不動産登記に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建物の新築による建物の表題登記は、管轄を誤って登記されたものであっても、登記が完了すれば、職権によって抹消されることはない。
- 建物の表示に関する登記において、建物の種類は、建物の主たる用途により、居宅、店舗、事務所等に区分して定められる。
- 甲地を甲地及び乙地に分筆の登記をする場合は、甲地に登記されている抹消された登記も、乙地に転写される。
- 所有権の登記の抹消を申請する場合において、その抹消につき登記上利害関係を有する抵当権者がいるときは、申請情報と併せて抵当権者の承諾を証する情報及び抵当権者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供することを要する。
正解:2
1 誤り
管轄に属しない不動産に関する登記申請は、却下されるはずである(不動産登記法25条1号)。
もし誤って登記された場合でも、登記官の職権により、その登記は抹消されることになる(同法28条)。
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申請の却下(不動産登記法[02]1(3)②)
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R01-14-1 | 登記の申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないときは、登記官は、理由を付した決定で、当該申請を却下しなければならない。 | ◯ |
2 | H15-15-1 | 不動産の登記申請において、申請情報の内容が登記原因を証する情報の内容と合致していない場合には、申請人が即日にこれを補正したときでも、登記官は、理由を付した決定をもって、当該申請を却下しなければならない。 | × |
3 | H12-15-2 | 土地の分筆の登記の申請書に記載する分割前の土地の地積は、登記簿上の地積と一致していなければならない。 | ◯ |
4 | H05-16-1 | 建物の新築による建物の表題登記は、管轄を誤って登記されたものであっても、登記が完了すれば、職権によって抹消されることはない。 | × |
表示に関する登記・権利に関する登記(不動産登記法[02]1)
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
| | 両者の比較
| |
1 | R03s-14-1 | 表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。
| ◯ |
2 | R03s-14-3 | 登記官は、表示に関する登記について申請があった場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。
| ◯ |
| | 登記の契機
| |
1 | H30-14-1 | 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。 | ◯ |
2 | H30-14-2 | 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。 | ◯ |
3 | H30-14-4 | 所有権の登記名義人は、その住所について変更があったときは、当該変更のあった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない。 | × |
4 | H06-15-4 | 建物の分割の登記は、表題部に記載した所有者又は所有権の登記名義人の申請によるほか、登記官が職権ですることもできる。 | × |
5 | H05-15-1 | 登記は、当事者の申請又は官公署の嘱託がある場合でなければ、することができない。 | × |
6 | H05-16-1 | 建物の新築による建物の表題登記は、管轄を誤って登記されたものであっても、登記が完了すれば、職権によって抹消されることはない。 | × |
7 | H03-16-4 | 建物の滅失の登記は、登記官の職権によってすることができる。 | ◯ |
2 正しい
建物の種類は、建物の表示に関する登記において登記事項とされている(同法44条1項3号)。
建物の種類とは、具体的には、建物の主たる用途をいい、居宅・店舗・寄宿舎・共同住宅・事務所などに分かれる(不動産登記規則113条1項)。
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建物の表示に関する登記の登記事項(不動産登記法[02]2(1))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | H30-14-3 | 所有権の登記名義人は、建物の床面積に変更があったときは、当該変更のあった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない。 | ◯ |
2 | H29-14-1 | 建物の名称があるときは、その名称も当該建物の表示に関する登記の登記事項となる。 | ◯ |
3 | H11-12-3 | 建物は、必ずしも土地に定着していることを要しないので、容易に運搬することができる切符売場・入場券売場も、建物の表示の登記をすることができる。 | × |
4 | H11-12-4 | 建築工事中の建物については、切組みを済ませ、降雨をしのぐことができる程度の屋根をふいたものであれば、周壁を有しなくても、建物の表示の登記をすることができる。 | × |
5 | H05-16-2 | 建物の表示に関する登記において、建物の種類は、建物の主たる用途により、居宅、店舗、事務所等に区分して定められる。 | ◯ |
3 誤り
登記官は、登記を移記し、又は転写するときは、法令に別段の定めがある場合を除き、現に効力を有する登記のみを移記し、又は転写しなければならない(同規則5条1項)。
したがって、抹消された登記は、転写されない。
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分筆・合筆の登記(不動産登記法[02]2(2)①)
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R02s-14-2 | 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地については、分筆の登記をすることができない。 | × |
2 | H12-15-1 | 土地の分筆の登記の申請人は、所有権の登記名義人でなければならない。 | × |
3 | H12-15-4 | 承役地についてする地役権の登記がある土地の分筆の登記を申請する場合において、分割後の土地の一部に地役権が存続するときは、申請書にこれを証する地役権者の情報及びその部分を示した図面を添付しなければならない。 | ◯ |
4 | H08-15-1 | 地上権の設定の登記がされている土地の分筆の登記は、所有権の登記名義人又は地上権者が申請することができる。 | × |
5 | H05-16-3 | 甲地を甲地及び乙地に分筆の登記をする場合は、甲地に登記されている抹消された登記も、乙地に転写される。 | × |
6 | H02-15-1 | 一筆の土地の一部について地目の変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、土地の分筆の登記及び表示の変更の登記を申請しなければならない。 | ◯ |
4 誤り
権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる(不動産登記法68条)。
このような承諾が得られなかったとしても、登記手続をすべきことを命ずる確定判決を得れば、単独で登記申請をすることができる(同法63条1項)。
したがって、「第三者の承諾又は裁判」のいずれかがあれば、抹消登記を申請することができる。本肢は、「抵当権者の承諾を証する情報及び抵当権者に対抗することができる裁判があったことを証する情報」とする点が誤り。
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所有権の登記の抹消(不動産登記法[03]2(3)②)
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R03-14-1 | 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がある場合においても、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 | × |
2 | H17-16-4 | 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記の有無にかかわらず、現在の所有権の登記名義人が単独で申請することができる。 | × |
3 | H10-14-2 | 所有権保存登記の抹消をその所有権の登記名義人が申請する場合には、申請情報と併せてその登記の登記識別情報を提供しなければならない。 | ◯ |
4 | H05-16-4 | 所有権の登記の抹消を申請する場合において、その抹消につき登記上利害関係を有する抵当権者がいるときは、申請情報と併せて抵当権者の承諾を証する情報及び抵当権者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供することを要する。 | × |
登記の抹消
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | H15-15-2 | 抹消登記を申請する場合において、当該抹消される登記について登記上の利害関係を有する第三者があるときは、申請には、当該第三者の承諾を証するその第三者が作成した情報又はその第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。 | ◯ |
2 | H05-16-4 | 所有権の登記の抹消を申請する場合において、その抹消につき登記上利害関係を有する抵当権者がいるときは、申請情報と併せて抵当権者の承諾を証する情報及び抵当権者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供することを要する。 | × |
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