【宅建過去問】(平成04年問46)宅建業者・宅建士の破産

Aがクレジットカードを使い過ぎて破産手続開始決定を受けた場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. Aは、破産の復権を得ない限り、宅地建物取引士資格試験を受けることができない。
  2. Aが甲県知事の登録を受けた宅地建物取引士である場合、Aは、破産の日から30日以内にその旨を、また、復権したときは速やかにその旨を、甲県知事に届け出なければならない。
  3. Aが甲県知事の登録を受けた宅地建物取引士である場合において、Aが破産の届出をしないときは、甲県知事は、Aの破産の事実を一部週刊誌の報道のみにより知ったときであっても、聴聞をするまでもなく、Aの登録を消除しなければならない。
  4. Aが破産の復権を得ない限り、Aは、宅地建物取引業の免許を受けることができず、また、Aが他の宅地建物取引業者B社の役員になったときは、B社は、免許を取り消される。

正解:4

1 誤り

宅建試験の受験資格には特に制限がない。受験禁止処分(宅建業法17条1項)を受けていない限り、誰でも受験することができる。

■関連過去問
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宅建士試験(宅建業法[05]2)
年-問-肢内容正誤
1R04-33-ア宅地建物取引士資格試験は未成年者でも受験することができるが、宅地建物取引士の登録は成年に達するまでいかなる場合にも受けることができない。×
2R02-28-1宅地建物取引士資格試験に合格した者は、合格した日から10年以内に登録の申請をしなければ、その合格は無効となる。×
3H30-32-2宅地建物取引士が不正の手段により宅地建物取引士の登録を受けた場合、その登録をした都道府県知事は、宅地建物取引士資格試験の合格の決定を取り消さなければならない。×
4H21-29-1都道府県知事は、不正の手段によって宅地建物取引士資格試験を受けようとした者に対しては、その試験を受けることを禁止することができ、また、その禁止処分を受けた者に対し2年を上限とする期間を定めて受験を禁止することができる。
×
5H13-31-1都道府県知事は、宅地建物取引士資格試験を不正の手段で受験したため合格決定が取り消された者について、同試験の受験を以後5年間禁止する措置をすることができる。
×
6H06-49-2宅地建物取引士Aが不正の手段により宅地建物取引士資格試験を受験したとして、その合格を取り消され、登録を消除されたときは、Aは、その翌日重要事項説明をする約束があっても、その業務を行うことはできない。
7H05-38-3Aが宅地建物取引士資格試験に不正な手段で合格した場合、Aがその後宅地建物取引士として業務に従事していても、その事実が発覚したときは、Aは、その登録を消除されることがある。
8H04-46-1クレジットカードを使い過ぎて破産手続開始決定を受けたAは、破産の復権を得ない限り、宅地建物取引士資格試験を受けることができない。
×
9H01-49-1宅地建物取引士資格試験の受験者は、不正の手段によって試験を受け、合格の決定を取り消された場合、3年間試験の受験を禁止されることがある。
宅建士の欠格要件(破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者)(宅建業法[05]4(1)①)
年-問-肢内容正誤
1H14-35-4宅地建物取引士が破産手続開始の決定を受け、自ら登録の消除を申請した場合、復権を得てから5年を経過しなければ、新たに登録をすることはできない。
×
2H04-46-1クレジットカードを使い過ぎて破産手続開始決定を受けたAは、破産の復権を得ない限り、宅地建物取引士資格試験を受けることができない。
×
3H01-41-1破産手続開始決定を受けた者は、復権後5年を経過しないと、登録を受けることができない。
×

2 誤り

宅建士が破産者となった場合、その日から30日以内に、本人が甲県知事にその旨を届け出なければならない(宅建業法21条2号 、18条1項2号)。
しかし、復権した場合に、届け出る義務は存在しない。

