土地に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 扇状地については、大縮尺の地形図や空中写真によって、土石流や洪水流の危険度をある程度判別できることが多い。
- 崖錐堆積物は、一般的に透水性が低く、基盤との境付近が水の通り道となって、そこをすべり面とした地すべりが生じやすい。
- 自然堤防は、主に砂や小礫からなり、排水性がよく地盤の支持力もあるため、宅地として良好な土地であることが多い。
- 旧河道は、それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるとき、軟弱地盤となって地盤の支持力が小さく、宅地には不適当であることが多い。
正解:2
1 正しい
扇状地とは、河川が山地から平地へと下る谷の出口に、河川により運ばれた砂礫が堆積することで形成される平坦地である。地形図上では、同心円状の等高線を描く。
砂礫で構成されていることで分かるように、扇状地は水はけがよく、地下水位が深い。このため、建築物の基礎として十分な支持力を持つ。しかし、谷の出口であるため、土石流などのリスクが高く、この点には注意が必要である。
扇状地は、谷の出口付近において傾斜の緩い扁平な円錐形状の地形を形成している。したがって、地図上では、谷出口を頂点とする同心円状の等高線で表される。このような特長を持つため、地形図や空中写真によって判別できることが多い。
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扇状地(免除科目[03]4(2))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | H30-49-4 | 低地の中で特に災害の危険度の高い所は、扇状地の中の微高地、自然堤防、廃川敷となった旧天井川等であり、比較的危険度の低い所が沿岸部の標高の低いデルタ地域、旧河道等である。 | ×
|
2 | H29-49-1 | 扇状地は、山地から河川により運ばれてきた砂礫等が堆積して形成された地盤である。 | ◯ |
3 | H22-49-2 | 谷出口に広がる扇状地は、地盤は堅固でないが、土石流災害に対して安全であることが多い。 | × |
4 | H20-49-2 | 扇状地は山地から平野部の出口で、勾配が急に緩やかになる所に見られ、等高線が同心円状になるのが特徴的である。 | ◯ |
5 | H18-50-3 | 扇状地とは、山地から河川により運ばれてきた砂礫等が堆積し、平坦地になった地盤である。 | ◯ |
6 | H12-49-3 | 谷出口に広がる扇状地は、土砂・礫が堆積してできたものであるため、地盤は堅固でないが、土石流災害に対しては安全であることが多い。 | × |
7 | H08-01-1 | 扇状地については、大縮尺の地形図や空中写真によって、土石流や洪水流の危険度をある程度判別できることが多い。 | ◯ |
8 | H06-01-2 | 扇状地は、なだらかな丘陵地より宅地として不適切である。 | ◯ |
9 | H04-01-1 | 扇状地は、砂礫層からなるので、構造物の基礎について十分な支持力を得にくい。 | × |
土石流(免除科目[03]6(1)①)
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R03-49-4 | 崖錐や小河川の出口で堆積物の多い所等は、土石流の危険が少ない。 | × |
2 | H28-49-2 | 花崗岩が風化してできた、まさ土地帯においては、近年発生した土石流災害によりその危険性が再認識された。 | ◯ |
3 | H28-49-3 | 山麓や火山麓の地形の中で、土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が低く、住宅地として好適である。 | × |
4 | H22-49-2 | 谷出口に広がる扇状地は、地盤は堅固でないが、土石流災害に対して安全であることが多い。 | × |
5 | H22-49-3 | 土石流は、流域内で豪雨に伴う斜面崩壊の危険性の大きい場所に起こりやすい。 | ◯ |
6 | H13-49-2 | 土石流は、急勾配の渓流に多量の不安定な砂礫の堆積がある所や、流域内で、豪雨に伴う斜面崩壊の危険性の大きい場合に起こりやすい。 | ◯ |
7 | H12-49-3 | 谷出口に広がる扇状地は、土砂・礫が堆積してできたものであるため、地盤は堅固でないが、土石流災害に対しては安全であることが多い。 | × |
8 | H08-01-1 | 扇状地については、大縮尺の地形図や空中写真によって、土石流や洪水流の危険度をある程度判別できることが多い。 | ◯ |
2 誤り
崖錐とは、がけや急斜面の下に、風化・剥離した岩屑が堆積してできた半円錐状の地形をいう。崖錐堆積物は、岩屑によって構成されているため、透水性が高い。そのため、地すべりを起こしやすい。
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崖錐(免除科目[03]6(1)③)
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R03-49-3 | 林相は良好でも、破砕帯や崖錐等の上の杉の植林地は、豪雨に際して崩壊することがある。 | ◯ |
2 | R03-49-4 | 崖錐や小河川の出口で堆積物の多い所等は、土石流の危険が少ない。 | × |
3 | H11-49-3 | 崖錐は、谷の出口付近において傾斜の緩い扁平な円錐形状の地形を形成しており、谷出口を頂点とする同心円状の等高線で表されることが多い。 | × |
4 | H08-01-2 | 崖錐堆積物は、一般的に透水性が低く、基盤との境付近が水の通り道となって、そこをすべり面とした地すべりが生じやすい。 | × |
5 | H04-01-4 | 崖錐堆積物におおわれた地域は、一般的に、切土をすると、崩壊や地すべりを起こしやすい。 | ◯ |
地すべり(免除科目[03]6(1)①)
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | H30-49-1 | 山麓の地形の中で、地すべりによってできた地形は一見なだらかで、水はけもよく、住宅地として好適のように見えるが、末端の急斜面部等は斜面崩壊の危険度が高い。 | ◯ |
