【宅建過去問】(平成03年問13)借地借家法(借家)

AがBからBの所有する建物を賃借している場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 賃貸借契約の締結に関する費用は、ABが平等な割合で負担する。
  2. Aは、Bの負担すべき必要費を支出したときは、直ちに、Bに対しその償還を請求することができる。
  3. Aは、有益費を支出したときは、賃貸借終了の際、その価格の増加が現存する場合に限り、自らの選択によりその費した金額又は増加額の償還を請求することができる。
  4. Aは、Bの同意を得て建物に造作を付加したときは、賃貸借終了の際、Bに対し時価でその造作を買い取るべきことを請求することができる。

正解:3

1 正しい

賃貸借契約は、有償契約であるから、売買契約の規定が準用される(民法559条)。そして、売買契約では、「契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する」ことになっている(民法558条)。
したがって、賃貸借契約においても、契約費用は当事者が等しい割合で負担することになる。

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売買に関する規定の有償契約への準用(民法[24]なし)
年-問-肢内容正誤
127-03-4貸主は借主に対して、貸借の目的物である建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しなければ、賃貸借契約では担保責任を負う場合があるが、使用貸借契約では担保責任を負わない。
×
218-10-4建物の賃借人が賃貸人の承諾なく当該建物を転貸し、無断転貸を理由に転借人が賃貸人から明渡請求を受けた場合、転借人は賃借人(転貸人)に対する賃料の全部又は一部の支払を拒むことができる。
312-09-4代物弁済として不動産の所有権の移転を受けた後は、その不動産に隠れた瑕疵があっても、弁済者の責任を追及することはできない。×
403-13-1賃貸借契約の締結に関する費用は、賃貸人と賃借人が平等な割合で負担する。

2 正しい

賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる(民法608条1項)。

■参照項目&類似過去問
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賃借人による費用の償還請求(民法[26]4(2))
年-問-肢内容正誤
必要費
127-03-2借主は、賃貸借契約では、貸主の負担に属する必要費を支出したときは、貸主に対しその償還を請求することができる。
209-03-1建物の賃借人が、賃借中に建物の修繕のため必要費を支出した場合、必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき当該建物の返還を拒否できる。
309-03-2建物の賃借人の債務不履行により賃貸借契約が解除された後に、賃借人が建物の修繕のため必要費を支出した場合、必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき建物の返還を拒否できる。×
409-03-4建物の賃借人は、留置権に基づき建物の返還を拒否している場合に、さらに当該建物の修繕のため必要費を支出したとき、その必要費のためにも留置権を行使できる。
503-13-2借主は、貸主の負担すべき必要費を支出したときは、直ちに、貸主に対しその償還を請求することができる。
601-06-2建物が老朽化してきたため、借主が貸主の負担すべき必要費を支出して建物の修繕をした場合、借主は、貸主に対して、直ちに修繕に要した費用全額の償還を請求することができる。
有益費
103-13-3Aは、有益費を支出したときは、賃貸借終了の際、その価格の増加が現存する場合に限り、自らの選択によりその費した金額又は増加額の償還を請求することができる。×

3 誤り

賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、その価格の増加が現存する場合に限り、賃貸人の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる(民法608条2項)。

■参照項目&類似過去問
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賃借人による費用の償還請求(民法[26]4(2))
年-問-肢内容正誤
必要費
127-03-2借主は、賃貸借契約では、貸主の負担に属する必要費を支出したときは、貸主に対しその償還を請求することができる。
209-03-1建物の賃借人が、賃借中に建物の修繕のため必要費を支出した場合、必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき当該建物の返還を拒否できる。
309-03-2建物の賃借人の債務不履行により賃貸借契約が解除された後に、賃借人が建物の修繕のため必要費を支出した場合、必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき建物の返還を拒否できる。×
409-03-4建物の賃借人は、留置権に基づき建物の返還を拒否している場合に、さらに当該建物の修繕のため必要費を支出したとき、その必要費のためにも留置権を行使できる。
503-13-2借主は、貸主の負担すべき必要費を支出したときは、直ちに、貸主に対しその償還を請求することができる。
601-06-2建物が老朽化してきたため、借主が貸主の負担すべき必要費を支出して建物の修繕をした場合、借主は、貸主に対して、直ちに修繕に要した費用全額の償還を請求することができる。
有益費
103-13-3Aは、有益費を支出したときは、賃貸借終了の際、その価格の増加が現存する場合に限り、自らの選択によりその費した金額又は増加額の償還を請求することができる。×

4 正しい

賃借人が、賃貸人の同意を得て建物に付加した造作は、期間満了や解約の申入れによって賃貸借が終了するときに、賃貸人に対し、時価での買い取りを請求できる(借地借家法33条2項。建物買取請求権)。

■参照項目&類似過去問
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造作買取請求権(借地借家法[06]3)
年-問-肢内容正誤
1R02-12-4
AとBとの間でA所有の甲建物をBに対して、居住の用を目的として、期間2年、賃料月額10万円で賃貸する旨の賃貸借契約を締結し、Bが甲建物の引渡しを受けた。本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約であって、造作買取請求に関する特約がない場合、期間満了で本件契約が終了するときに、Bは、Aの同意を得て甲建物に付加した造作について買取請求をすることができる。
2H30-12-4
[AとBとの間で、Aが所有する甲建物をBが5年間賃借する旨の契約を締結した。]CがBから甲建物を適法に賃貸された転借人で、期間満了によってAB間及びBC間の賃貸借契約が終了する場合、Aの同意を得て甲建物に付加した造作について、BはAに対する買取請求権を有するが、CはAに対する買取請求権を有しない。
×
3H28-12-3
建物の適法な転借人が、賃貸人の同意を得て建物に造作を付加した場合、期間満了により契約が終了するときは、転借人は賃貸人に対してその造作を時価で買い取るよう請求することができる。
4H27-11-4[AがBとの間で、A所有の甲建物について、期間3年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結]AB間の賃貸借契約がBの賃料不払を理由として解除された場合、BはAに対して、Aの同意を得てBが建物に付加した造作の買取りを請求することはできない。
5H10-12-3転借人が建物所有者の同意を得て建物に付加した造作は、期間の満了によって建物の賃貸借が終了するとき、転借人から建物所有者に対し買取りを請求することができる。
6H03-13-4賃借人は、建物所有者の同意を得て建物に造作を付加したときは、賃貸借終了の際、建物所有者に対し時価でその造作を買い取るべきことを請求することができる。

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