【宅建過去問】(令和02年12月問38)宅建士(個数問題)


宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

  • ア 宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。
  • イ 未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。
  • ウ 宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。
  • エ 成年被後見人又は被保佐人は、宅地建物取引士として都道府県知事の登録を受けることができない。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解:1

ア 誤り

■専任宅建士の人数が不足した場合

専任宅建士が法定数に不足した場合、宅建業者は2週間以内に必要な措置を執る必要があります(宅建業法31条の3第3項)。
「30日以内」ではありません。

■変更の届出

専任宅建士の氏名は、宅建業者名簿の登載事項です(同法8条2項6号)。新たな宅建士を設置した場合には、その氏名を宅建業者名簿に登載する必要があります。つまり、変更の届出が要求されます。届出期間は、30日以内です(同法9条)。
「2週間以内」ではありません。

変更の届出の要否

■類似過去問
内容を見る
専任宅建士の人数が不足した場合(宅建業法[08]1(5))
 年-問-肢内容正誤
1R02s-38-ア宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。×
2R01-35-2宅地建物取引業者Aは、その主たる事務所に従事する唯一の専任の宅地建物取引士Dが令和元年5月15日に退職したため、同年6月10日に新たな専任の宅地建物取引士Eを置いた。×
324-36-130日以内に必要な措置。×
423-44-42週間以内に必要な措置。
522-29-42週間以内に必要な措置。
619-30-3宅建士設置義務を怠った場合、指示処分はあるが業務停止処分はない。×
718-31-12週間以内に新たな専任の宅建士を設置し、設置後30日以内に届出。
818-36-1宅建士設置義務を満たさない場合、直ちに事務所を閉鎖しなければならない。×
914-36-32週間以内に必要な措置。
1007-50-1宅建士が不足すると直ちに宅建業法違反となり、業務停止処分を受けることがある。×
1104-49-22週間以内に是正措置を講じないと、業務停止処分を受けることはあるが、罰則の適用を受けることはない。×
変更の届出(専任宅建士の氏名)(宅建業法[04]1(3)①)
 年-問-肢内容正誤
1R02s-38-ア宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。×
224-36-3宅建士が死亡しても、必要人数に不足なければ届出義務はない。×
319-30-2新たな宅建士が就任した場合、30日以内に届出が必要。
418-31-1唯一の専任の宅建士が退職した場合、2週間以内に新たな宅建士を設置し、設置後30日以内に届け出なければならない。
516-33-3専任の宅建士が交代した場合、2週間以内に届出が必要。×
615-32-2専任の宅建士を設置した場合、2週間以内に届出が必要。×
714-31-1専任の宅建士が転職した場合、転職前の業者は半年後、転職後の業者は10日後に届出を行えば、宅建業法に違反しない。×
808-39-2専任の宅建士が住所を変更した場合、勤務先の業者は変更の届出が必要。×
908-39-3専任の宅建士が勤務支店を異動した場合、勤務先の業者は変更の届出が必要。
1008-43-1新たに専任の宅建士を設置した場合、30日以内に、宅建士の氏名・住所を届出なければならない。×
1108-43-3宅建業以外に従事していた役員を、宅建業に従事させることとした場合、専任の宅建士の変更について届出をする必要はない。×
1205-40-1[宅地建物取引士Aが宅地建物取引業者Bに勤務]Aが住所を変更したときは、Aは変更の登録の申請を、また、Bは変更の届出をしなければならない。×
1305-40-4[宅地建物取引士Aが宅地建物取引業者Bに勤務]AがBの専任の宅地建物取引士となった場合、Aは変更の登録の申請を、また、Bは変更の届出をしなければならない。×
1403-36-1宅建士が専任の宅建士として就職した場合、宅建業者が免許権者に変更の届出をする必要はない。×
1502-35-1新たに宅建士を採用した場合、宅建業者は、宅建士が登録を受けている都道府県知事に変更の登録を申請しなければならない。×
変更の届出(届出期間)(宅建業法[04]1(3)②)
 年-問-肢内容正誤
1R02s-31-4宅地建物取引業者の役員の住所に変更があったときは、30日以内に免許権者に変更を届け出なければならない。×
2R02s-38-ア宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。×
321-28-1法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、役員の住所について変更があった場合、その日から30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。×
419-30-2宅地建物取引業者B(甲県知事免許)は、その事務所において、成年者である宅地建物取引士Cを新たに専任の宅地建物取引士として置いた。この場合、Bは、30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
518-31-1宅地建物取引業者A社の唯一の専任の宅地建物取引士であるBが退職したとき、A社は2週間以内に新たな成年者である専任の宅地建物取引士を設置し、設置後30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
616-32-4宅地建物取引業者D社(丙県知事免許)の監査役の氏名について変更があった場合、D社は、30日以内にその旨を丙県知事に届け出なければならない。
716-33-3宅地建物取引業者A社の専任の宅地建物取引士がBからCに交代した場合、A社は2週間以内に甲県知事に対して、宅地建物取引業者名簿の変更の届出を行わなければならない。×
815-32-2[甲県に本店、乙県にa支店を置き国土交通大臣の免許を受けている宅地建物取引業者A(個人)は、a支店の専任の宅地建物取引士Bが不在になり、宅地建物取引業法第31条の3の要件を欠くこととなった。]a支店に専任の宅地建物取引士Cを置き、宅地建物取引業を行う場合、Aは、Cを置いた日から2週間以内に専任の宅地建物取引士の変更の届出を行う必要がある。×
914-31-1Aは、専任の宅地建物取引士として従事していた宅地建物取引業者B社を退職し、宅地建物取引業者C社に専任の宅地建物取引士として従事することとなり、B社は宅地建物取引業者名簿登載事項の変更の届出をAの退職から半年後に、C社はAの就任から10日後に当該届出を行った。×
1003-38-1国土交通大臣の免許を受けている宅地建物取引業者A社が新たに政令で定める使用人を設置した場合、A社は、その日から30日以内に、本店の所在地を管轄する都道府県知事を経由してその旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

