【宅建過去問】(令和04年問25)地価公示法
地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 土地鑑定委員会は、標準地の正常な価格を判定したときは、標準地の単位面積当たりの価格のほか、当該標準地の地積及び形状についても官報で公示しなければならない。
- 正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引(一定の場合を除く。)において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に建物がある場合には、当該建物が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。
- 公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格を規準とする必要があり、その際には、当該土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる1又は2以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該土地の価格との間に均衡を保たせる必要がある。
- 公示区域とは、都市計画法第4条第2項に規定する都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域のうち、国土利用計画法第12条第1項の規定により指定された規制区域を除いた区域をいう。
正解:2
地価公示の流れ
地価公示全体の流れを押さえておくと、選択肢の内容が理解しやすくなります。
1 正しい
土地鑑定委員会は、標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、すみやかに、次に掲げる事項を官報で公示する義務を負います(「地価公示の流れ」図の⑤。地価公示法6条)。
■類似過去問
内容を見る
官報による公示(税・鑑定[08]2(5))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R04-25-1 | 土地鑑定委員会は、標準地の正常な価格を判定したときは、標準地の単位面積当たりの価格のほか、当該標準地の地積及び形状についても官報で公示しなければならない。 | ◯ |
2 | R02s-25-3 | 土地鑑定委員会は、標準地の正常な価格を判定したときは、標準地の単位面積当たりの価格のほか、当該標準地の価格の総額についても官報で公示しなければならない。 | × |
3 | H29-25-1 | 土地鑑定委員会は、標準地の単位面積当たりの価格及び当該標準地の前回の公示価格からの変化率等一定の事項を官報により公示しなければならないとされている。 | × |
4 | H27-25-4 | 土地鑑定委員会が標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、標準地の形状についても公示しなければならない。 | ◯ |
5 | H26-25-1 | 土地鑑定委員会は、標準地の価格の総額を官報で公示する必要はない。 | ◯ |
6 | H23-25-4 | 土地鑑定委員会が標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、当該価格については官報で公示する必要があるが、標準地及びその周辺の土地の利用の現況については官報で公示しなくてもよい。 | × |
7 | H08-33-4 | 標準地の正常な価格とは、当該土地に建物がある場合にはその建物が存しないものとして通常成立すると認められる価格をいうので、標準地の利用の現況は、官報で公示すべき事項に含まれていない。 | × |
8 | H03-34-4 | 地価公示は、毎年1月1日時点の標準地の単位面積当たりの正常な価格を公示するものであり、この公示価格は官報で公示されるほか、関係市町村の一定の事務所において閲覧できる。 | ◯ |
9 | H02-32-1 | 標準地の単位面積当たりの正常な価格が判定されたときは、国土交通大臣は、その価格、所在地等について官報で公示し、関係市町村長に所要の図書を送付しなければならない。 | × |
2 誤り
「正常な価格」とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格のことをいいます。
その土地に使用・収益を制限する定着物や権利が存する場合には、これらが存しないものとして通常成立すると認められる価格で計算します(地価公示法2条2項)。
本肢は、「当該建物が存するものとして」とする点が事実と正反対です。
■類似過去問
内容を見る
正常な価格(税・鑑定[08]2(4)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R04-25-2 | 正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引(一定の場合を除く。)において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に建物がある場合には、当該建物が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。 | × |
2 | R02s-25-1 | 土地鑑定委員会は、その土地に地上権が存する場合であっても、標準地として選定することができる。 | ◯ |
3 | R01-25-3 | 標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引(一定の場合を除く。)において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に関して地上権が存する場合は、この権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格となる。 | ◯ |
4 | H27-25-2 | 正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格をいい、この「取引」には住宅地とするための森林の取引も含まれる。 | ◯ |
5 | H26-25-2 | 土地の使用収益を制限する権利が存する土地を標準地として選定することはできない。 | × |
6 | H21-25-3 | 地価公示において判定を行う標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合において通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に、当該土地の使用収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。 | × |
7 | H18-29-2 | 標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格をいう。 | ◯ |
8 | H14-29-3 | 標準地の正常な価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格をいい、当該土地に地上権がある場合には、その地上権が存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。 | × |
