【宅建過去問】(令和04年問18)建築基準法
次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 第一種低層住居専用地域内においては、神社、寺院、教会を建築することはできない。
- その敷地内に一定の空地を有し、かつ、その敷地面積が一定規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの建蔽率、容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、関係規定による限度を超えるものとすることができる。
- 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員1.8m未満の道で、あらかじめ、建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。
- 第一種住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。
正解:3
1 誤り
神社、寺院、教会は、どこの用途地域でも建築することができます(建築基準法48条1項、別表第二)。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R04-18-1 | 第一種低層住居専用地域内においては、神社、寺院、教会を建築することはできない。 | × |
2 | R03s-18-3 | 第一種住居地域においては、畜舎で、その用途に供する部分の床面積が4,000㎡のものを建築することができる。 | × |
3 | R02-18-2 | 近隣商業地域内において、客席の部分の床面積の合計が200㎡以上の映画館は建築することができない。 | × |
4 | R01-18-1 | 第一種低層住居専用地域内においては、延べ面積の合計が60㎡であって、居住の用に供する延べ面積が40㎡、クリーニング取次店の用に供する延べ面積が20㎡である兼用住宅は、建築してはならない。 | × |
5 | R01-18-2 | 工業地域内においては、幼保連携型認定こども園を建築することができる。 | ◯ |
6 | H30-19-2 | 一の敷地で、その敷地面積の40%が第二種低層住居専用地域に、60%が第一種中高層住居専用地域にある場合は、原則として、当該敷地内には大学を建築することができない。 | × |
7 | H28-19-1 | 特定行政庁が許可した場合、第一種低層住居専用地域内においても飲食店を建築することができる。 | ◯ |
8 | H28-19-2 | 第二種中高層住居専用地域内では、原則として、ホテル又は旅館を建築することができる。 | × |
9 | H26-18-1 | 店舗の用途に供する建築物で当該用途に供する部分の床面積の合計が10,000㎡を超えるものは、原則として工業地域内では建築することができない。 | ◯ |
10 | H26-18-2 | 学校を新築しようとする場合には、法第48条の規定による用途制限に適合するとともに、都市計画により敷地の位置が決定されていなければ新築することができない。 | × |
11 | H23-19-1 | 第二種住居地域内において、工場に併設した倉庫であれば倉庫業を営む倉庫の用途に供してもよい。 | × |
12 | H22-19-1 | 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において、当該敷地の過半が工業地域内であるときは、共同住宅を建築することができる。 | ◯ |
13 | H22-19-2 | 準住居地域内においては、原動機を使用する自動車修理工場で作業場の床面積の合計が150m2を超えないものを建築することができる。 | ◯ |
14 | H22-19-3 | 近隣商業地域内において映画館を建築する場合は、客席の部分の床面積の合計が200m2未満となるようにしなければならない。 | × |
15 | H22-19-4 | 第一種低層住居専用地域内においては、高等学校を建築することはできるが、高等専門学校を建築することはできない。 | ◯ |
16 | H20-21-1 | 店舗の用途に供する建築物で当該用途に供する部分の床面積の合計が20,000m2であるものは、準工業地域においては建築することができるが、工業地域においては建築することができない。 | ◯ |
17 | H20-21-2 | 第一種住居地域において、カラオケボックスで当該用途に供する部分の床面積の合計が500m2であるものは建築することができる。 | × |
18 | H19-22-1 | 第二種低層住居専用地域に指定されている区域内の土地においては、美容院の用途に供する部分の床面積の合計が100m2である2階建ての美容院を建築することができない。 | × |
19 | H16-20-1 | 建築物の敷地が第一種住居地域と近隣商業地域にわたる場合、当該敷地の過半が近隣商業地域であるときは、その用途について特定行政庁の許可を受けなくとも、カラオケボックスを建築することができる。 | ◯ |
20 | H15-21-4 | 第一種低層住居専用地域において建築することができる用途の建築物については、第二種低層住居専用地域においても建築することができる。 | ◯ |
21 | H14-20-1 | 第一種低層住居専用地域内では、小学校は建築できるが、中学校は建築できない。 | × |
22 | H14-20-2 | 第一種住居地域内では、ホテル(床面積計3,000m2以下)は建築できるが、映画館は建築できない。 | ◯ |
23 | H14-20-3 | 近隣商業地域内では、カラオケボックスは建築できるが、料理店は建築できない。 | ◯ |
24 | H14-20-4 | 工業地域内では、住宅は建築できるが、病院は建築できない。 | ◯ |
25 | H13-25-2 | 甲地(面積250m2)が都市計画法による第一種住居地域に指定されているときは、建築基準法の規定によると、Bは、甲地に住宅の一部を喫茶店(店舗面積150m2)として使用する建築物を建築することができる。 | ◯ |
