【宅建過去問】(平成02年問07)連帯債務・保証
AのBに対する債権(Cも、Aに債務を負い、又はBの債務を保証している。)についてのAの履行請求に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- BとCが分割債務を負う場合、AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じない。
- CがBの保証人の場合、AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じない。
- CがBの連帯保証人の場合、AのCに対する履行の請求は、Bに対しては効力を生じない。
- BとCが連帯債務を負う場合、AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じない。
正解:2
1 正しい
分割債務の場合、一人の債務者に生じた事由は、他の債権者に影響を及ぼしません(民法427条)。したがって、AのBに対する請求は、他の分割債務者Cには効力を生じません。
2 誤り
主たる債務者Bに履行を請求すれば、保証債務の付従性により、保証人Cにも履行を請求したことになります。
※Cが連帯保証人である場合も同じです。
■参照項目&類似過去問
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主たる債務者について生じた事由(民法[18]2(2)①②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
[共通の設定] BがAに対して負う1,000万円の債務について、Cが保証人となっている。 |
|||
免除 | |||
1 | 20-06-1 | Aが、Bに対して債務を免除した場合にはCが、Cに対して債務を免除した場合にはBが、それぞれ全額の債務を免れる。 | × |
時効完成 | |||
1 | 20-06-3 | Bについて時効が完成した場合にはCが、Cについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ全額の債務を免れる。 | × |
履行の請求 | |||
1 | 20-06-2 | Aが、Bに対して履行を請求した効果はCに及ぶが、Cに対して履行を請求した効果はBに及ばない。 | ◯ |
2 | 15-07-4 | Cの保証債務にBと連帯して債務を負担する特約がない場合、Bに対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、Cに対してもその効力を生ずる。 | ◯ |
3 | 07-03-3 | AがBに対して訴訟により弁済を求めた場合、Cの債務についても、時効の完成が猶予される。 | ◯ |
4 | 02-07-2 | AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じない。 | × |
債務の承認 | |||
1 | 16-06-4 | Bが債務を承認して時効が更新された場合にはCの保証債務に対しても時効更新の効力を生ずる。 | ◯ |
主たる債務者の債権による相殺 | |||
1 | 06-09-4 | AがCに対して直接1,000万円の支払を求めて来ても、BがAに 600万円の債権を有しているときは、Cは、600万円の範囲で債務の履行を拒むことができるため、 400万円を支払えばよい。 | ◯ |
3 正しい
連帯保証人に履行を請求した場合については、連帯債務に関するルールが準用されます(民法458条)。そして、連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しては、その効力を生じません(相対効。民法441条本文)。
したがって、連帯保証人Cに対する履行の請求は、主債務者であるBに対しては効力を生じません。
■参照項目&類似過去問
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連帯保証人について生じた事由(民法[18]3(2)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
[共通の設定] BがAに対して負う1,000万円の債務について、Dが連帯保証人となっている。 |
|||
免除 | |||
1 | 20-06-1 | Aが、Bに対して債務を免除した場合にはDが、Dに対して債務を免除した場合にはBが、それぞれ全額の債務を免れる。 | × |
2 | 16-06-2 | AがDに対して連帯保証債務の全額を免除すれば、Bも債務の全額を免れる。 | × |
時効の完成 | |||
1 | 20-06-3 | Bについて時効が完成した場合にはDが、Dについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ全額の債務を免れる。 | × |
履行の請求 | |||
1 | 20-06-2 | Aが、Bに対して履行を請求した効果はDに及ぶが、Dに対して履行を請求した効果はBに及ばない。 | ◯ |
2 | 15-07-3 | Dの保証債務がBとの連帯保証債務である場合、Dに対する履行の請求による時効の完成猶予は、Bに対してはその効力を生じない。 | ◯ |
3 | 10-04-3 | AがDに対して請求の訴えを提起することにより、Bに対する関係でも消滅時効の完成が猶予されることになる。 | × |
4 | 07-03-1 | AがDに対して訴訟により弁済を求めた場合、Bの債務についても、時効の完成が猶予される。 | × |
5 | 02-07-3 | AのDに対する履行の請求は、Bに対しては効力を生じない。 | ◯ |
4 正しい
連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しては、その効力を生じません(相対効。民法441条本文)。
したがって、AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じません。
■参照項目&類似過去問
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連帯債務者の一人に生じた事由(履行の請求)(民法[17]4(4)③)
[共通の設定]
AからBとCとが負担部分2分の1として連帯して1,000万円を借り入れた。
[共通の設定]
AからBとCとが負担部分2分の1として連帯して1,000万円を借り入れた。
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R03-02-1 | AがBに対して裁判上の請求を行ったとしても、特段の合意がなければ、CがAに対して負う債務の消滅時効の完成には影響しない。 | ◯ |
2 | H29-08-1 | AがBに対して履行の請求をした場合、Cがそのことを知っていれば、Cについても、その効力が生じる。 | × |
3 | H20-06-2 | Aが、Bに対して履行を請求した効果はCに及ばす、Cに対して履行を請求した効果はBに及ばない。 | ◯ |
4 | H08-04-2 | Aが、Bに対し代金の支払いを請求した場合、その効力はCには及ばない。 | ◯ |
5 | H03-06-3 | AがBに対して貸金の返済を請求して、Aの貸金債権の消滅時効の完成が猶予されたときでも、Cの債務については、猶予されない。 | ◯ |
6 | H02-07-4 | BとCが連帯債務を負う場合、AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じない。 | ◯ |
7 | H01-10-1 | AがBに対して代金支払いの請求をすると、Aの代金債権の消滅時効は、Cについても完成が猶予される。 | × |