【宅建過去問】(平成09年問08)使用貸借
Aが、親友であるBから、B所有の建物を「2年後に返還する」旨の約定のもとに、無償で借り受けた。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
- Bが、Aの借受け後に当該建物をCに譲渡し登記を移転した場合、Cは、Aの借受け時から2年間は、Aに対し当該建物の返還を請求することはできない。
- 2年の期間満了時において、Bの返還請求に正当事由がない場合には、Aは、従前と同一の条件で、さらに2年間当該建物を無償で借り受けることができる。
- 2年の期間満了前にAが死亡した場合には、Aの相続人は、残りの期間についても、当該建物を無償で借り受ける権利を主張することはできない。
- Aは、当該建物につき通常の必要費を支出した場合には、Bに対し、直ちにそれを償還するよう請求することができる。
正解:3
1 誤り
使用貸借において、借主が新所有者に対し、使用借権を対抗する方法は、存在しない。
したがって、新所有者Cは、借主Aに対して、いつでも建物の返還を請求することができる。
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使用貸借:対抗要件(民法[27]2(5))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
[共通の設定] AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物について使用貸借契約を締結した。 | |||
1 | 21-12-3 | Aが甲建物をCに売却した場合、Bは甲建物の引渡しを受けて甲建物に居住していてもCに対して使用借権を主張することができない。 | ◯ |
2 | 19-13-2 | Aが甲建物をCに売却した場合、Cは、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できる。 | ◯ |
3 | 17-10-2 | Aがこの建物をCに売却し、その旨の所有権移転登記を行った場合でも、Aによる売却の前にBがこの建物の引渡しを受けていたときは、Bは使用貸借契約をCに対抗できる。 | × |
4 | 09-08-1 | Aが、Bの借受け後に当該建物をCに譲渡し登記を移転した場合、Cは、Bの借受け時から2年間は、Bに対し当該建物の返還を請求することはできない。 | × |
2 誤り
使用貸借において、借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければならない(民法597条1項)。
賃貸借の場合と違って、更新の手続は存在しない。
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使用貸借:終了・解除(民法[27]2(3))
[共通の設定]
AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物について使用貸借契約を締結した。
[共通の設定]
AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物について使用貸借契約を締結した。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R04-06-3 | 使用貸借の期間を2年と定めた場合、Bは、期間内に解除する権利を留保していなくてもいつでも解除することができる。 | × |
1 | H21-12-2 | A所有の甲建物につき、Bが適当な家屋に移るまでの一時的な居住を目的として使用貸借契約を締結した。返還時期の定めがない場合、AはBに対していつでも返還を請求できる。 | × |
2 | H17-10-4 | Aは、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。適当な家屋が現実に見つかる以前であっても、適当な家屋を見つけるのに必要と思われる客観的な期間を経過した場合は、AはBに対し、この建物の返還を請求することができる。 | ◯ |
3 | H09-08-2 | 2年の期間満了時において、Aの返還請求に正当事由がない場合には、Bは、従前と同一の条件で、さらに2年間当該建物を無償で借り受けることができる。 | × |
3 正しい
使用借権は、借主の死亡によってその効力が失われる(民法599条)。使用借権は、相続されないから、Aの相続人が、使用借権を主張することはできない。
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使用貸借:相続の可否(民法[27]2(4))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
[共通の設定] AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物について使用貸借契約を締結した。 | |||
1 | R03-03-エ | Bが死亡した場合、Bの相続人は、Aとの間で特段の合意をしなくても、当該使用貸借契約の借主の地位を相続して甲建物を使用することができる。 | × |
2 | 27-03-1 | 借主が死亡した場合、賃貸借では契約は終了しないが、使用貸借では契約が終了する。 | ◯ |
3 | 21-12-4 | Bが死亡すると使用貸借契約は終了するので使用借権はBの相続人に相続されない。 | ◯ |
4 | 17-10-1 | Bが死亡した場合、使用貸借契約は当然に終了する。 | ◯ |
5 | 13-06-2 | 使用貸借契約において、貸主又は借主が死亡した場合、使用貸借契約は効力を失う。 | × |
6 | 09-08-3 | 契約で定めた期間の満了前にBが死亡した場合には、Bの相続人は、残りの期間についても、当該建物を無償で借り受ける権利を主張することはできない。 | ◯ |
4 誤り
使用貸借において、借主は、借用物の通常の必要費を負担する(民法595条1項)。
したがって、貸主Bに対して、償還請求することはできない。
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使用貸借(民法[27]1&2)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
契約の成立 | |||
1 | 27-03-3 | 貸主と借主との間の契約は、賃貸借では諾成契約であり、使用貸借でも諾成契約である。 | ◯ |
費用負担 | |||
1 | 27-03-2 | 借主は、使用貸借では、通常の必要費を負担しなければならない。 | ◯ |
2 | 09-08-4 | 借主が、借用物の通常の必要費を支出した場合には、貸主に対し、直ちに償還請求できる。 | × |
担保責任 | |||
1 | 27-03-4 | 貸主は借主に対して、貸借の目的物である建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しなければ、賃貸借契約では担保責任を負う場合があるが、使用貸借契約では担保責任を負わない。 | × |