26 | H12-23-1 | 病院は、工業地域、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。 | × |
27 | H12-23-2 | 老人ホームは、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。 | ◯ |
28 | H12-23-3 | 図書館は、すべての用途地域内において建築することができる。 | × |
29 | H12-23-4 | 大学は、工業地域、工業専用地域以外のすべての用途地域内において建築することができる。 | × |
30 | H10-21-1 | 第一種低層住居専用地域内においては、小学校を建築することはできない。 | × |
31 | H10-21-2 | 第一種住居地域内においては、床面積の合計が1,000m2の物品販売業・飲食店を営む店舗を建築することはできない。 | × |
32 | H10-21-3 | 近隣商業地域内においては、料理店を建築することはできない。 | ◯ |
33 | H10-21-4 | 工業地域内においては、共同住宅を建築することはできない。 | × |
34 | H07-22-1 | 第一種低層住居専用地域内においては、保育所を建築することができない。 | × |
35 | H07-22-2 | 第二種中高層住居専用地域内においては、水泳場を建築することができる。 | × |
36 | H07-22-3 | 第一種住居地域内においては、原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計が100m2 であるものを建築することができない。 | ◯ |
37 | H07-22-4 | 近隣商業地域内においては、床面積の合計が100m2 の料理店を建築することができる。 | × |
38 | H06-23-1 | 第一種住居地域内おいては、騒音の小さいカラオケボックスであれば、建築することができる。 | × |
39 | H06-23-2 | 火葬場は、公益上必要な施設であるので、第一種低層住居専用地域を除く全ての用途地域で、建築することができる。 | × |
40 | H06-23-3 | 近隣商業地域内においては、床面積の合計が200m2以下の個室付浴場であれば、建築することができる。 | × |
41 | H06-23-4 | 第一種中高層住居専用地域内においては、5階建ての大学を建築することができる。 | ◯ |
42 | H05-22-4 | 第一種低層住居専用地域においては、建築主は、床面積の合計が50m2以下の工場を建てることができる。 | × |
43 | H04-24-1 | 第一種低層住居専用地域内においては、病院は建築してはならないが、診療所は建築することができる。 | ◯ |
44 | H04-24-2 | 商業地域内においては、原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計が50m2を超えるものは、建築してはならない。 | × |
45 | H04-24-3 | 映画館(客席の部分の床面積の合計が200㎡以上のもの)は、第二種住居地域、近隣商業地域、商業地域及び準工業地域内において、建築することができる。 | × |
46 | H04-24-4 | 住宅は、すべての用途地域内において、建築することができる。 | × |
47 | H03-22-1 | 第二種住居地域及び工業地域においては、ボーリング場を建築することができる。 | ◯ |
48 | H03-22-2 | 工業地域及び工業専用地域においては、住宅を建築することはできない。 | × |
49 | H03-22-3 | 近隣商業地域及び工業地域においては、ホテルを建築することができる。 | × |
50 | H03-22-4 | すべての用途地域において、診療所及び病院を建築することができる。 | × |
51 | H01-24-1 | 第一種低層住居専用地域内においては、中学校は建築することができるが、大学は建築することができない。 | ◯ |
52 | H01-24-2 | 第二種低層住居専用地域内においては、自動車教習所は建築することができるが、自動車修理工場は建築することができない。 | × |
53 | H01-24-3 | 近隣商業地域内においては、映画館は建築することができるが、マージャン屋は建築することができない。 | × |
54 | H01-24-4 | 工業専用地域内においては、ホテルは建築することができるが、共同住宅は建築することができない。 | × |
2 誤り
総合設計制度に関する問題です。この制度は、一定規模以上の敷地面積を持つ建築物が、敷地内に一定の空地を有し、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可した場合には、容積率や高さ制限を緩和するという仕組みです(建築基準法59条の2)。つまり、「公開空地を提供してくれるなら、その分ビルの高さをオマケしますよ!」というインセンティブで空地の確保を促すものです。
国土交通省による制度のイメージ図
このイメージからすると、「建蔽率」について「関係規定による限度を超えるものとすることができる」というのは論理矛盾です。空地の確保と建蔽率の割増は、真っ向から対立してしまうからです。
3 正しい
集団規定が適用された時点で現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁の指定したものは、建築基準法上の道路とみなされます(みなし道路。同法42条2項)。
従来の過去問はこれだけで解けたのですが、今回は、さらに幅員1.8m未満の道という特殊なものを出してきました(初出題)。この場合、特定行政庁は、あらかじめ建築審査会の同意を得る必要が生じます(同条6項)。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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原則 | |||
1 | H29-19-3 | 幅員4m以上であり、法が施行された時点又は都市計画区域若しくは準都市計画区域に入った時点で現に存在する道は、特定行政庁の指定がない限り、法上の道路とはならない。 | × |
