【宅建過去問】(平成06年問07)不法行為

Aは、宅地建物取引業者Bに媒介を依頼して、土地を買ったが、Bの社員Cの虚偽の説明によって、損害を受けた。この場合の不法行為責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. Aは、Cの不法行為責任が成立しなければ、Bに対して損害の賠償を求めることはできない。
  2. Aは、Bに対して不法行為に基づく損害の賠償を請求した場合、Cに対して請求することはできない。
  3. Aは、Cの虚偽の説明がBの指示によるものでないときは、Cに対して損害の賠償を求めることができるが、Bに対しては求めることができない。
  4. Bは、Aに対して損害の賠償をした場合、Cに求償することはできない。

正解:1

06-07-0

1 正しい

使用者責任の成立は、被用者による不法行為(民法)709条)が成立していることが前提である(同法715条)。
逆にいえば、Cの不法行為責任が成立しない限り、被害者Aは、Bに対して使用者責任を追及することができない。

■参照項目&類似過去問
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使用者責任の成立要件(民法[30]2(2))

[共通の設定]
Cの被用者Aが、Bとの間で行った行為により、Bに損害が発生した。
年-問-肢内容正誤
1H23-08-1
青信号で横断歩道を歩いていたBが、赤信号を無視した自動車にはねられてケガをした。運転者AはCに雇用されていて、勤務時間中、仕事のために自動車を運転していた。Bが治療費として病院に支払った50万円の支払いをAに対して求める場合、債権は契約に基づいて発生する。×
2H18-11-2Aが営業時間中にC所有の自動車を運転して取引先に行く途中に前方不注意で人身事故を発生させても、Cに断で自動車を運転していた場合、Cに使用者としての損害賠償責任は発生しない。×
3H11-09-1Aの行為が、Aの職務行為そのものには属しない場合でも、その行為の外形から判断して、Aの職務の範囲内に属するものと認められるとき、Cは、Bに対して使用者責任を負うことがある。
4H11-09-2Aが職務権限なくその行為を行っていることをBが知らなかった場合で、そのことにつきBに重大な過失があるとき、Cは、Bに対して使用者責任を負わない。
5H06-07-1Bは、Aの不法行為責任が成立しなければ、Cに対して損害の賠償を求めることはできない。
6H06-07-3Bは、Aの行為がCの指示によるものでないときは、Aに対して損害の賠償を求めることができるが、Cに対しては求めることができない。×

2 誤り

使用者責任が成立する場合でも、被用者は独立して不法行為責任(民法709条)を負い、両者の関係は連帯債務である。
被害者Aは、使用者Bに対して使用者責任を追及している場合であっても、Cに対して不法行為責任を追及することが可能である。

■参照項目&類似過去問
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使用者責任と加害者の不法行為責任(民法[30]2(3))

[共通の設定]
Cに雇用されているAが、勤務中にC所有の乗用車を運転し、営業活動をしている途中で、Bが運転していた乗用車と正面衝突した(事故につき、A、Bには過失がある。)。
年-問-肢内容正誤
1H25-09-4使用者責任に基づく損害賠償を請求した場合、加害者に対する損害賠償請求はできない。×
2H20-11-3AがCに雇用されており、AがCの事業の執行につきBに加害行為を行った場合には、CがBに対する損害賠償責任を負うのであって、CはAに対して求償することもできない。×
3H18-11-1使用者責任が発生する場合、被用者である加害者の不法行為に基づく損害賠償責任は発生しない。×
4H06-07-2使用者責任に基づく損害賠償を請求した場合、被用者である加害者に対する損害賠償請求はできない。×

3 誤り

使用者は、被用者が「事業の執行について」第三者に損害を加えた場合に使用者責任を負う(民法715条1項)。
「Cの虚偽の説明がBの指示による」というような具体的な行為の指示である必要はない。事業の執行における加害行為である以上、Bは、使用者責任を免れることができない。

■参照項目&類似過去問
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使用者責任の成立要件(民法[30]2(2))

