【宅建過去問】(平成25年問01)民法に規定されているもの

次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

  1. 意思表示に要素の錯誤があった場合、表意者は取り消すことができる旨
  2. 贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う旨
  3. 売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨
  4. 多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨

正解:2

1 誤り

意思表示に法律行為の要素の錯誤があった場合、その意思表示は無効となる(民法95条本文)。
「取り消すことができる」わけではない。

※民法の規定に反するような民法の条文があるはずがない。

■類似過去問(錯誤の効果)
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 年-問-肢内容正誤
128-03-4
売主Aと買主Bとの間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。
×
225-01-1意思表示に要素の錯誤があった場合、表意者は取り消すことができる旨は、民法の条文に規定されている。×
323-01-1動機の錯誤を理由に契約を取り消すことができる。×

2 正しい

売買契約の売主と異なり、贈与者は、原則として瑕疵担保責任を負わない(民法551条1項本文)。例外は、以下2つのケースである。

  1. 贈与者が知りながら受贈者に告げなかった瑕疵(同条1項但書)
  2. 負担付贈与(負担の限度で売主同様の担保責任を負う。同条2項)

つまり、本肢の内容は、民法の条文(同法551条1項)に規定されている。

■類似過去問(贈与者の担保責任)
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 年-問-肢内容正誤
125-01-2「贈与者は、知りながら受贈者に告げなかった瑕疵について責任を負う」旨が民法に規定されている。
221-09-3書面による負担付贈与の場合、贈与者は負担の範囲で瑕疵担保責任を負う。
310-09-3負担なし贈与で、贈与者が瑕疵を知らなかった場合、担保責任を負わない 。
403-10-2書面によるか否かを問わず、負担なし贈与で、贈与者が瑕疵を知らなかった場合、担保責任を負わない。

3 誤り

売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合の売主の担保責任として、民法が規定しているのは、契約の解除と損害賠償の2種類のみである(民法570条、566条)。
「代金の減額を請求することができる」という規定は存在しない。

減額請求 解除 損害賠償
善意の買主
悪意の買主 × ×

※解除ができるのは、契約の目的を達成できない場合に限られる。

■類似過去問(瑕疵担保責任:損害賠償請求)
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 年-問-肢内容正誤
125-01-3売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨は、民法の条文に規定されている。×
223-09-1売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合、買主は、工事施工者に対して損害賠償請求をすることができる。
323-09-3売買の目的物である新築建物に建て替えざるを得ない重大な瑕疵があり、同建物が社会通念上社会経済的な価値を有しないと評価すべきものである場合、当該建物が現実に倒壊していないのであれば、買主からの工事施工者に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において、買主の居住利益が損害額から控除される。×
423-09-4売買の目的物である新築建物に建て替えざるを得ない重大な瑕疵があり、同建物が社会通念上社会経済的な価値を有しないと評価すべきものである場合、買主が当該建物に居住したまま工事施工者に対して建て替え費用相当額を請求しても、買主の居住利益が損害額から控除されることはない。

4 誤り

「約款」の定義は、本肢の通りである。例えば、保険約款や運送約款などが約款の典型である。しかし、約款について定める条文は、民法に存在しない。

条文の有無

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 年-問-肢内容正誤
127-01-1債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨×
227-01-2事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約は、保証人になろうとする者が、契約締結の日の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示していなければ無効となる旨×
327-01-3併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨×
427-01-4債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める旨
526-01-1賃借人の債務不履行を理由に、賃貸人が不動産の賃貸借契約を解除するには、信頼関係が破壊されていなければならない旨×
626-01-2当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨
726-01-3債務の履行のために債務者が使用する者の故意又は過失は、債務者の責めに帰すべき事由に含まれる旨×
826-01-4債務不履行によって生じた特別の損害のうち、債務者が、債務不履行時に予見し、又は予見することができた損害のみが賠償範囲に含まれる旨×
925-01-1意思表示に要素の錯誤があった場合、表意者は取り消すことができる旨×
1025-01-2贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う旨
1125-01-3売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主は、その程度に応じて代金の減額を請求することができる旨×
1225-01-4多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨×
1324-03-1意思能力を欠く状態でなされた意思表示が無効である旨×
1424-03-2契約締結に当たって当事者が基礎とした事情に変更が生じた場合に、当事者は契約の再交渉を求めることができる旨×
1524-03-3保証契約は、書面でしなければその効力を生じない旨
1624-03-4物の瑕疵とは、目的物が備えるべき性質、品質を備えていないことである旨×

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【宅建過去問】(平成25年問01)民法に規定されているもの” に対して 2 件のコメントがあります

  1. 熊八郎 より:

    宅建では、改正が予定されている法律の、現行法規定の出題は少なく、それにヤマを張る必要は無い、と聞いたことが有ります。
    しかしながら、本問の肢4は、モロに、改正民法に入りそうな内容ですよね。
    どんなものなのでしょう?

  2. 岡本 安幸 より:

    解説が分かり易くて非常に参考になります。

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