2 | H12-24-1 | 道路法による道路は、すべて建築基準法上の道路に該当する。 | × |
3 | H08-25-2 | 建築物の敷地は、原則として幅員6m以上の道路に接していなければならない。 | × |
4 | H06-22-1 | 建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に接しなければならないが、この幅員については、地方の特殊性等により加重されることはない。 | × |
【例外】みなし道路(42条2項道路) | |||
1 | R04-18-3 | 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員1.8m未満の道で、あらかじめ、建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。 | ◯ |
2 | R03s-18-1 | 法第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定の際、現に建築物が立ち並んでいる道は、法上の道路とみなされる。 | × |
3 | H30-19-3 | 都市計画区域の変更等によって法第3章の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員2mの道で、特定行政庁の指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。 | ◯ |
4 | H23-19-2 | 法が施行された時点で現に建築物が並んでいる幅員4m未満の道路は、特定行政庁の指定がなくとも法上の道路となる。 | × |
5 | H18-21-1 | 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道路法による道路は、特定行政庁の指定がなくとも法上の道路とみなされる。 | × |
6 | H18-21-2 | 法第42条第2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地が私有地である場合は、敷地面積に算入される。 | × |
7 | H13-21-1 | 幅員4m未満の道路は、建築物の敷地と道路との関係において、道路とみなされることはない。 | × |
8 | H13-25-4 | A所有の都市計画法による市街化区域内の宅地甲地(面積250㎡)を、Bが取得した。甲地と公道との間が建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる私道(敷地はA所有)のみにより接続しているときには、Bは、甲地に住宅を建築する目的で同法第6条第1項の確認を受けるためには、当該私道の通行についてのAの承諾を必要とする。 | × |
9 | H12-24-2 | 建築物の敷地は、必ず幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない。 | × |
10 | H06-22-4 | 建築基準法の規定が適用された際現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものについては、同法の規定が適用された際の道路の境界線が、その道路の境界線とみなされる。 | × |
11 | H04-22-3 | 都市計画区域内において中古住宅を建て替える場合、前面道路が幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものであるときは、原則として道路の中心線から水平距離2mの線が道路と敷地の境界線とみなされて、建築基準法の規定が適用される。 | ◯ |
4 誤り
都市計画により建築物の高さの上限を10m又は12mと定めることを絶対的高さ制限といいます(建築基準法55条1項)。
この絶対的高さ制限が適用されるのは、用途地域のうち低層住居専用グループ(第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域)に限られます。
本肢は「第一種住居地域内」に適用している点が誤りです。
■類似過去問
内容を見る年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
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1 | R04-18-4 | 第一種住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。 | × |
2 | H30-19-1 | 田園住居地域内においては、建築物の高さは、一定の場合を除き、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。 | ◯ |
3 | H24-19-2 | 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の高さは、12m又は15mのうち、当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。 | × |
4 | H19-22-3 | 第二種低層住居専用地域に指定されている区域内の土地においては、高さが9mを超える建築物を建築することはできない。 | × |
5 | H13-21-2 | 第一種低層住居専用地域内においては、高さが10mを超える建築物を建築できる場合はない。 | × |
6 | H06-21-1 | 第一種低層住居専用地域内においては、3階建ての住宅(高さ10m)は、特定行政庁の許可を得なければ、建てることができない。 | × |
7 | H05-22-1 | 第一種低層住居専用地域内においては、建築物の高さの最高限度は、15mである。 | × |
8 | H02-24-2 | 第一種低層住居専用地域内においては、建築物の高さは、すべて10mを超えてはならない。 | × |
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