロ等で印字していても、日付と氏名を自署し、押印すれば、有効な遺言となる。 | × |
| 5 | H17-12-1 | 自筆証書による遺言をする場合、証人二人以上の立会いが必要である。 | × |
| 公正証書遺言 | |||
| 1 | R03s-07-2 | 公正証書遺言の作成には、証人2人以上の立会いが必要であるが、推定相続人は、未成年者でなくとも、証人となることができない。 | ◯ |
②公正証書遺言
公証人の面前で、証人2人以上の立会いの上で作成される遺言
③秘密証書遺言
遺言者が遺言を記入した書面に署名・押印した上で封印
公証人と証人2人以上の前で、自己の遺言書である旨を申述
公証人が日付等を記載、公証人・遺言者・証人が署名・押印
(2).遺言書の検認
家庭裁判所による
遺言書の存在・現状を確定する作業
→遺言の有効・無効とは無関係
遺言書の検認(民法[32]2(2))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 17-12-2 | 検認を怠ったまま自筆証書遺言が執行された場合、遺言書は無効となる。 | × |
| 2 | 06-13-2 | 遺言は、家庭裁判所の検認手続を経なければ効力を生じない。 | × |
(3).まとめ
| 存在 | 内容 | 証人 | 検認 | |
| 自筆証書遺言 | 秘密 | 秘密 | 不要 | 必要※ |
| 公正証書遺言 | 明確 | 明確 | 2人以上 | 不要 |
| 秘密証書遺言 | 明確 | 秘密 | 2人以上 | 必要 |
※自筆証書遺言でも、自筆証書遺言書保管制度を利用した場合は、検認不要。
(4).共同遺言の禁止
複数の人が同一の証書で遺言×
★過去の出題例★3.遺言の撤回
(1).撤回の自由
いつでも、何度でも、遺言の方式で撤回が可能
(2).撤回とみなされる場合
前の遺言と後の遺言が抵触
遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触
遺言の撤回(民法[32]3)
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 17-12-3 | 前の遺言と後の遺言が抵触する場合、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。 | ◯ |
| 2 | 12-10-3 | 相続させる旨の遺言をした土地を第三者に売却した場合、遺言は取り消されたものとみなす。 | ◯ |
| 3 | 06-13-4 | Bに遺贈すると遺言した後で、Cに遺贈すると遺言した場合、Bは土地所有権を取得しない。 | ◯ |
| 4 | 03-10-3 | 書面による死因贈与の対象とした土地を、第三者に遺贈することができる。 | ◯ |
| 5 | 03-10-4 | 書面による死因贈与を、後に遺言によって取り消すことはできない。 | × |
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