【宅建過去問】(平成04年問40)重要事項説明書(35条書面)

宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものは、どれか。

  1. 取引物件が工事完了前の土地付建物であったので、完了時の形状・構造については説明したが、当該物件に接する道路の幅員については説明しなかった。
  2. 水道、電気及び都市ガスは完備、下水道は未整備と説明したが、その整備の見通しまでは説明しなかった。
  3. 取引物件が区分所有建物(建物の区分所有等に関する法律第2条第1項に規定する区分所有権の目的である建物をいう。)であったので、その建物の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約が定められていることは説明したが、その内容は説明しなかった。
  4. 取引物件の登記簿の表題部に記載されている所有者の氏名については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。

正解:4

1 違反する

宅地が宅地造成完了前のものであるときは、完了時における形状・構造、宅地に接する道路の構造・幅員を重要事項として説明しなければならない(宅建業法35条1項5号、同法規則16条)。

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取引物件に関する重要事項(⑤工事完了時における形状・構造)(宅建業法[11]2(2)⑤)
年-問-肢内容正誤
1H28-36-エ
建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が建築工事の完了前であるときは、必要に応じ当該建物に係る図面を交付した上で、当該建築工事の完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造について説明しなければならない。

2H17-37-2宅地の売買の媒介において、当該宅地が造成に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造並びに宅地に接する道路の構造及び幅員を説明しなければならない。
3H16-38-1自ら売主として、マンション(建築工事完了前)の分譲を行うに当たり、建物の完成時における当該マンションの外壁の塗装については説明しなくてもよいが、建物の形状や構造については平面図を交付して説明しなければならない。×
4H14-37-1宅地建物取引業者は、建物(建築工事完了前)の売買の契約を行うに際し、建物の完成時における主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造についての図面を渡したのみで、当該図面の説明はしなかった。
×
5H06-44-3宅地建物取引業者Aが自ら売主となって造成工事完了前の宅地を買主Bに分譲する契約を令和X年10月1日締結した。Aが同年9月25日重要事項説明を行った際、造成工事完了時の当該宅地の形状・構造を説明したが、当該宅地に接する道路の構造・幅員を説明しなかった場合において、Bが宅地建物取引業者であるとき、宅地建物取引業法の規定に違反しない。×
6H04-37-3宅地建物取引業者Aが、本年2月15日「建物の形状・構造については、工事が完了した後に説明する」と重要事項説明を行って、同年3月1日土地付住宅の売買契約を宅地建物取引業者でないBと締結した場合、宅地建物取引業法に違反する。

7H04-40-1取引物件が工事完了前の土地付建物であったので、完了時の形状・構造については説明したが、当該物件に接する道路の幅員については説明しなかった。
×
8H01-47-2宅地建物取引業者が自ら売主となって工事完了前のマンションの売買契約を締結する。当該マンションの完成時の建物の説明として、建築確認通知書により、敷地面積、建築面積、延べ面積及び工事完成予定日を説明し、他の説明は省略した。×

2 違反する

「飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項」については、宅地・建物・区分所有建物それぞれの、売買・交換・貸借の全てにつき、説明事項となっている(宅建業法35条1項4号)。

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取引物件に関する重要事項(④供給施設・排水施設の整備状況)(宅建業法[11]2(2)④)
年-問-肢内容正誤
1H29-41-3住宅の売買の媒介を行う場合、宅地内のガス配管設備等に関して、当該住宅の売買後においても当該ガス配管設備等の所有権が家庭用プロパンガス販売業者にあるものとするときは、その旨を説明する必要がある。
2H24-30-2建物の売買の媒介を行う場合、飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設が整備されていないときは、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項を説明しなければならない。
3H18-35-2建物の貸借の媒介において、水道、電気及び下水道は完備、都市ガスは未整備である旨説明したが、その整備の見通しまでは説明しなかった。
×
4H15-45-2宅地建物取引業者Aは、自ら売主となり、土地付建物の売買契約を締結したが、買主Bが当該建物の隣に住んでいるので、都市ガスが供給されることを知っているとして、Bに対し、ガスの供給に関して法第35条の重要事項の説明を行わなかった。
×
5H04-40-2水道、電気及び都市ガスは完備、下水道は未整備と説明したが、その整備の見通しまでは説明しなかった。
×

3 違反する

「マンションの建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す」とはいわゆる専用使用権のことである。具体例としては、駐車場、専用庭、バルコニーなどが挙げられる。専用使用権に関する規約があるときには、その内容を重要事項として説明しなければならない(宅建業法35条1項6号、規則16条の2第4号)。

