単体規定というのは、所在場所を問わず、個々の建築物に一律に適用される規定のことをいいます。
実際には、沢山の規定があるのですが、ここでは、過去に繰り返し出題された事項のみを確認します。具体的には、防火壁、居室の開口部、アスベスト被害・シックハウス対策、建築物の設備(避雷設備・非常用エレベータ)、バルコニーなどです。
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1.単体規定とは
2.過去に出題された規定
(1).防火壁等
①原則
延べ面積1,000㎡超の建築物
→防火壁又は防火床により各区画を1,000㎡以内となるよう区画
②例外
耐火建築物・準耐火建築物(⇒[08])
★過去の出題例★
防火壁等(建築基準法[02]2(1))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R02-17-3
| 延べ面積が1,000㎡を超える準耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。 | × |
2 | H28-18-4
| 延べ面積が1,000㎡を超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。 | × |
3 | H19-21-4 | 防火地域又は準防火地域において、延べ面積が1,000㎡を超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床で有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。 | × |
4 | H15-20-1 | 当該建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。 | × |
5 | H12-22-4 | 延べ面積が2,000㎡の準耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ500㎡以内としなければならない。 | × |
6 | H11-22-3 | 準防火地域内において、地階を除く階数が3(高さ12m)、延べ面積が1200㎡で事務所の用途に供する建築物を建築しようとする場合、この建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。 | × |
7 | H09-25-3 | 延べ面積1,000㎡を超える準耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計を1,000㎡以内としなければならない。 | × |
(2).居室の開口部
居室=居住のための居室、学校の教室、病院の病室など
★過去の出題例★
居室の開口部(建築基準法[02]2(2))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R03s-17-3 | 換気設備を設けていない居室には、換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して10分の1以上としなければならない。 | × |
2 | H26-17-1 | 住宅の地上階における居住のための居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して7分の1以上としなければならない。 | ◯ |
3 | H24-18-3 | 住宅の居室には、原則として、換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、25分の1以上としなければならない。 | × |
4 | H12-22-1 | 住宅は、敷地の周囲の状況によってやむを得ない場合を除き、その1以上の居室の開口部が日照を受けることができるものでなければならない。 | × |
(3).アスベスト被害・シックハウス対策
★過去の出題例★
アスベスト被害・シックハウス対策(建築基準法[02]2(3))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R05-17-4 | 石綿等をあらかじめ添加した建築材料は、石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除き、使用してはならない。 | ◯ |
2 | R03-17-1 | 居室の内装の仕上げには、ホルムアルデヒドを発散させる建築材料を使用することが認められていない。 | × |
3 | 25-17-ウ | 石綿以外の物質で居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質は、ホルムアルデヒドのみである。 | × |
4 | 19-21-2 | 居室を有する建築物の建築に際し、飛散又は発散のおそれがある石綿を添加した建築材料を使用するときは、その居室内における衛生上の支障がないようにするため、当該建築物の換気設備を政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。 | × |
5 | 16-21-4 | 居室を有する建築物は、住宅等の特定の用途に供する場合に限って、その居室内においてホルムアルデヒド及びクロルピリホスの発散による衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について一定の技術的基準に適合するものとしなければならない。 | × |
(4).建築物の設備
★過去の出題例★
避雷設備(建築基準法[02]2(4))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R02s-17-3 | 高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。 | ◯ |
2 | H26-17-3 | 高さ15mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。 | × |
3 | H22-18-3 | 当該建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。 | × |
4 | H12-22-2 | 高さ25mの建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効に避雷設備を設けなければならない。 | ◯ |
非常用の昇降機(建築基準法[02]2(4))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R02-17-4
| 高さ30mの建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
2 | H28-18-2
| 高さ30mの建築物には、原則として非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
3 | H25-17-エ | 高さが20mを超える建築物には原則として非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
4 | H15-20-3 | 防火地域内において、地階を除く階数が5(高さ25m)、延べ面積が800m2で共同住宅の用途に供する鉄筋コンクリート造の建築物には、安全上支障がない場合を除き、非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
5 | H12-22-3 | 高さ25mの建築物には、安全上支障がない場合を除き、非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
6 | H11-22-4 | 準防火地域内において、地階を除く階数が3(高さ12m)、延べ面積が1200㎡で事務所の用途に供する建築物を建築しようとする場合、この建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない。 | × |
(5).バルコニー
2階以上の階にあるバルコニーその他これに類すもの
→周囲に高さ 1.1m以上の手すり壁、さく又は金網が必要
★過去の出題例★
バルコニー(建築基準法[02]2(5))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | H30-18-3 | 4階建ての事務所の用途に供する建築物の2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。 | ◯ |
2 | H25-17-イ | 3階建ての共同住宅の各階のバルコニーには、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。 | × |
(6).災害危険区域
津波・高潮・出水等による危険の著しい区域を
地方公共団体が条例で指定
条例で建築物の建築に関する制限を定める
★過去の出題例★
災害危険区域(建築基準法[02]2(6))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R05-17-1 | 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定し、当該区域内における住居の用に供する建築物の建築を禁止することができる。 | ◯ |
2 | R04-17-4 | 地方公共団体が、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定した場合には、災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築は一律に禁止されることとなる。 | × |
3 | R01-17-2 | 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができ、当該区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは当該条例で定めることとされている。 | ◯ |
4 | H15-36-2 | 売買契約の対象となる宅地が、建築基準法に基づき、地方公共団体が条例で指定した災害危険区域内にある場合、宅地建物取引業者は、条例で定められている制限に関する事項の概要を説明しなければならない。 | ◯ |
5 | H10-25-2 | 建築基準法によれば、災害危険区域内における建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、市町村の規則で定めなければならない。 | × |
(7).天井の高さ
高さが異なる部分がある場合
→平均の高さが2.1m以上
×最も低い部分
★過去の出題例★
天井の高さ(建築基準法[02]2(7))
| 年-問-肢 | 内容 | 正誤 |
1 | R02-17-2 | 居室の天井の高さは、一室で天井の高さの異なる部分がある場合、室の床面から天井の最も低い部分までの高さを2.1m以上としなければならない。 | × |
2 | H25-17-ア | 一室の居室で天井の高さが異なる部分がある場合、室の床面から天井の一番低い部分までの高さが2.1m以上でなければならない。 | × |
[Step.2]一問一答式実戦応用編講座
実戦応用編では、選択肢単位に分解・整理した過去問を実際に解き、その後に、(1)基本知識の確認、(2)正誤を見極める方法、の講義を視聴します。この繰返しにより、「本試験でどんなヒッカケが出るのか?」「どうやってヒッカケを乗り越えるのか?」という実戦対応能力を身につけます。
必須資料『一問一答式過去問集』を解き、自己採点をしたうえで、解説講義を視聴してください。
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