イ 誤り

宅建業者の事務所には、「成年者である専任の宅地建物取引士」を設置する必要があります(宅建業法31条の3第1項)。
未成年者であっても、宅建業の営業に関し成年者と同一の行為能力を有していれば、宅建士となることは可能です(同法18条1項1号)。しかし、その場合でも、未成年者である間は、専任宅建士になることができません。

※例外は、宅建業者自身が宅建士である場合や法人業者の役員が宅建士である場合です。この場合、未成年者であっても、「成年者である専任の宅地建物取引士」とみなされます(宅建業法31条の3第2項)。

■類似過去問
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成年者である専任の宅建士(宅建業法[08]1(1))
 年-問-肢内容正誤
専任
105-48-3案内所に置く専任の宅建士について、事務所の専任の宅建士を派遣しなければならない。×
成年者
1R02s-38-イ未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。×
208-43-4宅建業の営業に関し成年者と同一の能力を有する20才未満で未婚の宅建士は、宅建業者の役員であるときを除き、専任の宅建士となることができない。
305-37-1営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者は、専任の宅建士となることはできないが、専任でない宅建士となることができる。×
402-35-3宅建業者は、20歳未満の者でも、婚姻をした者については、専任の宅建士として置くことができる。
個人業者自身や法人業者の役員が宅建士である場合
119-30-4法人である宅建業者の取締役が宅建士であり、もっぱら宅建業に従事していても、専任の宅建士の数に算入することはできない。×
212-33-4未成年で未婚の宅建士が、事務所に置かなければならない成年者である専任の宅建士とみなされることはない。×
308-43-3宅建業者の役員で、かつ、当該事務所で宅建業以外の業務に従事していた宅建士を主として宅建業の業務に従事させることとした場合、宅建業者は、専任の宅建士の変更について届出をする必要はない。×
408-43-4宅建業の営業に関し成年者と同一の能力を有する20才未満で未婚の宅建士は、宅建業者の役員であるときを除き、専任の宅建士となることができない。
505-37-4事務所に置かれる政令で定める使用人が宅建士となったときは、その者は、その事務所に置かれる専任の宅建士とみなされる。×
602-35-2宅建業を営む株式会社にあっては、当該会社の監査役を専任の宅建士として置くことができる。×
架空の要件
113-31-3甲県内に所在する事務所の専任の宅建士は、甲県知事による登録を受けている者でなければならな。×