[共通の設定]
Cの被用者Aが、Bとの間で行った行為により、Bに損害が発生した。
年-問-肢内容正誤
1H23-08-1
青信号で横断歩道を歩いていたBが、赤信号を無視した自動車にはねられてケガをした。運転者AはCに雇用されていて、勤務時間中、仕事のために自動車を運転していた。Bが治療費として病院に支払った50万円の支払いをAに対して求める場合、債権は契約に基づいて発生する。×
2H18-11-2Aが営業時間中にC所有の自動車を運転して取引先に行く途中に前方不注意で人身事故を発生させても、Cに断で自動車を運転していた場合、Cに使用者としての損害賠償責任は発生しない。×
3H11-09-1Aの行為が、Aの職務行為そのものには属しない場合でも、その行為の外形から判断して、Aの職務の範囲内に属するものと認められるとき、Cは、Bに対して使用者責任を負うことがある。
4H11-09-2Aが職務権限なくその行為を行っていることをBが知らなかった場合で、そのことにつきBに重大な過失があるとき、Cは、Bに対して使用者責任を負わない。
5H06-07-1Bは、Aの不法行為責任が成立しなければ、Cに対して損害の賠償を求めることはできない。
6H06-07-3Bは、Aの行為がCの指示によるものでないときは、Aに対して損害の賠償を求めることができるが、Cに対しては求めることができない。×

4 誤り

使用者責任により使用者(B)が被害者(A)に損害賠償金を支払ったときは、被用者(C)に対して求償することができる(民法715条3項)。

■参照項目&類似過去問
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使用者の被用者に対する求償(民法[30]2(4))

[共通の設定]
Cの被用者Aが、Bとの間で行った行為により、Bに損害が発生した。
年-問-肢内容正誤
1H28-07-ウ
Cは、使用者責任に基づき、Bに対して本件事故から生じた損害を賠償した場合、Aに対して求償することができるが、その範囲が信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある。
2H25-09-1Cに雇用されているAが、勤務中にC所有の乗用車を運転し、営業活動のため顧客Bを同乗させている途中で、Dが運転していたD所有の乗用車と正面衝突した(なお、事故についてはAとDに過失がある。)。Cは、Bに対して事故によって受けたBの損害の全額を賠償した。この場合、Cは、BとDの過失割合に従って、Dに対して求償権を行使することができる。
3H25-09-2Cは、Bに対して事故によって受けたBの損害の全額を賠償した。この場合、Cは、被用者であるAに対して求償権を行使することはできない。×
4H24-09-3Cの使用者責任が認められてBに対して損害を賠償した場合には、CはAに対して求償することができるので、Aに資力があれば、最終的にはCはBに対して賠償した損害額の全額を常にAから回収することができる。×
5H20-11-3AがCに雇用されており、AがCの事業の執行につきBに加害行為を行った場合には、CがBに対する損害賠償責任を負うのであって、CはAに対して求償することもできない。×
6H18-11-4Aの不法行為がCの事業の執行につき行われたものであり、Cが使用者としての損害賠償責任を負担した場合、C自身は不法行為を行っていない以上、Cは負担した損害額の2分の1をAに対して求償できる。×
7H14-11-3C、Bに対し損害賠償債務を負担したことに基づき損害を被った場合は、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、Aに対し、損害の賠償又は求償の請求をすることができる。
8H14-11-4Aが、自己の負担部分を超えて、Bに対し損害を賠償したときは、その超える部分につき、Cに対し、Cの負担部分の限度で求償することができる。
9H11-09-4CがAの行為につきBに対して使用者責任を負う場合で、CがBに損害賠償金を支払ったときでも、Aに故意又は重大な過失があったときでなければ、Cは、Aに対して求償権を行使することができない。×
10H06-07-4Aは、Bに対して損害の賠償をした場合、Cに求償することはできない。×
11H04-09-4従業員Aが宅地建物取引業者Cの業務を遂行中に第三者Bに不法行為による損害を与えた場合、Cは、その損害を賠償しなければならないが、Aに対してその求償をすることはできない。×

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