【宅建過去問】(令和03年10月問28)宅建士登録
宅地建物取引士の登録(以下この問において「登録」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引士A(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事することとなったときは、Aは甲県知事を経由せずに、直接乙県知事に対して登録の移転を申請しなければならない。
- 甲県知事の登録を受けているが宅地建物取引士証の交付を受けていないBが、宅地建物取引士としてすべき事務を行った場合、情状のいかんを問わず、甲県知事はBの登録を消除しなければならない。
- 宅地建物取引士C(甲県知事登録)は、宅地建物取引業者D社を退職し、宅地建物取引業者E社に再就職したが、CはD社及びE社のいずれにおいても専任の宅地建物取引士ではないので、勤務先の変更の登録を申請しなくてもよい。
- 甲県で宅地建物取引士資格試験を受け、合格したFは、乙県に転勤することとなったとしても、登録は甲県知事に申請しなければならない。
正解:4
1 誤り
本肢の宅建士Aは甲県知事の登録を受けていますが、今後は、乙県に所在する宅建業者の事務所で業務に従事するわけです。したがって、登録の移転をすることができます(宅建業法19条の2本文)。
しかし、登録の移転は、あくまで、「必要であればできる」という任意の手続きに過ぎません。
本肢は、「登録の移転を申請しなければならない」と義務付ける点が誤りです。
登録の移転をする場合、現に登録を受けている知事(本肢では甲県知事)を経由して、移転先の知事(乙県知事)に申請します。本肢は、この点についても誤っています。
☆「登録の移転ができる場合」というテーマは、問35肢ウでも出題されています。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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登録移転の義務?(他県で業務に従事) | |||
1 | R04-33-イ | 甲県知事登録の宅地建物取引士が、宅地建物取引業者(乙県知事免許)の専任の宅地建物取引士に就任するためには、宅地建物取引士の登録を乙県に移転しなければならない。 | × |
2 | R03s-37-1 | 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士は、乙県に主たる事務所を置く宅地建物取引業者の専任の宅地建物取引士となる場合、乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。 | × |
3 | R03-28-1 | 宅地建物取引士A(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事することとなったときは、Aは甲県知事を経由せずに、直接乙県知事に対して登録の移転を申請しなければならない。 | × |
4 | H30-42-2 | 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士は、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しようとするときは、乙県知事に対し登録の移転の申請をし、乙県知事の登録を受けなければならない。 | × |
5 | H29-37-2 | 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士Aは、乙県に主たる事務所を置く宅地建物取引業者Bの専任の宅地建物取引士となる場合、乙県知事に登録を移転しなければならない。 | × |
6 | H23-29-3 | 宅地建物取引業者(甲県知事免許)に勤務する宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に住所を変更するとともに宅地建物取引業者(乙県知事免許)に勤務先を変更した場合は、乙県知事に登録の移転の申請をしなければならない。 | × |
7 | H19-31-1 | 甲県知事の登録を受けて、甲県に所在する宅地建物取引業者Aの事務所の業務に従事する者が、乙県に所在するAの事務所の業務に従事することとなったときは、速やかに、甲県知事を経由して、乙県知事に対して登録の移転の申請をしなければならない。 | × |
8 | H16-34-1 | 宅地建物取引士A(甲県知事登録)が、宅地建物取引業者B社(乙県知事免許)に従事した場合、Aは乙県知事に対し、甲県知事を経由して登録の移転を申請しなければならない。 | × |
9 | H10-44-3 | 甲県知事登録を受けた宅地建物取引士Aが、甲県に所在するB社の事務所に従事していたが、転職して乙県に所在するC社の事務所で業務に従事した場合、Aは、30日以内に、甲県知事を経由して乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。 | × |
10 | H08-39-4 | 甲県に本店を、乙県に支店を設けて国土交通大臣免許を受けている宅地建物取引業者Aは、甲県知事登録の宅地建物取引士Bを本店の専任の宅地建物取引士として従事させている。Aが本店を廃止し、乙県内にのみ事務所を有することとなった場合には、Aは乙県知事を経由して国土交通大臣に免許換えの申請をしなければならないが、Bは乙県知事に登録の移転の申請をする必要はない。 | × |
11 | H07-38-1 | 甲県知事登録の宅建士が、乙県の支店に従事する場合、2週間以内に登録の移転をしなければならない。 | × |
登録移転の義務?(宅建士の住所移転) | |||
