【宅建過去問】(平成16年問17)都市計画法

都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 都市計画の決定又は変更の提案は、当該提案に係る都市計画の素案の対象となる土地の区域内の土地所有者の全員の同意を得て行うこととされている。
  2. 都市計画事業の認可等の告示があった後においては、事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある建築物の建築等を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
  3. 土地区画整理事業等の市街地開発事業だけではなく、道路、公園等の都市計画施設の整備に関する事業についても、都市計画事業として施行することができる。
  4. 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域であり、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域である。

正解:1

1 誤り

都市計画の決定・変更の提案をするには、都市計画の素案の対象となる土地の区域内の土地所有者等の3分の2以上の同意が必要である(都市計画法21条の2第3項2号)。全員の同意が必要なわけではない。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
都市計画の決定・変更の提案(都市計画法[05]2)
年-問-肢内容正誤
1H24-16-2都市計画の決定又は変更の提案は、当該提案に係る都市計画の素案の対象となる土地について所有権又は借地権を有している者以外は行うことができない。×
2H19-18-4都市計画の決定又は変更の提案をすることができるのは、当該提案に係る都市計画の素案の対象となる土地の区域について、当該土地の所有権又は建物の所有を目的とする対抗要件を備えた地上権若しくは賃借権を有する者に限られる。×
3H16-17-1都市計画の決定又は変更の提案は、当該提案に係る都市計画の素案の対象となる土地の区域内の土地所有者の全員の同意を得て行うこととされている。×

2 正しい

「都市計画事業の認可等の告示があった後においては、事業地内において」というのですから、事業段階での制限について問われています。この段階では、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある以下の行為について、知事(市の区域内では市長)の許可が必要です(都市計画法65条1項)。

  1. 建築物の建築
  2. 工作物の建設
  3. 土地の形質の変更

※この許可制度に例外はありません。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
事業段階での制限(都市計画法[03]3(3))
年-問-肢内容正誤
1H29-16-ウ都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内において、当該都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
2H25-15-3都市計画事業の認可の告示があった後においては、当該事業地内において、当該都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更又は建築物の建築その他工作物の建設を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
3H20-18-2都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内において当該事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物の建築、工作物の建設を行おうとする者は、当該事業の施行者の同意を得て、当該行為をすることができる。×
4H18-18-2都市計画事業の認可の告示があった後においては、当該都市計画事業を施行する土地内において、当該事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)及び当該事業の施行者の許可を受けなければならない。×
5H16-17-2都市計画事業の認可等の告示があった後においては、事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある建築物の建築等を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
6H14-24-3都市計画法によれば、都市計画事業の事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行う者は、原則として都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
7H12-18-4都市計画事業の認可等の告示があった後に、当該事業地内において都市計画事業の施行の障害となるおそれがある建築物の建築を行おうとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
8H10-17-4都市計画事業の認可の告示後、事業地内において行われる建築物の建築については、都市計画事業の施行の障害となるおそれがあるものであっても、非常災害の応急措置として行うものであれば、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受ける必要はない。×

3 正しい

都市計画事業には、市街地開発事業だけでなく、都市計画施設の整備に関する事業も含む(都市計画法4条15項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
都市計画とは(都市計画法[01]1)
年-問-肢内容正誤
1H16-17-3土地区画整理事業等の市街地開発事業だけではなく、道路、公園等の都市計画施設の整備に関する事業についても、都市計画事業として施行することができる。
2H04-18-1都市計画は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で、都道府県が決定するときは、関係市町村の意見をきき、かつ、都道府県都市計画審議会の議を経なければならない。

4 正しい

市街化区域は、(1)すでに市街地を形成している区域及び(2)おおむね10年以内に市街化を図る予定の区域である(都市計画法7条2項)。
市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域である(同条3項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
市街化区域・市街化調整区域(都市計画法[02]2(2))
年-問-肢内容正誤
1R05-15-1市街化調整区域は、土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備に支障が生じるおそれがある区域とされている。×
2H16-17-4市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域であり、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域である。
3H14-17-3市街化区域は、既に市街地を形成している区域であり、市街化調整区域は、おおむね10年以内に市街化を図る予定の区域及び市街化を抑制すべき区域である。×
4H05-19-1市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域であり、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域である。

>>年度目次に戻る

【無料公開講座】スリー・ステップ学習法

宅建学習のプロセスを3段階に分け、着実なステップアップを目指す『スリー・ステップ学習法』。この講座の特長を実際に理解・体験していただくための「無料公開講座」です。
  • [Step.1]基本習得編で宅建合格に必要な基礎知識を学ぶ。
  • [Step.2]一問一答編で「一問一答式」の本試験過去問で基礎知識を確認し、○×を見分ける解法テクニックを身に付ける。
  • [Step.3]過去演習編で「四択問題」の解決法を学ぶ。

この3段階で、着実に合格レベルに進むことができます。

【宅建過去問】(平成16年問17)都市計画法” に対して2件のコメントがあります。

  1. ムライ より:

    いつもお世話になっております。
    「都市計画施設の区域または市街地開発事業の施工区域内」の制限において、
    施行者の定めがない場合は、建築物の建築をするとき、
    施行者の定めがある場合は、建築物の建築、土地の形質の変更、工作物の建設も許可が必要だったと思うのですが、もし仮に本試験で
    「都市計画施設の区域または市街地開発事業の施工区域内」において、「土地の形質の変更」について許可が必要かどうかを聞かれた場合(施行者の定めについては触れられていなかった場合)、
    先生ならどう答えますか?
    以前、模試等でこのような設問を見かけたのですが、本試験でこのような問われ方をされた場合どう判断すればいいのか分からず質問させていただきました、、

    1. 家坂 圭一 より:

      ムライ様

      「施行予定者が定められている都市計画施設の区域等」というのは、都市計画法57条の2~57条の6のことをおっしゃっているのだと思います。
      これらの条文については、過去に1度も出題されていません。そのため、当社の教材では、一切触れていません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です