宅建業法[19]手付金等の保全措置

手付金や中間金など、契約締結から引渡しまでの間に、買主が売主に支払い、売買代金に充当される金銭のことを「手付金等」といいます。手付金等が一定額を超える場合、売主である宅建業者は、受領する前に、保全措置を用意する必要があります。
保全措置というのは、物件が買主に引き渡されなかった場合、買主が手付金等の返還を受けることができるという仕組みのことです。

1.目的

2.「手付金等」とは

(1).定義

契約締結日~引渡し前に支払われる
代金・手付金など代金に充当される金銭

(2).具体例

★過去の出題例★
宅建業法[19]2
「手付金等」とは
 年-問-肢内容正誤
128-28-ア
建築工事完了前のマンションで4,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金受領後、手付金と中間金について保全措置を講じた。
×
228-43-ウ
建築工事完了前のマンションで3,000万円/手付金150万円・中間金350万円→中間金受領の際に500万円について保全措置を講じなければならない。
326-33-3建築工事完了前の建物で5,000万円/手付金100万円・中間金500万円→中間金受領前に500万円の保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。×
425-40-4建築工事完了前のマンションで4,000万円/手付金100万円・中間金200万円→手付金が代金の5%以内であるから保全措置は不要。×
524-34-ア代金に充当される中間金→「手付金等」にあたる。
624-34-イ代金の一部となる申込証拠金→「手付金等」にあたる。
723-38-3代金に充当される申込証拠金→「手付金等」にあたる。
823-38-4中間金→「手付金等」にあたる。
913-41-1代金に充当される申込証拠金→「手付金等」にあたる。
1013-41-4中間金→「手付金等」にあたる。
1103-49-2手付金に充当される申込証拠金は保全措置の対象にならない。×

3.保全措置が不要な場合

★過去の出題例★
宅建業法[19]3
手付金等の保全措置(保全措置の省略)
 年-問-肢内容正誤
122-41-エ保全措置を講じる予定であることを説明すれば、保全措置の前に手付金を受領できる。×
221-39-2買主の書面による承諾を得れば、保全措置を講じなくても構わない。×
(1).少額であるケース