1 | H10-44-1 | 甲県知事の登録を受けた宅地建物取引士Aが、乙県に自宅を購入し、甲県から住所を移転した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事を経由して乙県知事に登録の移転を申請しなければならない。 | × |
2 | H08-42-2 | 甲県知事の登録を受けて宅地建物取引業に従事している宅地建物取引士が、転居により自宅の住所を甲県から乙県に変更した場合、当該宅地建物取引士は、乙県知事に対し、甲県知事を経由して登録の移転の申請をしなければならない。 | × |
登録移転の義務? | |||
1 | H11-45-3 | 宅地建物取引業者Aの宅地建物取引士Bが、甲県知事の宅地建物取引士資格試験に合格し、同知事の登録を受けている。Bは、乙県知事への登録の移転を受けなくても、乙県に所在するAの事務所において専任の宅地建物取引士となることができる。 | ◯ |
登録移転の可否(宅建士の住所移転) | |||
1 | R03-35-ウ | 宅地建物取引士(甲県知事登録)が甲県から乙県に住所を変更したときは、乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。 | × |
2 | H29-30-1 | 宅地建物取引士(甲県知事登録)が、甲県から乙県に住所を変更したときは、乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。 | × |
3 | H21-29-4 | 甲県知事の宅地建物取引士の登録を受けている者が、その住所を乙県に変更した場合、甲県知事を経由して乙県知事に対し登録の移転を申請することができる。 | × |
4 | H14-35-1 | 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が、乙県に住所を移転し、丙県知事免許を受けている宅地建物取引業者に勤務先を変更した場合、甲県知事を経由して乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。 | × |
5 | H11-45-1 | 宅地建物取引士A(甲県知事登録)が甲県から乙県に転居しようとする場合、Aは、転居を理由として乙県知事に登録の移転を申請することができる。 | × |
6 | H03-36-3 | 宅地建物取引士A(甲県知事登録)が甲県から乙県に住所を変更し、丙県知事の免許を受けた宅地建物取引業者Bに勤務先を変更した場合、Aは、甲県知事を経由して、乙県知事に登録の移転を申請することができる。 | × |
2 誤り
宅建士証の交付を受けていない登録者が宅建士としてすべき事務を行った場合、情状が特に重いときは、登録を消除されることになります(宅建業法68条の2第2項3号)。
本肢は、「情状のいかんを問わず」とする点が誤りです。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03-28-2 | 甲県知事の登録を受けているが宅地建物取引士証の交付を受けていないAが、宅地建物取引士としてすべき事務を行った場合、情状のいかんを問わず、甲県知事はAの登録を消除しなければならない。 | × |
2 | H19-31-2 | 登録を受けている者で宅地建物取引士証の交付を受けていない者が重要事項説明を行い、その情状が特に重いと認められる場合は、当該登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過するまでは、再び登録を受けることができない。 | ◯ |
3 | H07-38-4 | 登録を受けている者で、宅地建物取引士証の交付を受けていないものが宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項説明を行い、書面に記名した場合で、情状が特に重いときは、登録を消徐される。 | ◯ |
4 | H05-38-1 | Aが役員をしている宅地建物取引業者B社が、不正の手段により宅地建物取引業の免許を受けたとしてその免許を取り消されても、Aは、宅地建物取引士証の交付を受けていなければ、その登録を消除されることはない。 | × |
3 誤り
■設定の確認
勤務先宅建業者の商号・名称や免許証番号は、宅建士資格登録簿の登載事項です(宅建業法18条2項、規則14条の2の2第1項5号)。
※宅建業者が行う変更の届出ときちんと区別しましょう。宅建業者名簿に登載されるのは「専任宅建士の氏名」です。したがって、専任でない宅建士が退職したり再就職した場合でも、宅建業者は、変更の届出を行う必要がありません。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03-28-3 | 宅地建物取引士A(甲県知事登録)は、宅地建物取引業者B社を退職し、宅地建物取引業者C社に再就職したが、AはB社及びC社のいずれにおいても専任の宅地建物取引士ではないので、勤務先の変更の登録を申請しなくてもよい。 | × |
2 | R02-34-3 | 宅地建物取引士は、従事先として登録している宅地建物取引業者の事務所の所在地に変更があったときは、登録を受けている都道府県知事に変更の登録を申請しなければならない。 | × |
3 | R01-44-2 | 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に勤務する宅地建物取引士(甲県知事登録)が、宅地建物取引業者B(乙県知事免許)に勤務先を変更した場合は、乙県知事に対して、遅滞なく勤務先の変更の登録を申請しなければならない。 | × |
4 | H16-33-1 | 宅地建物取引業者であるA社が有限会社から株式会社に組織変更を行った場合、A社は甲県知事に対して宅地建物取引業者名簿の変更の届出が必要であるが、A社の専任の宅地建物取引士であるBは宅地建物取引士資格登録簿の変更の登録を申請しなくてもよい。 | × |
