7月
11
1990

【宅建過去問】(平成02年問11)相続

【過去問本試験解説】発売中

Aが死亡し、相続人として、妻Bと嫡出子C・D・Eがいる。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

  1. Cが相続を放棄した場合、DとEの相続分は増えるが、Bの相続分については変わらない。
  2. Aが遺産をCに遺贈していた場合、その遺贈は、B、D及びEの遺留分を侵害した部分について、効力を生じない。
  3. Eの遺留分は、被相続人Aの財産の1/12の額である。
  4. Aの生前Dが遺留分の放棄について家庭裁判所の許可を受けていた場合においても、Dは、相続人となることができる。

正解:2

1 正しい

相続分は、以下の手順で計算する。

  1. 配偶者と子全員で1:1に分配
  2. 子の間で人数にしたがって分配

本肢のように、子の1人であるCが相続を放棄した場合でも、それは(2)の段階の問題である。配偶者Bの取り分には変化がない。

2 誤り

被相続人が相続人の一部の者に遺贈し、それが他の相続人の遺留分を侵害する場合であっても、その遺贈が当然に無効とされるわけではない(最判昭25.04.28)。
B・D・Eは、自らの遺留分を保全するのに必要な限度で遺留分減殺請求権を行使し、遺贈の減殺を請求できるに過ぎない(民法1031条)。

■類似過去問(遺留分減殺請求)
  • 平成20年問12肢1(相続人の一部の遺留分を侵害する被相続人の遺言は、その限度で当然に無効である:×)
  • 平成20年問12肢3(Aが死亡し、その遺言に基づき甲土地につきAから子Cに対する所有権移転登記がなされた後でも、子Bは遺留分に基づき減殺を請求することができる:◯)
  • 平成12年問10肢2(Aは、「Aの財産をすべて子Bに遺贈する。子CはBに対して遺留分の減殺請求をしてはならない」旨の遺言をして、CをAの相続から排除することができる:×)
  • 平成12年問10肢4(Aは、「Aの乙建物を子Cに相続させる」旨の遺言をした場合で、子Bの遺留分を害しないとき、これをC単独の所有に帰属させることができる:◯)
  • 平成09年問10肢2(遺留分の減殺請求は、訴えを提起しなくても、内容証明郵便による意思表示だけでもすることができる:◯)
  • 平成07年問11肢2(Aが遺産の全部を子Cに遺贈した場合も、子DからCに対して遺留分の減殺をすれば、Cは、その部分を除外した部分を承継するほかない:◯)
  • 平成02年問11肢2(Aが遺産を子Cに遺贈していた場合、その遺贈は、配偶者B、子D及び子Eの遺留分を侵害した部分について、効力を生じない:×)

3 正しい

遺留分を計算する場合、

  1. 相続人全体の遺留分を求め(民法1028条)、
  2. それを、各相続人に法定相続分に基いて分配する(同法1044条)

という順序で分配する。
そして、 (1)は、以下のように求めるる。

  • 相続人が直系尊属のみ:被相続人の財産の1/3
  • それ以外:被相続人の財産の1/2

本問の場合、

  1. 直系尊属以外の相続人が存在するから、被相続人の財産の1/2が相続人全体の遺留分となる。
  2. それを法定相続分に応じて分配するが、Eの法定相続分は、1/2×3/1=1/6である。

したがって、Eの遺留分は、1/2×1/6=1/12である。

■類似過去問(遺留分権利者)
  • 平成24年問10肢4(甥姪は遺留分を主張できない:◯)
  • 平成18年問12肢2(配偶者・子は遺留分主張可能。兄弟姉妹は不可:◯)
  • 平成17年問12肢4(配偶者に全財産を相続させる遺言がある場合、子は遺留分権利者とならない:×)
  • 平成09年問10肢1(配偶者・兄弟姉妹は、遺留分を主張できる:×)
  • 平成04年問13肢2(兄弟姉妹は遺留分を主張できる:×)
  • 平成02年問11肢3(Aが死亡し、相続人として、妻Bと嫡出子C・D・Eがいる場合、Eの遺留分は、被相続人Aの財産の1/12の額である:◯)

4 正しい

家庭裁判所の許可を受ければ、相続の開始前に遺留分を放棄することができる(民法1043条1項)。しかし、この場合であっても、Dは、遺留分を放棄しただけであって、相続を放棄したわけではない。したがって、相続人である地位を失うわけではない。

■類似過去問(遺留分の放棄)
  • 平成20年問12肢2(相続開始前でも、書面で意思表示すれば、遺留分を放棄できる:×)
  • 平成09年問10肢4(相続開始前に、家裁の許可を得て遺留分を放棄した場合でも、遺産を相続する権利を失わない:◯)
  • 平成02年問11肢4(被相続人の生前に被相続人Dが遺留分の放棄について家庭裁判所の許可を受けていた場合においても、Dは、相続人となることができる:◯)

>>年度目次に戻る

Written by 家坂 圭一 in: 平成02年過去問,民法 |

コメントはまだありません »

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

Copyright (C) 2005- 株式会社ビーグッド教育企画 All Rights Reserved.
Powered by WordPress | Aeros Theme | TheBuckmaker.com WordPress Themes