【宅建過去問】(平成18年問37)契約書面(37条書面)
宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、宅地建物取引業法第37条に規定する書面に必ず記載しなければならないとされている事項の組合せとして、正しいものはどれか。
- ア 当該建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任についての定めがあるときは、その内容
- イ 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
- ウ 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
- ア、イ
- ア、ウ
- イ、ウ
- ア、イ、ウ
正解:3
ア 記載しなくてよい
契約書面 | 重要事項 説明書 |
|
売買 | 貸借 | |
△ | × | × |
契約不適合担保責任に関する定めは、売買の場合の任意的記載事項である(宅建業法37条1項11号)。
貸借の場合には記載する必要がない。
■参照項目&類似過去問
内容を見る
37条書面の任意的記載事項(⑥契約不適合担保責任に関する定め)(宅建業法[12]2(2)⑥)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R04-32-4 | 宅地建物取引業者である売主と宅地建物取引業者ではない個人との建物の売買において、建物の品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任について特約を定めたときは、37条書面にその内容を記載しなければならない。 | ◯ |
2 | R03s-40-2 | 宅地建物取引業者Aは、Bを売主としCを買主とする宅地の売買契約を媒介した。当該売買契約に、当該宅地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合においてその不適合を担保すべき責任に関する特約があるときは、Aは、当該特約について記載した37条書面をB及びCに交付しなければならない。 | ◯ |
3 | H30-34-ア | 宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、当該建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任の内容について、37条書面に必ず記載しなければならない。 | × |
4 | H29-38-4 | 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地の売買契約において契約不適合担保責任に関する特約を定めたが、買主が宅地建物取引業者であり、契約不適合担保責任に関する特約を自由に定めることができるため、37条書面にその内容を記載しなかった。 | × |
5 | H25-36-4 | 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者間での宅地の売買の媒介に際し、当該売買契約の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関する特約はあったが、宅地建物取引業者間の取引であったため、当該特約の内容について37条書面への記載を省略した。 | × |
6 | H18-37-ア | 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任についての定めがあるときは、その内容を37条書面に必ず記載しなければならない。 | × |
7 | H11-35-3 | 建物の貸借の契約を媒介した場合、当該建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任についての定めがあるときは、その内容について37条書面に記載する必要がある。 | × |
イ 記載しなければならない
契約書面 | 重要事項 説明書 |
|
売買 | 貸借 | |
△ | △ | ◯ |
損害賠償の予定・違約金に関する定めは、売買・貸借に共通する任意的記載事項である(宅建業法37条1項8号、2項1号)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る
37条書面の任意的記載事項(③損害賠償額の予定又は違約金に関する定め)(宅建業法[12]2(2)③)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R06-40-ウ | 宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容を37条書面に必ず記載しなければならない。 | ◯ |
2 | R02s-37-3 | 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。 | × |
3 | R01-34-1 | 宅地建物取引業者が自ら売主として建物の売買を行う場合、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額として売買代金の額の10分の2を超えない額を予定するときは、37条書面にその内容を記載しなくてよい。 | × |
4 | H22-34-2 | 宅地建物取引業者が区分所有建物の貸借の媒介を行う場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する特約の内容について、37条書面に記載する必要はないが、売買の媒介を行う場合は、当該内容について37条書面に記載する必要がある。 | × |
5 | H18-37-イ | 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容を37条書面に必ず記載しなければならない。 | ◯ |
6 | H13-35-3 | 宅地建物取引業者は、宅地の売買を媒介した場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容について、37条書面に記載しなければならない。 | ◯ |
7 | H12-34-4 | 宅地建物取引業者が、その媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合、37条書面において、損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容を必ず記載しなければならない。 | ◯ |
