【宅建過去問】(令和01年問27)8つの規制・業務に関する規制



宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、取引の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
ア 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物についての自ら売主となる売買契約を締結してはならないが、当該売買契約の予約を行うことはできる。
イ 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、取引の相手方が同意した場合に限り、当該不適合について買主が売主に通知すべき期間を当該宅地又は建物の引渡しの日から1年とする特約を有効に定めることができる。
ウ 宅地建物取引業者は、いかなる理由があっても、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
エ 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、その相手方に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解:1

ア 誤り

宅建業者が自ら売主となって宅建業者でない買主との間で売買契約を締結しています。したがって、8つの規制が適用されます。本肢は、そのうち、「自己の所有に属しない物件の売買契約締結の制限」に関するものです。
宅建業者は、一定の場合を除いて、自己の所有に属しない宅地・建物について、自ら売主となる売買契約をすることができません。この「売買契約」の中には「予約」が含まれます(宅建業法33条の2)。

例外は、以下2つの場合です。

  1. 宅地・建物を取得する契約を締結(予約でも可。停止条件付契約は不可)
  2. 未完成物件で手付金等の保全措置あり
■類似過去問
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売買契約の禁止(予約を含む)(宅建業法[15]2(2))
 年-問-肢内容正誤
1R01-27-ア宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物についての自ら売主となる売買契約を締結してはならないが、当該売買契約の予約を行うことはできる。×
213-45-イ自己の所有に属しない宅地又は建物について、宅地建物取引業法で定める一定の場合を除いて、自ら売主となる売買の予約を締結すること×

イ 誤り

本肢は、8つの規制のうち、契約不適合担保責任についての特約の制限に関するものです。
契約不適合担保責任に関する特約について、売主である宅建業者は、民法と比べて買主に不利となる特約を締結することができません。例外は、不適合について買主が売主に通知するまでの期間引渡しから2年以上とするものに限られます(宅建業法40条1項)。
それにも関わらず、本肢の宅建業者は、通知期間を「引渡しの日から1年」と定めています。これは、買主に不利な特約であるため、無効です(同条2項)。「取引の相手方が同意した場合」であっても、宅建業法のルールを無視することはできません。

■類似過去問
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契約不適合担保責任の期間制限(宅建業法[16]2(1)②)
 年-問-肢内容正誤
1R01-27-イ買主が同意した場合に限り、不適合について買主が売主に通知すべき期間を引渡しの日から1年とする特約を有効に定めることができる。×
230-29-4契約の解除又は損害賠償の請求をするために、買主は、引渡しの日から1年以内に不適合について売主に通知しなければならないものとする旨の特約を定めた。×
329-27-ア不適合について買主が売主に通知すべき期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。×
429-27-イ売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による契約不適合についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
527-34-2「不適合について買主が売主に通知すべき期間を引渡しから1年とする」旨の特約は無効で、通知期間は、引渡しから2年となる。×
627-39-4引渡しを売買契約締結の1月後とし、契約不適合担保責任について通知すべきう期間を契約日から2年間とする特約を定めることができる。×
726-31-ア「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間を引渡しの日から3年間とする」旨の特約は無効。×
825-38-ア引渡後2年以内に発見された雨漏り、シロアリの害、建物の構造耐力上主要な部分の契約不適合についてのみ責任を負うとする特約を定めることができる。×
924-39-3「買主が売主の担保責任を追及するためには、引渡しの日から2年以内に通知しなければならない」旨の特約は有効。
1023-37-4買主が売主の担保責任を追及するに当たり不適合について通知すべき期間として、不適合を知った時から2年間とする旨の特約を定めることができる。
1122-40-1「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間を引渡しの日から3年間とする」旨の特約はをすることができる。
1221-38-ウ「契約不適合担保責任を負わない」という特約は無効で、この場合、不適合について通知すべき期間は引渡しの日から2年間となる。×
1321-40-4「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は引渡しから2年」という特約は有効。
1420-40-4「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は、引渡しから2年かつ不適合発見から30日以内」という特約は有効。×
1517-42-3「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は、契約締結から2年」という特約は有効。×
1615-41-4「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は、引渡しから1年」という特約は無効で、通知期間は「引渡しから2年」となる。×
1714-41-1「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は、引渡しから半年」という特約は有効。×
1812-40-1「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は、引渡しから1年」という特約は無効で、「不適合発見から1年」となる。
1911-33-3「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は引渡しから2年、買主の知っている不具合は担保しない」という特約は有効。
2010-36-4損害賠償額を予定した場合、「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は引渡しから1年」という特約は有効。×
2109-41-1「売主が担保責任を負う期間は引渡しから2年間。買主は、契約を解除できないが、損害賠償を請求できる」旨の特約は無効。
2209-41-3「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は契約締結から2年。買主は、その期間内に瑕疵修補請求権も行使できる」という特約は有効。×
2309-41-4「売主が担保責任を負う期間は、引渡しから1年」という特約は無効で、売主は、引渡しから2年間担保責任を負う。×
2408-48-2「契約不適合担保責任責任を負う期間は、引渡しから1年」という特約は業者間取引では有効だが、業者以外を売主・業者を買主とする売買契約では無効。×
2507-43-1「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は引渡しから2年」という特約をしたときでも、不適合発見から1年は担保責任を負う。×
2607-45-1「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は、不適合発見から1年半」という特約は有効。
2706-43-1「契約不適合について買主が売主に通知すべき期間は、不適合の事実を知ってから1年」と定めても、「引渡しから2年」は担保責任を負う。×