完成しているかどうか、は契約時点で判断

★過去の出題例★
宅建業法[19]3(1)
保全措置が不要な場合(未完成物件)
 年-問-肢内容正誤
128-28-ア
代金4,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金受領後に保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。
×
228-43-ア
代金3000万円/手付金600万円→保全措置が必要。
327-36-ウ代金2,400万円/手付金120万円以下→保全措置を講じずに受領できる。
427-40-イ代金3,000万円/手付金300万円。手付金等について保証保険契約を締結して、手付金を受領し、後日保険証券を交付した。×
527-40-ウ代金3,000万円/手付金150万円/中間金150万円→保全措置は不要。×
626-33-2代金5,000万円/手付金1,000万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
726-33-3代金5,000万円/手付金100万円・中間金500万円→中間金受領前に500万円の保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。×
825-40-4代金4,000万円/手付金100万円・中間金200万円→手付金が代金の5%以内であるから保全措置は不要。×
923-38-3代金3,000万円/代金に充当される申込証拠金5万円・手付金200万円→申込証拠金についても保全措置が必要。
1023-38-4代金3,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金についても保全措置が必要。
1121-39-3代金5,000万円/手付金500万円・中間金250万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
1221-39-4代金5,000万円/手付金2,000万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。×
1320-41-1代金5,000万円/手付金200万円→保全措置を講じずに受領した。
1420-41-3代金1億円/手付金1,500万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
1519-43-2代金1億円/手付金1,500万円・中間金1,500万円→手付金・中間金それぞれにつき保全措置が必要。
1616-44-1代金の1/10以下で、かつ、1,000万円以下であれば、保全措置不要。×
1713-41-1代金4,000万円/申込証拠金10万・手付金300万円→申込証拠金についても保全措置が必要。
1813-41-4代金4,000万円/手付金300万円・中間金100万→中間金につき保全措置が必要。
1909-39-1代金5,000万円/手付金200万円→手付金につき保全措置は不要。
2005-43-3代金6,000万円/手付金500万円・中間金1,000万円→手付金について中間金受領の際にまとめて保全措置。×
2103-49-2代金1億5,000万円/申込証拠金30万円・手付金2,000万円・中間金6,000万円→保全措置の対象は2,000万円。×
2202-42-1代金1億円/手付金900万円・中間金4,100万円・残代金5,000万円/引渡し・登記の移転は残代金の支払いと同時→保全措置は不要。×
2301-42-1代金1億2,000万円/手付金1,500万円・中間金4,500万円→中間金受領の際に保全措置を講じればよい。×
宅建業法[19]3(1)
保全措置が不要な場合(完成物件)
 年-問-肢内容正誤
128-28-イ代金4,000万円/手付金400万円→保全措置を講じることなく受領。
224-34-ア代金2,000万円/手付金200万円・中間金100万円→中間金受領後に保全措置。×
324-34-イ代金2,000万円/代金に充当される申込証拠金10万円・手付金200万円→保全措置を講じた上で手付金を受領。
424-38-ウ代金3,000万円/手付金300万円→保全措置を講じなければ受領できない。×
520-41-2代金5,000万円/手付金700万円→保全措置を講じずに受領できる。×
617-42-1代金4,000万円/手付金400万円→保全措置を講じずに受領できる。
717-42-2代金4,000万円/手付金100万円・中間金600万円→中間金のみ保全措置を講じればよい。×
815-38-2手付金20%→保全措置を講じた上で受領。
914-40-3手付が代金の1/10を超え、かつ、1,000万円を超える→いかなる場合も保全措置が必要。×
1009-44-1手付金が代金の10%を超えるが、営業保証金の額の範囲内→保全措置は不要。×
1109-44-4手付金が本体価額(税引価格)の10%を超えるが、売買代金(税込価格)の10%以下→保全措置は不要。
1204-41-1代金4,500万円/手付金400万円・中間金2000万円→中間金のみ保全措置を講じればよい。×
1302-42-4代金1億円/手付金900万円・中間金4,100万円/引渡し・登記の移転は中間金の支払いと同時→保全措置なしで、手付金を受領できない。×
1401-42-2代金12,000万円/手付金1,500万円・中間金4,500万円・残代金6,000万円/引渡し・登記移転は中間金の支払いと同時 →手付金の受領前に保全措置が必要。
(2).買主が登記したケース

★過去の出題例★
宅建業法[19]3(2)
保全措置が不要な場合(買主が登記したケース)

 年-問-肢内容正誤
128-43-エ
[宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者でないBと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結]Aは、保全措置を講じないで、Bから手付金150万円を受領した場合、その後、建築工事が完了しBに引き渡す前に中間金150万円を受領するときは、建物についてBへの所有権移転の登記がなされるまで、保全措置を講じる必要がない。
×
226-33-4買主への所有権移転登記が完了したときは、保全措置を講じなくてもよい。
319-34-3買主への所有権移転登記がされたときは、保全措置を講じなくてもよい。
419-43-2引渡し及び登記の移転を残代金の支払と同時に行う場合、手付金の受領前及び中間金の受領前それぞれについて、保全措置を講じなければならない。
518-39-4買主への所有権移転登記をすれば、金額を問わず保全措置を講じる必要はない。
614-40-3手付が代金の1/10を超え、かつ1,000万円を超える場合、いかなる場合も保全措置を行わなければならない。×
709-39-4住宅の引渡し及び登記前でも、建築工事が完了している場合には、保全措置は不要。×
804-41-3手付金を受領する際に銀行と保証委託契約を締結したが、その後売主への所有権移転登記を行ったので、保証委託契約を解約した場合、宅建業法に違反しない。
903-49-4残代金を所有権移転登記完了後に支払う場合、残代金の受領については、手付金等保全措置を講じる必要はない。
1002-42-1宅地の引渡し及び登記の移転を残代金の支払いと同時とした場合、保全措置を講じることなく、手付金及び中間金を受領することができる。×