※復権を受ければ、再度宅建士登録を受けることができるのだから、必要であれば、宅建士登録を申請すればいい。わざわざ復権した旨を報告しても、意味がない。

■参照項目&類似過去問
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宅建士の死亡等の届出(破産手続開始決定)(宅建業法[05]5(2)③)
年-問-肢内容正誤
1H25-44-ア登録を受けている者は、登録事項に変更があった場合は変更の登録申請を、また、破産手続開始の決定を受けた場合はその旨の届出を、遅滞なく、登録している都道府県知事に行わなければならない。
×
2H15-33-1甲県知事の宅地建物取引士登録を受けている宅地建物取引士Aが破産手続開始の決定を受けたときは、破産手続開始の決定があった日から30日以内にAの破産管財人が甲県知事にその旨を届け出なければならない。
×
3H06-36-1宅地建物取引士Aが死亡したときはその相続人が、破産したときはA自らが、届出をしなければならない。
4H04-46-2破産手続開始決定を受けたAが甲県知事の登録を受けた宅地建物取引士である場合、Aは、破産の日から30日以内にその旨を、また、復権したときは速やかにその旨を、甲県知事に届け出なければならない。
×
5H03-35-1甲県知事の宅地建物取引士登録を受けている者が破産手続開始の決定を受けた場合、本人が、その日から30日以内に、甲県知事にその旨を届け出なければならない。

3 誤り

指示処分・事務禁止処分・登録消除処分のいずれにしても、監督処分を行うときには、聴聞を行う必要がある(宅建業法69条)。

※破産手続開始決定の事実を客観的な資料(例:裁判所の破産手続開始決定書)で証明できる場合は、聴聞手続は不要である。しかし、「一部週刊誌の方法のみ」で知ったに過ぎない場合、原則通り、聴聞手続で、本人の意見を聴取することがが要求される。

■参照項目&類似過去問
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宅建士に対する監督処分(聴聞手続)(宅建業法[22]3(4))
年-問-肢内容正誤
1H04-46-3破産手続開始決定を受けたAが甲県知事の登録を受けた宅地建物取引士である場合において、Aが破産の届出をしないときは、甲県知事は、Aの破産の事実を知ったとき、聴聞をするまでもなく、Aの登録を消除しなければならない。×
2H03-50-3宅地建物取引士A(甲県知事登録)が甲県知事から事務の禁止の処分を受けたにもかかわらず、その期間内に宅地建物取引士として事務を行ったときは、甲県知事は、聴聞の手続きをとることなく、Aの登録を消除することができる。×

4 正しい

「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」は、欠格要件に該当するため、宅建業の免許を受けることができない(宅建業法5条1項1号)。また、法人である宅建業者の役員が欠格要件に該当する場合は、その法人が免許を取り消されることになる(同法66条1項3号、5条1項1号)。

■参照項目&類似過去問
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免許の欠格要件(破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者)(宅建業法[03]1(1))
年-問-肢内容正誤
1R03-27-2免許を受けようとする個人Aが破産手続開始の決定を受けた後に復権を得た場合においても、Aは免許を受けることができない。×
2R02s-31-2免許を受けようとしている法人の政令で定める使用人が、破産手続開始の決定を受け、復権を得てから5年を経過していない場合、当該法人は免許を受けることができない。×
3R02-43-4免許を受けようとするA社の取締役について、破産手続開始の決定があった場合、復権を得た日から5年を経過しなければ、A社は免許を受けることができない。
×
4H22-27-1法人Aの役員のうちに、破産手続開始の決定がなされた後、復権を得てから5年を経過しない者がいる場合、Aは、免許を受けることができない。
×
5H21-27-ア破産者であった個人Aは、復権を得てから5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
×
6H20-31-2宅地建物取引業者A社に、かつて破産手続開始の決定を受け、既に復権を得ている者が役員として就任する場合、その就任をもって、A社の免許が取り消されることはない。

7H19-33-4A社の取締役が、かつて破産手続開始の決定を受けたことがある場合で、復権を得てから5年を経過しないとき、A社は免許を受けることができない。
×
8H16-31-4個人Aは、かつて破産手続開始の決定を受け、現在は復権を得ているが、復権を得た日から5年を経過していないので、Aは免許を受けることができない。
×
9H12-30-3A社の取締役が、かつて破産手続開始の決定を受けたことがある場合で、復権を得てから5年を経過していないとき、A社は、免許を受けることができない。
×
10H04-46-4クレジットカードを使い過ぎて破産したAは、復権を得ない限り、宅地建物取引業の免許を受けることができず、また、Aが他の宅地建物取引業者B社の役員になったときは、B社は、免許を取り消される。


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