ウ 正しい

■相手方が宅建業者である場合の重要事項説明

宅建業者は、相手方が宅建業者である場合でも、重要事項説明書を交付する義務を負います(宅建業法35条1項)。しかし、その内容を宅建士に説明させる必要はありません(同条6項)。

相手方が宅建業者である場合

■宅建士証の提示

宅建士が重要事項説明をするときには、説明の相手方から請求がなくても宅建士証を提示する必要があります(宅建業法35条4項)。それに加えて、取引関係者から請求があったときにも、宅建士証を提示しなければなりません(同法22条の4)。

宅建士証の提示

■まとめ

相手方が宅建業者である場合でも、重要事項説明書を交付する必要があります。しかし、その内容を説明する必要はありません。
そして、相手方から求められなくても、宅建士証の提示が必要なのは、重要事項を説明するときです。相手方が宅建業者である場合、重要事項を説明する必要がないのですから、宅建士証を提示する必要もありません。
相手方である宅建業者から提示の請求があった場合は別です。この場合、重要事項説明の必要性とは関係なく、宅建士証を提示する必要があります。

■類似過去問
内容を見る
相手方が宅建業者である場合(宅建業法[11]1(4))
 年-問-肢内容正誤
1R02s-38-ウ宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。
2R02-44-3自らを委託者とする宅地又は建物に係る信託の受益権の売主となる場合、取引の相手方が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付して説明をしなければならない。
330-35-2宅地建物取引業者間における建物の売買においては、その対象となる建物が未完成である場合は、重要事項説明書を交付した上で、宅地建物取引士をして説明させなければならない。×
430-39-1宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物を借りようとする者が宅地建物取引業者であるときは、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、その内容を宅地建物取引士に説明させる必要はない。
525-29-3業者間取引では、35条書面に修繕積立金の滞納について記載しなくてもよい。×
625-30-1業者間取引でも重要事項説明は行わなければならないが、35条書面の交付は省略してよい。×
719-40-2業者間取引で、売主の承諾がある場合、35条書面・37条書面の交付を省略できる。×
819-40-3業者間取引で、買主の承諾がある場合、35条書面の交付は省略可能、37条書面の交付は省略不可。×
918-35-1買主が宅建業者である場合、35条書面を交付しなくても、宅建業法に違反しない。×
1016-40-135条書面の交付義務は、業者間取引にも適用される。
1106-44-3業者間取引では、35条書面に造成工事完了時の宅地の形状・構造を記載すれば、宅地に接する道路の構造・幅員を記載しなくてもよい。×
1205-44-1業者間取引では、35条書面を交付しなくても、宅建業法に違反しない。×
1304-42-1業者間取引では、35条書面の交付は省略できるが、37条書面の交付は省略できない。×
1401-44-3業者間取引では、35条書面の交付を省略しても、宅建業法に違反しない。×
宅建士証の提示(重要事項説明時)(宅建業法[05]6(3)宅建業法[11]1(3)⑤)
 年-問-肢内容正誤
1R02s-38-ウ宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。
2R02-28-3宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは説明の相手方からの請求の有無にかかわらず宅地建物取引士証を提示しなければならず、また、取引の関係者から請求があったときにも宅地建物取引士証を提示しなければならない。
3R02-41-3宅地建物取引士証を亡失した宅地建物取引士は、その再交付を申請していても、宅地建物取引士証の再交付を受けるまでは重要事項の説明を行うことができない。
4R01-40-1宅地建物取引業者の従業者は、取引の関係者の請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは、請求がなくても説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。
530-39-4
宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。×
629-37-1
宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、物件の買受けの申込みの前であっても宅地建物取引士証を提示しなければならないが、このときに提示した場合、後日、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証を提示しなくてもよい。×
729-37-4
宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証の提示が義務付けられているため、宅地建物取引士証の提示をもって、従業者証明書の提示に代えることができる。×
828-30-2
宅建士は、重要事項の説明をする際に、相手方から求められない場合は、宅建士証を提示しなくてもよい。
×
926-36-3物件担当の宅建士が急用で対応できなくなった場合、重要事項説明書にある宅建士欄を訂正の上、別の宅建士が記名押印をし、宅建士証を提示した上で、重要事項説明をすれば、宅建業法に違反しない。
1025-30-2重要事項説明時、請求がなくても宅建士証を提示する必要があり、提示しないと20万円以下の罰金に処せられる。×
1123-28-3重要事項説明時、請求があった場合のみ宅建士証を提示すればよい。×
1222-30-3宅建士証を亡失し再交付申請中の者は、再交付申請書の写しを提示すればよい。×
1318-36-2請求がなくても提示が必要。
1417-39-2請求がなかったので提示せず。×
1514-31-4重要事項説明時に宅建士証を提示していれば、その後は請求があっても提示する必要はない。×
1613-31-4宅建士証を滅失した場合、再交付を受けるまで重要事項説明はできない。
1713-32-1重要事項説明時、要求がなければ、提示しなくてもよい。×
1810-39-3胸に着用する方法で提示可能。
1905-37-2初対面時に宅建士証を提示していれば、重要事項説明時に提示する必要はない。×
2004-48-2宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは、相手方の請求がなくても宅地建物取引士証を提示しなければならないが、この宅地建物取引士証の表面には、宅地建物取引士の勤務先も記載される。×
宅建士証の提示(取引関係者の請求時)(宅建業法[05]6(3))
 年-問-肢内容正誤
1R02s-38-ウ
宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。
2R02-28-3
宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは説明の相手方からの請求の有無にかかわらず宅地建物取引士証を提示しなければならず、また、取引の関係者から請求があったときにも宅地建物取引士証を提示しなければならない。
330-42-4
宅地建物取引士は、法第37条に規定する書面を交付する際、取引の関係者から請求があったときは、専任の宅地建物取引士であるか否かにかかわらず宅地建物取引士証を提示しなければならない。
429-37-1
宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、物件の買受けの申込みの前であっても宅地建物取引士証を提示しなければならないが、このときに提示した場合、後日、法第35条に規定する重要事項の説明をする際は、宅地建物取引士証を提示しなくてもよい。
×
529-40-3
売主である宅地建物取引業者Eの宅地建物取引士Fは、宅地建物取引業者ではない買主Gに37条書面を交付する際、Gから求められなかったので、宅地建物取引士証をGに提示せずに当該書面を交付した。
628-38-イ
宅地建物取引士は、取引の関係者から宅地建物取引士証の提示を求められたときは、宅地建物取引士証を提示しなければならないが、従業者証明書の提示を求められたときは、宅地建物取引業者の代表取締役である宅地建物取引士は、当該証明書がないので提示をしなくてよい。
×
714-31-4重要事項説明時に宅建士証を提示していれば、その後は請求があっても提示する必要はない。×
811-36-237条書面交付時には、相手方から請求があったときに宅建士証を提示すれば足りる。
906-37-1取引関係者から請求されても宅建士証を提示しない場合、10万円以下の過料に処せられる。×