ウ 誤り

宅建業者は、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らすことを禁止されています(守秘義務。宅建業法45条前段)。しかし、この義務に例外がないわけではありません。「正当な理由」があれば、秘密を開示することが許されるのです。本肢は、「いかなる理由があっても」とする点が誤っています。
「正答な理由」とは、具体的には、①法律上秘密事項を告げる義務がある場合(裁判の証人・税務署の質問検査)や②依頼者本人の承諾があった場合をいいます。

■類似過去問
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宅建業者の守秘義務(宅建業法[09]6)
 年-問-肢内容正誤
1R01-27-ウ宅地建物取引業者は、いかなる理由があっても、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
×
224-40-イ個人情報取扱事業者でなければ守秘義務なし。×
319-36-3秘密を守る義務に違反した場合、業務停止・罰則の対象となる。
416-45-2宅建業者は守秘義務を負い、その従業員も、専任の宅建士でなくとも、守秘義務を負う。
513-45-ア正当な理由なく秘密を漏らすことは宅建業法で禁止されていない。×
609-30-4取引関係者から従業者名簿の閲覧を求められたが、守秘義務を理由に、申出を断った場合、宅建業法に違反しない。×
707-37-3宅建業者は、宅建業を営まなくなった後においても、本人の承諾のある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。×

エ 正しい

宅建業者は、宅建業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、相手方に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるような断定的判断を提供する行為を禁止されています(宅建業法47条の2第1項)。

■類似過去問
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断定的判断の提供・威迫行為の禁止(宅建業法[09]7(4)①)
 年-問-肢内容正誤
1R01-27-エ宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、その相手方に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。
227-41-イ「弊社が数年前に分譲したマンションが、先日高値で売れました。このマンションはそれより立地条件が良く、また、近隣のマンション価格の動向から見ても、5年後値上がりするのは間違いありません。」という発言は、宅建業法に違反しない。×
326-43-4「近所に幹線道路の建設計画があるため、この土地は将来的に確実に値上がりする」と説明した場合、宅建業法に違反する
418-40-1利益を生ずることが確実であると誤解させる断定的判断を提供する行為をしたが、実際に売買契約の成立には至らなかった場合、宅建業法に違反しない×
515-38-1「2年後には価格が上昇し転売利益は確実」という発言は宅建業法に違反しない×
608-40-2「周辺の土地の価格が、最近5年間で2.5倍になっていますから、この土地の価格も今後5年間に2倍程度になることは確実です」という発言は適切である×
関連過去問:威迫行為の禁止
127-43-3宅建業者が契約の相手方を威迫し契約締結を強要したことが判明した場合、免許権者が情状が特に重いと判断したときは、免許を取り消さなければならない

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