4.保全措置の方法

(1).ポイント

引渡しまでの期間をフォローしていること
手付金等の全額が返還されること

★過去の出題例★
宅建業法[19]4(1)
保全措置の方法(手付金等の全体が対象)
 年-問-肢内容正誤
128-43-ウ
建築工事完了前のマンションで3,000万円/手付金150万円・中間金350万円→中間金受領の際に500万円について保全措置を講じなければならない。
226-33-3建築工事完了前の建物で5,000万円/手付金100万円・中間金500万円→中間金受領前に500万円の保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。×
323-38-1銀行の保証委託契約は返還債務全部を保証する必要がある。
422-41-ウ保全措置を講じる必要がある額を超えた部分についてのみ保全措置を講じれば、その額を超える手付金を受領できる。×
519-34-4物件の引渡しが不可能になった場合、買主は手付金全額の返還を銀行に請求できる。
617-42-2完成物件で、代金4,000万円/手付金100万円・中間金600万円→中間金のみ保全措置を講じればよい。×
714-41-2未完成物件で、保全の対象となるのは、代金の5/100を超えかつ1,000万を超える部分である。×
813-41-2銀行との間に保全措置を講じている場合、手付金の全額の返還を銀行に請求できる。
812-40-2完成物件では、手付金のうち代金の1/10を超える部分について手付金等の保全措置を講じた場合は、手付金全額を受領できる。×
1004-41-1完成物件で、代金4,500万円/手付金400万円・中間金2000万円→中間金のみ保全措置を講じればよい。×
1103-49-2代金1億5,000万円/申込証拠金30万円・手付金2,000万円・中間金6,000万円→保全措置の対象は2,000万円。×
1202-47-4未完成物件では、代金の5%を超える部分について保全措置を講じなければ、手付金等を受領できない。×
(2).保全措置の種類
①保証(銀行等による連帯保証)

②保険(保険事業者による保証保険)

③保管(指定保管機関による保管)

★過去の出題例★
宅建業法[19]4(2)
保全措置の種類
 年-問-肢内容正誤
125-40-1工事完了前の建物につき代金の5%を超える手付金を受領する場合、銀行等による連帯保証、保険事業者による保証保険又は指定保管機関による保管により保全措置を講じなければならない。×
223-38-2宅建業者が保険事業者との間で保証保険契約を締結することにより保全措置を講じている場合、当該措置内容は、少なくとも当該保証保険契約が成立したときから建築工事の完了までの期間を保険期間とするものでなければならない。×
322-41-イ売主の代表取締役の連帯保証は、保全措置として有効である。×
419-34-4物件の引渡しが不可能になった場合、買主は手付金全額の返還を銀行に請求できる。
513-41-2銀行との間に保全措置を講じている場合、手付金の全額の返還を銀行に請求できる。
605-43-4工事完了前の建物につき、手付金等の保全措置として、信用金庫と保証委託契約を締結し、連帯保証書を買主に交付した。
705-45-2宅建業者の資金事情が悪化し債務を履行しない場合、買主は、手付金等の保全措置により連帯保証した信託会社に対し、契約を解除することなく、手付金の返還を求めることができる。×
805-45-3手付金等の保全措置により手付金の返還を求めるとともに、営業保証金から弁済を求めることができる。
904-41-2売主の友人の連帯保証は、保全措置として有効である。×
1002-42-2工事完了前の宅地につき、手付金等の保全措置として、手付金等寄託契約を利用することができる。×
1102-42-3工事完了後の宅地につき、手付金等の保全措置として、信用金庫による保証委託契約を利用することができる。
宅建業法[19]4(2)
保全措置と受領の順序

 年-問-肢内容正誤
128-28-ア
中間金受領後に、保全措置。
×
227-40-イ
代金3,000万円/手付金300万円。手付金等について保証保険契約を締結して、手付金を受領し、後日保険証券を交付した。

