【宅建過去問】(平成03年問45)重要事項説明書(35条書面)
次の事項のうち、宅地建物取引業法第35条の規定による重要事項の説明を義務付けられているものは、どれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 当該取引の対象となる宅地又は建物に関し50万円の預り金を受領しようとする場合において、宅地建物取引業法第64条の3第2項の規定による保証の措置等を講ずるかどうか。
- 当該宅地若しくは建物が種類若しくは品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任についての定めがある場合において、その内容
- 移転登記の申請の時期
- 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがある場合において、その内容
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正解:1
1 義務付けられている
50万円以上の支払金又は預り金を受領しようとする場合、「保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要」を説明しなければならない(宅建業法35条1項11号)。
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取引条件に関する重要事項(④支払金・預り金の保全措置を講ずるか、講ずる場合は措置の概要)(宅建業法[11]2(3)④)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R06-34-1 | 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではない個人Bとの間で、土地付建物を4,000万円で売却する売買契約を締結する。Aが、保全措置を講じずにBから手付金100万円を受領する場合、その旨を、法第35条の規定に基づく重要事項説明書に記載する必要があるが、法第37条の規定により交付する書面に記載する必要はない。 | ◯ |
2 | R03-37-2 | 宅地建物取引業者は、自ら売主となる土地付建物の売買契約において、宅地建物取引業者ではない買主から保全措置を講ずる必要のない金額の手付金を受領する場合、手付金の保全措置を講じないことを、重要事項説明書に記載して説明し、37条書面にも記載しなければならない。 | × |
3 | H30-35-4 | 宅地建物取引業者間の宅地の交換において交換契約に先立って交換差金の一部として30万円の預り金の授受がある場合、その預り金を受領しようとする者は、保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合はその概要を重要事項説明書に記載しなければならない。 | × |
4 | H27-32-1 | 建物の売買の媒介に関し、受領しようとする預り金について保全措置を講ずる場合において、預り金の額が売買代金の額の100分の10以下であるときは、その措置の概要を説明する必要はない。 | × |
5 | H10-36-1 | 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結した。売買契約の締結に際し、AがBから預り金の名義をもって50万円を受領しようとする場合で、当該預り金が売買代金に充当されないものであるとき、Aは、国土交通省令で定める保全措置を講じなければならない。 | × |
6 | H09-37-3 | 宅地建物取引業者が宅地を販売する場合、50万円未満の額の預り金を授受する場合の当該預り金の保全措置の概要を法第35条の規定に基づく書面に必ず記載しなければならない。 | × |
7 | H03-45-1 | 取引の対象となる宅地又は建物に関し50万円の預り金を受領しようとする場合において、保証の措置等を講ずるかどうか、を重要事項として説明しなければならない。 | ◯ |
2 義務付けられていない
契約不適合担保責任を負わない旨の定めは、重要事項説明の内容とされていない(宅建業法35条参照)。
※契約書面(37条書面)では、任意的記載事項である(宅建業法37条1項11号)。
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37条書面特有の事項(契約不適合担保責任に関する定め)(宅建業法[12]3(2)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | H16-38-3 | 売主から依頼されて建物の売買の媒介を行うに当たり、損害賠償額の予定は説明しなくてもよいが、売主が当該建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負わないことについては説明しなければならない。 | × |
2 | H12-39-2 | 建物の売買の媒介において、売主が当該建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負わない旨の定めをする場合は、その内容について買主に説明しなければならない。 | × |
3 | H03-45-2 | 当該宅地若しくは建物が種類若しくは品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任についての定めがある場合において、その内容を重要事項として説明しなければならない。 | × |
3 義務付けられていない
重要事項の説明の時点では、移転登記の申請の時期を決定することはできず、もちろん、これを説明する必要もない。
※契約書面(37条書面)では、必要的記載事項である(宅建業法37条1項5号)。
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37条書面特有の事項(移転登記の申請の時期)(宅建業法[12]3(3)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R03-26-3 | 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに対し建物の売却を行う。Aは、Bに対し、建物の上に存する登記された権利の種類及び内容だけでなく、移転登記の申請の時期についても説明しなければならない。 | × |
2 | H29-41-2 | 土地の売買の媒介を行う場合、移転登記の申請の時期の定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。 | × |
3 | H22-36-4 | 建物の売買の媒介において、登記された権利の種類及び内容については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。 | ◯ |
4 | H17-37-1 | 宅地の売買の媒介において、当該宅地に係る移転登記の申請の予定時期については、説明しなくてもよい。 | ◯ |
5 | H13-39-4 | 宅地建物取引業者が、宅地又は建物の売買の媒介に際して、移転登記の申請の時期については、特に定めをしなかったため、重要事項説明書にはその旨記載し内容を説明したが、契約書面には記載しなかった。 | × |
6 | H04-40-4 | 宅地建物取引業者は、重要事項の説明に関し、取引物件の登記簿の表題部に記載されている所有者の氏名については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。 | ◯ |
7 | H03-45-3 | 移転登記の申請の時期を重要事項として説明しなければならない。 | × |
4 義務付けられていない
天災その他不可抗力による損害の負担の定め(危険負担に関する定め)は、重要事項説明の内容とされていない(宅建業法35条参照)。
※契約書面(37条書面)では、任意的記載事項である(宅建業法37条1項10号)。
■参照項目&類似過去問
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37条書面特有の事項(天災その他不可抗力による損害の負担に関する定め)(宅建業法[12]3(3)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R02s-35-ウ | 宅地建物取引業者が媒介により建物の売買契約を成立させた場合において、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、重要事項説明書にその旨記載していたとしても、その内容を37条書面に記載しなければならない。 | ◯ |
2 | 29-33-4 | 宅地建物取引業者が建物の売買の媒介を行う場合、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容について、説明しなければならない。 | × |
3 | 17-37-3 | 宅地の売買の媒介において、天災その他不可抗力による損害の負担を定めようとする場合は、その内容を説明しなければならない。 | × |
4 | 12-39-4 | 建物の売買の媒介において、買主が天災その他不可抗力による損害を負担する旨の定めをする場合は、その内容について買主に説明しなければならない。 | × |
5 | 03-45-4 | 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがある場合において、その内容を重要事項として説明しなければならない。 | × |
選択肢2って本当に説明義務ないですか??
35条で「一定の担保責任の履行に関する措置の概要」として説明すると思うんですが、、、
勘違いであれば申し訳ございません。
K様
ご質問ありがとうございます。
35条書面の重要事項と37条書面の記載事項でを比較してしっかり覚えておきましょう。
(1)「契約不適合担保責任に関する定め」は、37条書面の任意的記載事項ですが、35条書面の重要事項ではありません。
(2)「契約不適合担保責任の履行確保措置に関する定め」は、37条書面の任意的記載事項であり、35条書面の重要事項でもあります。
【講義編】[12]契約書面(37 条書面)
https://e-takken.tv/gh12/
では、
3.35 条書面と37 条書面の比較
(2)両者の比較が必要な事項
②契約不適合担保責任に関する事項
で、この点を以下のような表にまとめています。