5 | H16-33-2 | 宅地建物取引業者A社(甲県知事免許)が事務所を乙県に移転したため、乙県知事の免許を取得した場合、Bは宅地建物取引士資格登録簿の変更の登録を申請しなければならない。 | ◯ |
6 | H16-34-2 | 宅地建物取引士Aが、宅地建物取引業者B社を退職し、宅地建物取引業者C社に就職したが、AはB社及びC社においても専任の宅地建物取引士ではないので、宅地建物取引士資格登録簿の変更の登録は申請しなくてもよい。 | × |
7 | H11-45-2 | 宅地建物取引業者Aの宅地建物取引士B(甲県知事登録)が、事務禁止の処分を受けている間は、Aの商号に変更があった場合でも、Bは、変更の登録の申請を行うことはできない。 | × |
8 | H10-44-4 | 甲県知事登録を受けた宅地建物取引士Aが、甲県に所在するB社の事務所に従事していたが、転職して乙県に所在するC社の事務所で業務に従事した場合、Aは、遅滞なく、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。 | ◯ |
9 | H08-39-1 | 甲県に本店を、乙県に支店を設けて国土交通大臣免許を受けている宅地建物取引業者Aは、甲県知事登録の宅建士Bを本店の専任の宅建士として従事させている。Aが商号又は名称を変更した場合には、Aはその旨を甲県知事を経由して国土交通大臣に届け出なければならず、Bは甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。 | ◯ |
10 | H08-39-3 | 甲県に本店を、乙県に支店を設けて国土交通大臣免許を受けている宅地建物取引業者Aは、甲県知事登録の宅地建物取引士Bを本店の専任の宅地建物取引士として従事させている。Bが支店の専任の宅地建物取引士になった場合には、Aはその旨を甲県知事を経由して国土交通大臣に届け出なければならず、Bは甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。 | × |
11 | H08-43-2 | 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、甲県知事から宅地建物取引士証の交付を受けているBを専任の宅地建物取引士とした場合、Bは、同知事にその書換え交付を申請しなければならない。 | × |
12 | H06-37-4 | 宅地建物取引士は、勤務先を変更したとき、宅地建物取引士証の書換え交付の申請を行わなければならない。 | × |
13 | H05-40-2 | 宅地建物取引士Aは、宅地建物取引業者Bに勤務している。Bの事務所の所在地が変更になった場合、Aは変更の登録の申請を、また、Bは変更の届出をしなければならない。 | × |
14 | H05-40-3 | 宅地建物取引士Aは、宅地建物取引業者Bに勤務している。Bが廃業した場合、Aは変更の登録の申請を、また、Bは廃業の届出をしなければならない。 | ◯ |
15 | H05-40-4 | 宅地建物取引士Aは、宅地建物取引業者Bに勤務している。AがBの専任の宅地建物取引士となった場合、Aは変更の登録の申請を、また、Bは変更の届出をしなければならない。 | × |
16 | H03-36-1 | 宅地建物取引士A(甲県知事登録)が宅地建物取引業者B(甲県知事免許)に専任の宅地建物取引士として就職した場合、Aは、甲県知事に変更の登録を申請する必要があるが、Bは、甲県知事に変更の届出をする必要はない。 | × |
17 | H03-36-2 | 宅地建物取引士A(甲県知事登録)が勤務している宅地建物取引業者B(甲県知事免許)が商号を変更した場合、Bが甲県知事に変更の届出をすれば、Aは、甲県知事に変更の登録を申請する必要はない。 | × |
18 | H03-36-4 | 宅地建物取引士A(甲県知事登録)が宅地建物取引業者B(乙県知事免許)から宅地建物取引業者C(丙県知事免許)へ勤務先を変更した場合、Aは、甲県知事に遅滞なく変更の登録を申請しなければならない。 | ◯ |
19 | H02-35-1 | 宅地建物取引業者は、他の宅地建物取引業者に勤務していた宅地建物取引士を採用したときは、その宅地建物取引士が登録を受けている都道府県知事に変更の登録を申請しなければならない。 | × |
4 正しい
宅建試験の合格者が登録を受けることができるのは、その宅建試験を行った都道府県の知事に限られます(宅建業法18条1項本文)。
乙県に転勤することになったからといって、乙県知事の登録を受けることはできません。甲県知事に登録を申請する必要があります。
※乙県で勤務するのですから、甲県知事の登録を受けた後に乙県知事へと登録を移転することは可能です(肢1参照。宅建業法19条の2)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R03-28-4 | 甲県で宅地建物取引士資格試験を受け、合格したAは、乙県に転勤することとなったとしても、登録は甲県知事に申請しなければならない。 | ◯ |
2 | R02-34-1 | 甲県で宅地建物取引士資格試験に合格した後1年以上登録の申請をしていなかった者が宅地建物取引業者(乙県知事免許)に勤務することとなったときは、乙県知事あてに登録の申請をしなければならない。 | × |
3 | H20-30-1 | Xは、甲県で行われた宅地建物取引士資格試験に合格した後、乙県に転居した。その後、登録実務講習を修了したので、乙県知事に対し法第18条第1項の登録を申請した。 | × |
4 | H11-45-4 | 宅地建物取引業者Aの宅地建物取引士Bが、甲県知事の宅地建物取引士資格試験に合格し、同知事の登録を受けている。Bが乙県知事への登録の移転を受けた後、乙県知事に登録を消除され、再度登録を受けようとする場合、Bは、乙県知事に登録の申請をすることができる。 | × |