×
324-34-ア受領後に保全措置。×
423-37-2完成物件につき代金の20%の手付金を受領する前に保全措置。
522-41-エ受領後遅滞なく保全措置を講じる旨を買主に説明した上で、保全措置なしに手付金を受領。×
615-41-3手付金受領後直ちに、保全措置。×
709-44-2手付金受領後すみやかに、保全措置。×
803-49-1手付金受領後1週間以内に、保全措置。×
(3).まとめ

5.保存措置を講じない場合

手付金等の支払いを拒否できる
債務不履行にならない

★過去の出題例★
宅建業法[19]5
保全措置を講じない場合

 年-問-肢内容正誤
128-43-ア
保全が必要な額の手付金を受領するにも関わらず、売主である宅建業者が保全措置を講じていない場合、買主は、この手付金の支払を拒否することができる。
222-41-ア売主が保全措置を講じないことを理由に、買主が中間金を支払わない場合、業者から債務不履行を理由に解除が可能。×
314-41-3売主が保全措置を講じない場合、買主は手付金等を支払わないことができる。

6.業者間取引

適用除外

★過去の出題例★
宅建業法[19]6
業者間取引と手付金等の保全措置

 年-問-肢内容正誤
126-33-1業者間取引で、代金5,000万円/手付金1,000万円→保全措置を講じずに受領できる。
225-40-3未完成物件の業者間取引で、代金5000万/手付金500万円→保全措置を講じずに受領できる。
320-41-4業者間取引で、代金1億円/手付金2,500万円→保全措置を講じずに受領できる。
416-40-4業者間取引に、手付金等の保全措置の規定が適用される。×
513-42-1手付金の額が代金の2割を超える場合には、業者間取引でも、手付金等の保全措置を講じなければならない。×
607-42-4業者間取引では、手付金等の保全措置を講ずる必要はない。
706-44-4業者間取引で、手付金等の保全措置を講じなかった場合、宅建業法に違反する。×
801-42-4業者間取引でも、手付金等の保全措置を講じなければならない。×
宅建業法[19]6
保全措置を講じるべき宅建業者

 年-問-肢内容正誤
128-43-イ
売主である宅建業者が保全措置を講じて手付金を受領した場合、その宅建業者から媒介を依頼された宅建業者も、媒介報酬につき保全措置を講じなければならない。
×
225-40-2売主である業者または販売代理業者のいずれかが保全措置を講じなければならない。×
301-42-3媒介する宅建業者が保全措置を講じなければならない。×

[Step.1]基本習得編講義

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ニコニコチャンネル1講義100円or月額1,500円(税別)

[Step.2]実戦応用編講義

「一問一答式問題集」を解き、自己採点をしたうえで、解説講義を御覧ください。

【動画講義を御覧になる方法】
【必須資料】『一問一答式問題』(宅建業法)
DVD通信講座「実戦応用編講座」(全22巻)22,000円(税別)
ニコニコチャンネル1講義100円or月額1,500円(税別)

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宅建業法[19]手付金等の保全措置” に対して1件のコメントがあります。

  1. ドクターX より:

    Step1
    宅建業法19
    7 手付金等の保全措置

    YouTube動画の 12:26~
    画面の図で
    「保存措置があれば受領」となってますが
    「保全措置が・・・」の間違いですか??

    1. 家坂 圭一 より:

      御指摘の通り、
      ×)保存措置→◯)保全措置
      です。
      2019年版では、訂正します。
      御指摘ありがとうございました。

  2. ドクターX より:

    Step.2 宅建業法19
    手付金等の保全措置
    3 保全措置が不要な場合

    問3で
    YouTube動画の6:05~6:47

    手付金受領時
    保全措置「不要」と画面ではなってますが
    3000万円×5%=150万円
    なので
    200万円は「必要」の間違いですか??
    (解説では「必要」と言ってます)

    1. 家坂 圭一 より:

      ×)不要→◯)必要
      です。
      2019年版でこの問題を使う場合には、訂正します。
      御指摘ありがとうございました。

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