9 | H08-33-4 | 標準地の正常な価格とは、当該土地に建物がある場合にはその建物が存しないものとして通常成立すると認められる価格をいうので、標準地の利用の現況は、官報で公示すべき事項に含まれていない。 | × |
10 | H06-34-3 | 標準地の正常な価格は、当該土地に建物があるときは、建物があるものとして、判定される。 | × |
11 | H02-32-4 | 標準地の正常な価格とは、土地に建物がある場合は、当該建物が存しないものとして、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格をいう。 | ◯ |
3 正しい
公示価格を規準とするケース
不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合、正常な価格を求めるときは、公示価格を規準とする必要があります(地価公示法8条)。
「規準とする」とは
公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるに際して、当該対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる1又は2以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行ない、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいいます(地価公示法11条)。
■類似過去問
内容を見る
公示価格の効力(公示価格を規準とするケース)(税・鑑定[08]3(2)①)
公示価格の効力(「規準とする」とは)(税・鑑定[08]3(2)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R04-25-3 | 公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格を規準とする必要があり、その際には、当該土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる1又は2以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該土地の価格との間に均衡を保たせる必要がある。 | ◯ |
2 | R03s-25-2 | 不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格と実際の取引価格を規準としなければならない。 | × |
3 | R02s-25-4 | 土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、標準地として選定されている土地を取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格と同額としなければならない。 | × |
4 | H23-25-2 | 土地収用法その他の法律によって土地を収用することができる事業を行う者は、公示区域内の土地を当該事業の用に供するため取得する場合において、当該土地の取得価格を定めるときは、公示価格を規準としなければならない。 | ◯ |
5 | H15-29-3 | 不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格と実際の取引価格のうちいずれか適切なものを規準としなければならない。 | × |
6 | H04-34-1 | 公示価格は、標準地の単位面積当たりの正常な価格、すなわち、土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格を示すものであり、公共事業の用に供する土地の取得価格の算定の規準ともなるものである。 | ◯ |
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R04-25-3 | 公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格を規準とする必要があり、その際には、当該土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる1又は2以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該土地の価格との間に均衡を保たせる必要がある。 | ◯ |
1 | H25-25-3 | 公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるに際して、当該対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる1又は2以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいう。 | ◯ |
2 | H21-25-1 | 公示区域内の土地を対象とする鑑定評価においては、公示価格を規準とする必要があり、その際には、当該対象土地に最も近接する標準地との比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせる必要がある。 | × |
3 | H15-29-4 | 公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるに際して、当該対象土地に最も近い位置に存する標準地との比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいう。 | × |
4 正しい
公示区域とは、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域(国土利用計画法の規定により指定された規制区域を除く。)をいいます(地価公示法2条1項)。
この公示区域内から、標準地が選定されます(「地価公示の流れ」図の①)。
■類似過去問
内容を見る
標準地の選定(公示区域)(税・鑑定[08]2(1)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R04-25-4 | 公示区域とは、都市計画法第4条第2項に規定する都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域のうち、国土利用計画法第12条第1項の規定により指定された規制区域を除いた区域をいう。 | ◯ |
2 | R01-25-2 | 標準地は、都市計画区域外や国土利用計画法の規定により指定された規制区域内からは選定されない。 | × |
3 | H27-25-1 | 都市計画区域外の区域を公示区域とすることはできない。 | × |
4 | H23-25-1 | 公示区域とは、土地鑑定委員会が都市計画法第4条第2項に規定する都市計画区域内において定める区域である。 | × |
5 | H06-34-1 | 土地鑑定委員会は、都市計画区域内の標準地について、単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示する。 | × |
6 | H03-34-1 | 地価公示の対象となる標準地は、都市計画区域内において、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定される。 | × |
7 | H01-32-1 | 地価公示は、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域(国土利用計画法による規制区域を除く。)内の土地について、行われる。 | ◯ |