エ 誤り

宅建士の欠格要件となるのは、「心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの」(宅建業法18条1項12号)、より具体的にいえば、「精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」です(規則14条の2)。
単に「成年被後見人又は被保佐人」であるというだけで、登録を受けることができないわけではありません。

☆「宅建士の欠格要件(心身の故障)」というテーマは、問43肢1でも出題されています。

■類似過去問
内容を見る
宅建士の欠格要件(心身の故障)(宅建業法[05]4(1)⑤)
 年-問-肢内容正誤
1R02s-38-エ成年被後見人又は被保佐人は、宅地建物取引士として都道府県知事の登録を受けることができない。×
2R02s-43-1登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。×

まとめ

正しいものはウの一つだけです。正解は、肢1。


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【宅建過去問】(令和02年12月問38)宅建士(個数問題)” に対して3件のコメントがあります。

  1. みずたに より:

    家坂先生、お返事ありがとうございます。

    相手方が宅建業者の場合は、宅建業法35条の6項から、35条4項、22条の4の規定に従う。
    考え方の流れが、よく分かりました。
    そして、
    自分の法的な考え方に無理があることが分かりました。
    私は、まだまだ宅建試験に合格するための、内容を絞った勉強しかできていなかったようです。
    今回の問38のウは、さらっとした、平坦な表現ですが、
    宅建業法35条をよく勉強した受験生にとっては、
    やりごたえのあるいい問題だったのでは、と思います。

  2. みずたに より:

    今日は、質問させてください。

    令和2年12月の宅建試験、問38の、選択肢ウの選択肢についてすっきりと理解できません。
    私はこの問題のケースで、自主的に宅建士証を見せる必要が無い、
    と考える根拠が、宅建を勉強してきた知識からどうしても導き出すことができません。
    どうか、ご教授をお願いできないでしょうか?