8 | H01-47-4 | 宅地建物取引業者が自ら売主となって工事完了前のマンションの売買契約を締結する。損害賠償の予定額又は違約金については、契約締結時に宅地建物取引業法第37条に規定する書面において説明することとし、説明を省略した。 | × |
ウ 記載しなければならない
契約書面 | 重要事項 説明書 |
|
売買 | 貸借 | |
△ | △ | × |
天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めは、売買・貸借に共通する任意的記載事項である(宅建業法37条1項10号、2項1号)。
■参照項目&類似過去問
内容を見る
37条書面の任意的記載事項(⑤天災その他不可抗力による損害の負担に関する定め)(宅建業法[12]2(2)⑤)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R05-43-4 | 宅地建物取引業者Aが媒介により宅地の売買契約を成立させた場合、Aは、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容を37条書面に記載しなければならない。 | ◯ |
2 | R03s-42-エ | 宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容について、37条書面に記載しなければならない。 | ◯ |
3 | R02s-35-ウ | 宅地建物取引業者が媒介により建物の売買契約を成立させた場合において、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、重要事項説明書にその旨記載していたとしても、その内容を37条書面に記載しなければならない。 | ◯ |
4 | H28-39-4 | 宅地建物取引業者が媒介により区分所有建物の貸借の契約を成立させた。天災その他不可抗力による損害の負担に関して定めなかった場合には、その旨を37条書面に記載しなければならない。 | × |
5 | H25-31-ウ | 宅地建物取引業者は、建物の売買に関し、その媒介により契約が成立した場合に、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容を記載した37条書面を交付しなければならない。 | ◯ |
6 | H23-34-3 | 宅地建物取引業者は、その媒介により建物の貸借の契約が成立した場合、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときには、その内容を37条書面に記載しなければならない。 | ◯ |
7 | H18-37-ウ | 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容を37条書面に必ず記載しなければならない。 | ◯ |
8 | H11-35-2 | 建物の貸借の契約を媒介した場合、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容について37条書面に記載する必要がある。 | ◯ |
9 | H02-49-2 | 宅地建物取引業者が自ら売主として37条書面を交付する場合に、天災その他不可抗力による損害の負担について、不確定な要素であったので、これを定めず、買主の承諾を得て、その記載をしなかった。 | ◯ |
まとめ
以上より、必ず記載しなければならない事項は、イとウなので、正解は選択肢3である。
YouTubeメンバーシップを使った宅建合格作戦
YouTubeの「メンバーシップ機能」を利用して、「スリー・ステップ学習」の全てを受講できるようになりました。
メンバーの種類(レベル)は、
自分の学習状況に合わせて「レベル」を選択すれば、サブスクリプション方式で効率的に勉強が進められます。
メンバーの種類(レベル)は、
- 「年度別過去問」(月額1,790円)
- 「基本習得編&年度別過去問 」(月額2,390円)
- 「スリー・ステップ オールインワン 」(月額3,590円)
自分の学習状況に合わせて「レベル」を選択すれば、サブスクリプション方式で効率的に勉強が進められます。
いつもお世話になっております。
ふと疑問に思ったのですが、契約不適合責任についての定めは、なぜ貸借の場合記載不要なのでしょうか。
また、貸借の契約においてもし不適合が生じていた場合はどうなりますか?
ここら辺は今まで丸暗記してしまっていたのですが、何か覚えやすくするための理由付けとしてアドバイス頂けないでしょうか。
ムライ様
いつもご質問ありがとうございます。
(1)形式的な理由
宅建業法にそのような規定がない、ということが形式的な理由です。
(2)実質的な理由?
以下は私見です。
賃貸借契約に関しては、賃貸人に修繕義務があります。
契約不適合担保責任に関して、契約書面に記載しなかったとしても、賃貸人が修繕義務を免れることはできないわけです。
「売買」のように「引渡し後は、担保責任の関係しか残らない。」というわけではありません。
この点から、契約書面の記載事項に含ませる必要がない、と判断したのではないでしょうか?
賃借人は、賃貸人の修繕義務を根拠に、修繕を要求することができます。
なるほど!納得です、すごくスッキリしました。ありがとうございます!!!
どういたしまして。
疑問が解消できて幸いです。
コメント失礼します。
「37条書面に必ず記載しなければならないものはどれか」という問ですが、任意的記載事由のものについては定めがあるときに記載すればよいと記憶してます。
ゆえに問において「定めがあれば」必ず記載しなければならないとされる事項の組み合わせとして正しいものはどれか。という考えで解いてよろしいでしょうか。
あ様
御質問ありがとうございます。
本問は確かに、「任意的記載事項」に関する問題です。
しかし、各選択肢において、
「◯◯に関する定めがあるときは、その内容」
と明示されています。
つまり、契約書面上に「◯◯に関する定め」は存在するのです。
「定めがなかったとき」について考える必要はありません。
何だか抽象的な回答ですが、お分かりいただけますでしょうか?
解説の表なのですが、売買・交換と記載した方が良いと思うのですが。
正確には、その通りです。
しかし、宅建業法で「交換」に関して問われた過去問は、ほとんど存在しません。
また、万一、出題されたとしても、「売買と同じ」と覚えておけば十分です。
勉強の量を最小限に絞りたいので、当社の講座・教材では「交換」に関する記述を省略します。
現在のところ、「交換」に関する記述が残っている箇所もありますが、今後の改訂で徐々に扱いを統一します。