2 | H22-49-1 | 地すべり地の多くは、地すべり地形と呼ばれる独特の地形を呈し、棚田などの水田として利用されることがある。 | ◯ |
3 | H15-49-2 | 断層は、ある面を境にして地層が上下又は水平方向にくい違っているものであるが、その周辺では地盤の強度が安定しているため、断層に沿った崩壊、地すべりが発生する危険性は低い。 | × |
4 | H14-49-2 | 宅地予定地周辺の擁壁や側溝、道路等にひび割れが見られる場合、地すべりが活動している可能性が高い。 | ◯ |
5 | H13-49-1 | 地すべりは、特定の地質や地質構造を有する地域に集中して分布する傾向が強く、地すべり地形と呼ばれる特有の地形を形成することが多い。 | ◯ |
6 | H12-49-1 | 地すべり地の多くは、過去に地すべり活動を起こした経歴があって、地すべり地形と呼ばれる独特の地形を呈し、棚田等の水田として利用されることがある。 | ◯ |
7 | H11-49-2 | 地すべり地については、上部は急斜面、中部は緩やかな斜面、下部には末端部に相当する急斜面があり、等高線は乱れて表れることが多い。 | ◯ |
8 | H08-01-2 | 崖錐堆積物は、一般的に透水性が低く、基盤との境付近が水の通り道となって、そこをすべり面とした地すべりが生じやすい。 | × |
9 | H04-01-2 | 地すべり地は、安定していても、盛土をすると、バランスをくずし、再びすべることがある。 | ◯ |
10 | H04-01-4 | 崖錐堆積物におおわれた地域は、一般的に、切土をすると、崩壊や地すべりを起こしやすい。 | ◯ |
3 正しい
自然堤防とは、河川からの砂や小礫の供給によって形成された地形である。排水性がよく地盤の支持力もあるため、宅地として良好な土地であることが多い。
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自然堤防・後背湿地(免除科目[03]4(3))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R05-49-1 | 自然堤防の後背湿地側の縁は、砂が緩く堆積していて、地下水位も浅いため、地震時に液状化被害が生じやすい地盤である。 | ◯ |
2 | H30-49-4 | 低地の中で特に災害の危険度の高い所は、扇状地の中の微高地、自然堤防、廃川敷となった旧天井川等であり、比較的危険度の低い所が沿岸部の標高の低いデルタ地域、旧河道等である。 | ×
|
3 | H19-49-2 | 後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ない。 | ◯ |
4 | H18-50-4 | 自然堤防とは、河川からの砂や小礫の供給が少ない場所に形成され、細かい粘性土や泥炭などが堆積した地盤である。 | × |
5 | H14-49-3 | 河川近傍の低平地で盛土を施した古い家屋が周辺に多いのは、洪水常習地帯である可能性が高い。 | ◯ |
6 | H12-49-4 | 自然堤防の背後に広がる低平地は、軟弱な地盤であることが多く、盛土の沈下が問題になりやすい。 | ◯ |
7 | H08-01-3 | 自然堤防は、主に砂や小礫からなり、排水性がよく地盤の支持力もあるため、宅地として良好な土地であることが多い。 | ◯ |
8 | H07-01-3 | 自然堤防に囲まれた低地は、地盤が安定していることが多い。 | × |
9 | H03-01-3 | 旧河道は軟弱地盤となっている所が多いが、自然堤防は、砂質や砂礫質の土からなり、比較的宅地に適している。 | ◯ |
4 正しい
旧河道は、水はけの悪い粘土などの土が堆積した軟弱な地盤であることが多い。したがって、地震の被害にあいやすい。また、排水が悪いうえに、地盤沈下がおきる危険性もある。そのため、宅地として選定するには注意を要する。
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旧河道(免除科目[03]4(4))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R01-49-4 | 旧河道や低湿地、海浜の埋立地では、地震による地盤の液状化対策が必要である。 | ◯ |
2 | H30-49-3 | 大都市の大部分は低地に立地しているが、この数千年の間に形成され、かつては湿地や旧河道であった地域が多く、地震災害に対して脆弱で、また洪水、高潮、津波等の災害の危険度も高い。 | ◯ |
3 | H30-49-4 | 低地の中で特に災害の危険度の高い所は、扇状地の中の微高地、自然堤防、廃川敷となった旧天井川等であり、比較的危険度の低い所が沿岸部の標高の低いデルタ地域、旧河道等である。 | ×
|
4 | H27-49-1 | 我が国の低地は、ここ数千年の間に形成され、湿地や旧河道であった若い軟弱な地盤の地域がほとんどである。 | ◯ |
5 | H26-49-1 | 旧河道は、地震や洪水などによる災害を受ける危険度が高い所である。 | ◯ |
6 | H19-49-4 | 旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。 | ◯ |
7 | H16-50-1 | 旧河道は軟弱で水はけの悪い土が堆積していることが多く、宅地として選定する場合は注意を要する。 | ◯ |
8 | H14-49-1 | 旧河道でそれを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるときは、軟弱地盤である可能性が高い。 | ◯ |
9 | H08-01-4 | 旧河道は、それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるとき、軟弱地盤となって地盤の支持力が小さく、宅地には不適当であることが多い。 | ◯ |
10 | H07-01-4 | 旧河道は、地盤が軟弱、低湿で、地震や洪水による被害を受けることが多い。 | ◯ |
11 | H06-01-4 | 旧河道は、なだらかな丘陵地より宅地として不適切である。 | ◯ |
12 | H03-01-3 | 旧河道は軟弱地盤となっている所が多いが、自然堤防は、砂質や砂礫質の土からなり、比較的宅地に適している。 | ◯ |
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