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区分所有建物の重要事項(④専用使用権に関する規約(案))(宅建業法[11]2(4)④)
年-問-肢内容正誤
126-34-4区分所有権の目的である建物の貸借の媒介を行う場合、その専有部分の用途その他の利用制限に関する規約の定めがあるときはその内容を説明する必要があるが、1棟の建物又はその敷地の専用使用権に関する規約の定めについては説明する必要がない。
220-37-1マンションの分譲に際して、当該マンションの建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めがある場合、宅地建物取引業者は、その内容だけでなく、その使用者の氏名及び住所について説明しなければならない。×
308-35-4宅地建物取引業者が区分所有建物の貸借の媒介をする場合、区分所有建物の敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めの内容を重要事項として説明しなければならない。×
404-40-3専用使用権に関する規約の存在→説明必要、規約の内容→不要。×
502-45-4専用使用権につき、使用者の氏名・住所は説明不要。

4 違反しない

登記された権利の種類・内容、登記名義人又は表題部所有者の氏名は重要事項である(宅建業法35条1項1号)。
一方、移転登記の申請予定時期は重要事項説明の内容となっていない(宅建業法35条)。

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取引物件に関する重要事項(①登記された権利の種類・内容)(宅建業法[11]2(2)①)
年-問-肢内容正誤
1R03-26-3宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに対し建物の売却を行う。Aは、Bに対し、建物の上に存する登記された権利の種類及び内容だけでなく、移転登記の申請の時期についても説明しなければならない。×
2R01-39-2宅地の売買の媒介を行う場合、登記された抵当権について、引渡しまでに抹消される場合は説明しなくてよい。
×
3H26-35-2宅地建物取引業者は、中古マンションの売買を行う場合、抵当権が設定されているときは、契約日までにその登記が抹消される予定であっても、当該抵当権の内容について説明しなければならない。
4H23-34-1宅地建物取引業者は、抵当権に基づく差押えの登記がされている建物の貸借の媒介をするにあたり、貸主から当該登記について告げられなかった場合でも、35条書面及び37条書面に当該登記について記載しなければならない。
×
5H22-36-4建物の売買の媒介において、登記された権利の種類及び内容については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。
6H15-37-4宅地建物取引業者は、抵当権に基づく差押えの登記がされている建物の賃貸借を媒介するに当たり、貸主から当該建物の差押えを告げられなかった場合は、法第35条に基づき借主に対して当該建物の上に存する登記の内容を説明する義務はない。
×
7H13-36-1マンションの1戸の賃貸借の媒介を行うに際し、マンションの所有者についての登記名義人は説明したが、当該マンションに係る登記されている抵当権については説明しなかった。×
8H09-38-2宅地建物取引業者Aが、貸主Bと借主Cの間の建物貸借契約の締結を媒介した。建物の上の抵当権の登記に関し、「建物の引渡しの時期までには必ず抵当権を抹消できるから、Cには内密にしておいてほしい」旨のBの依頼にかかわらず、Aは、Cに対して重要事項として、当該登記について説明した。
9H07-41-1宅地建物取引業者は、宅地の売買契約において、当該宅地の上に存する登記された抵当権が宅地の引渡し時までに抹消される予定である場合には、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に際し当該抵当権の説明を省略することができる。
×
10H06-41-1宅地建物取引業者がマンションの一室の賃貸借契約を媒介するに際し、重要事項の説明を行った。マンションの所有者については、登記名義人を説明したが、マンションの抵当権については、借主に関係がないので、説明しなかった。×
11H05-44-4当該建物は、表示登記はされていたが、所有権保存登記がされていなかったので、建物の登記簿上の所有者に関しては、何も説明しなかった。×
12H04-40-4取引物件の登記簿の表題部に記載されている所有者の氏名については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。
37条書面特有の事項(移転登記の申請の時期)(宅建業法[12]3(3)②)
年-問-肢内容正誤
1R03-26-3宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに対し建物の売却を行う。Aは、Bに対し、建物の上に存する登記された権利の種類及び内容だけでなく、移転登記の申請の時期についても説明しなければならない。×
2H29-41-2土地の売買の媒介を行う場合、移転登記の申請の時期の定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。
×
3H22-36-4建物の売買の媒介において、登記された権利の種類及び内容については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。
4H17-37-1宅地の売買の媒介において、当該宅地に係る移転登記の申請の予定時期については、説明しなくてもよい。
5H13-39-4宅地建物取引業者が、宅地又は建物の売買の媒介に際して、移転登記の申請の時期については、特に定めをしなかったため、重要事項説明書にはその旨記載し内容を説明したが、契約書面には記載しなかった。
×
6H04-40-4宅地建物取引業者は、重要事項の説明に関し、取引物件の登記簿の表題部に記載されている所有者の氏名については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。
7H03-45-3移転登記の申請の時期を重要事項として説明しなければならない。
×

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