    問38
    ウ、宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。

    有名予備校のの動画説明では、
    相手が宅建業者だから、重説の説明部分が不要。だから宅建士証の自主的な提示は不要。
    と、言われていました。
    しかし、問題文は重要事項説明書という「書面の交付」に際して、
    宅建士証を自主的に見せる必要があるのか?
    という内容です。
    言葉による説明が不要だから見せなくていい。という解説は論点がずれているような気がします。

    宅建業法35条では、
    宅地建物取引業者は、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。となっていますが、
    要点を縮めると、宅建士をして重要事項を記載した書面を交付する。と読み取れます。

    ここで「交付」という言葉の解釈ですが」
    その中には、「書類を作成する」というものと、
    「その書類を相手方に手渡す」という二つの意味が入っています。
    このことから考えると、重要事項説明書は、宅建士が、自ら相手方に引き渡す必要があるとなります。

    では、相手方が、書面の引き渡し者を、宅建士と確認する方法ですが、
    それは宅建士証を見せてもらうことしかありません。
    手渡された重説書面には宅建士の記名押印がされていますが、
    これは文書の作成を宅建士が行ったという印で、
    引き渡しの部分については、引き渡し者が宅建士であると証明するものでは無いです。

    これが37条書面なら、誰が引き渡しても良い規則なので、
    引き渡す者が、宅建士であると、証明する必要はないでしょうが、
    35条書面の場合には、宅建士が引き渡さなければならないという規則なので、
    この引き渡し時にも宅建士であると証明する必要があると思います。

    このような解釈で、私は、相手が業者で、重要事項説明書を交付する(引き渡す)だけの場合でも、宅建士証の提示が必要という考え方に、なっています。
    教えて頂きたいです。よろしくお願いします。

    1. 家坂 圭一 より:

      みずたに様

      ご質問ありがとうございます。
      私も、有名予備校さんと全く同じ考えです。

      言い方は失礼かも知れませんが、みずたにさんの解釈(?)には、随所に無理があります。
      法律学的な筋道で結論を正確に導くためには、宅建業法35条1項と6項、そして4項について検討する必要があります。

      (1)宅建業法35条1項・6項
      みずたにさんのお考えの根拠は、以下の部分にあると思われます。

      宅建業法35条では、
      宅地建物取引業者は、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。となっていますが、
      要点を縮めると、宅建士をして重要事項を記載した書面を交付する。と読み取れます。

      ここが勘違いの始まりです。

      この文章は、宅建業法35条1項の一部ですが、これを根拠として本肢の結論を検討するのは不可能です。
      なぜなら、本肢は、「相手方が宅地建物取引業者である場合」が前提になっているからです。

      この場合、宅建業法35条1項をストレートに適用することはできません。同条6項に従って読み替える必要があるのです。
      6項に従って読み替えると、1項の内容は、以下のようになります。

      《読み替え前》
      宅地建物取引業者は、……宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(……)を交付して説明をさせなければならない。

      《読み替え後》
      宅地建物取引業者は、……少なくとも次に掲げる事項を記載した書面(……)を交付しなければならない。

      「説明」どころか「宅地建物取引士」の言葉すら出現しません。
      この規定を根拠に、宅建士証の提示を義務付けるのは、無理です。

      (2)宅建業法35条4項
      そもそも、重要事項説明にあたって、宅建士が宅建士証を提示する義務を負う根拠は、宅建業法35条4項にあります。

      (宅建業法35条4項)
      宅地建物取引士は、前三項の説明をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

      つまり、35条1項から3項に基づく「説明」の際に、宅建士証の提示が要求されています。
      しかし、(1)で考えたように、相手方が宅建業者である場合には、そもそも「説明」自体が不要です。
      「説明」自体が不要である以上、「説明時の宅建士証提示」も不要であるのは、当然のことです。

      (3)結論
      以上より、「相手方が宅地建物取引業者である場合」という前提の下で、宅建士が宅建士証の提示義務を負うのは、宅建業法22条の4を根拠とする場合、すなわち、「取引の関係者から請求があったとき」に限られます。

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