借地借家法[01]借地権の存続期間と更新

「借地権」というのは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権のことをいいます。
借地権を設定した場合、当初の存続期間は、30年以上としなければなりません。また、最初の更新時は20年以上、2度目以降の更新時は10年以上とする必要があります。
当事者が意識的に更新しなくても、借地借家法の規定によって自動的に更新される場合もあります(法定更新)。

1.用語の整理

(1).借地権

建物の所有を目的とする地上権or土地の賃借権

■地上権⇒民法[12]2、賃借権⇒民法[29]
★過去の出題例★

借地借家法[01]1(1)
借地権
 年-問-肢内容正誤
126-11建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合に関する出題
225-12-1ゴルフ場経営を目的とする土地賃貸借契約については、対象となる全ての土地について地代等の増減額請求に関する借地借家法第11条の規定が適用される。×
320-13平置きの駐車場用地として利用しようとするBに貸す場合に関する出題
418-13-1Bが建物を建築せず駐車場用地として利用する目的で存続期間を35年として土地の賃貸借契約を締結する場合には、期間は定めなかったものとみなされる。
×
(2).借地権者・借地権設定者

 

2.借地権の存続期間

(1).当初の存続期間

最短30年


★過去の出題例★

借地借家法[01]2(1)
借地権の存続期間(当初の存続期間)

 年-問-肢内容正誤
129-11-2賃借権の存続期間を10年と定めた場合、賃貸借契約が居住の用に供する建物を所有することを目的とするものであるときは存続期間が30年となる。
226-11-1存続期間40年と定めた場合、書面で契約を締結しなければ期間が30年となる。×
326-11-3期間を定めない契約を締結した場合、賃貸人が解約の申入れをしても合意がなければ契約は終了しない。
420-13-1建物所有目的の賃貸借契約において、賃貸借契約の期間の上限は50年である。×
520-13-3期間の定めがない場合、貸主は、契約開始から30年過ぎなければ、解約の申入れができない。
619-13-4期間の定めがない場合、貸主は、正当事由があればいつでも解約申入れできる。×
718-13-1小売業を行う目的で公正証書によらず賃貸借契約を締結した場合、存続期間35年という約定は有効である。
807-12-1期間の定めがない場合、堅固な建物については30年、非堅固な建物は20年となる。×
905-11-1存続期間を25年・35年のいずれと定めようと、契約期間は30年となる。×
1001-12-1存続期間を10年と定めた場合、その約定はなかったものとみなされ、契約期間は20年となる。×
(2).更新後の存続期間


★過去の出題例★

借地借家法[01]2(2)
借地権の存続期間(更新後の存続期間)
 年-問-肢内容正誤
121-11-4当初の存続期間が満了し契約更新する場合、契約期間を10年と定めたときは、その定めは無効で契約期間は20年となる。
210-11-2存続期間満了時に借地権者が更新を請求し、借地権設定者が異議を述べたがその異議に正当事由がない場合、契約は更新され、その存続期間は30年である。×
304-10-3存続期間満了後、借地権者が土地使用を継続しており、借地権設定者が異議を述べなければ、期間の定めのない借地権が設定されたとみなされる。×

3.契約の法定更新

(1).法定更新が生じる場合

(2).借地権設定者が法定更新を拒む方法
①異議を述べること

遅滞なく異議を述べることが必要

②正当事由があること

以下の要素を考慮し、総合的に判断

(3).まとめ

(4).法定更新後の借地権
①存続期間

②存続期間以外

従前契約と同一条件
★過去の出題例★

借地借家法[01]3
契約の法定更新
 年-問-肢内容正誤
125-12-2借地権の存続期間が満了する際、借地権者の更新請求に対し、借地権設定者が遅滞なく異議を述べた場合には、借地契約は当然に終了する。×
221-11-2当初の存続期間満了時に、借地権者が更新請求し、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べたとしても、異議の理由にかかわらず、借地契約を更新したものとみなされる。×
320-13-2存続期間満了後に、借地権者が土地使用を継続した場合、契約更新とみなされることがある。
419-13-3存続期間が満了した場合でも、借地権者が、建物収去・土地明渡しを請求できない場合がある。
510-11-2存続期間満了時に借地権者が更新を請求し、借地権設定者が異議を述べたがその異議に正当事由がない場合、契約は更新され、その存続期間は30年である。×
605-11-2「期間満了の際、借地権者に対し相当の一定額の交付さえ行えば、借地権設定者は更新を拒絶できる」と特約してもその特約は、無効である。
704-10-2当初の存続期間内に、建物が滅失し再築しない場合、期間満了時に、借地権者が更新請求しても、借地権設定者が異議を述べたときは、契約は更新されない。
804-10-3存続期間満了後、借地権者が土地使用を継続しており、借地権設定者が異議を述べなければ、期間の定めのない借地権が設定されたとみなされる。×
901-12-2存続期間満了時に、借地権者が更新請求し、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べなければ、前の契約と同一条件で更新したものとみなされる。
1001-12-3存続期間満了後、借地権者が土地使用を継続しており、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べなければ、前の契約と同一条件で更新したものとみなされる。

4.建物の滅失・取壊し

(1).当初の存続期間中の滅失・取壊し

30年の契約期間のうち、20年経過した時点で建物が滅失した場合

①借地権は存続

一方的な関係解消×

②残存期間を超えて存続する建物の再築

借地権設定者の承諾の有無に関わらず◯

③借地権設定者の承諾がある場合

(a).借地権の期間の延長
借地権は、承諾日又は建物築造日のいずれか早い日から20年間存続

(b).承諾とは
・借地権設定者の承諾
・みなし承諾(借地権者からの通知に対し、借地権設定者が2か月以内に異議を述べない)

④借地権者の承諾がない場合

当初の存続期間満了時に法定更新(⇒3)の判断


★過去の出題例★

借地借家法[01]4(1)
当初の契約期間中の滅失・取壊し
 年-問-肢内容正誤
125-12-4借地権の存続期間満了前に建物が滅失し、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を建築した場合、借地権設定者が異議を述べない限り、借地権は築造日から当然に20年間存続する。×
221-11-1当初の存続期間内に建物が滅失し、借地権者が借地権設定者の承諾を得ずに残存期間を超えて存続すべき建物を築造→借地権設定者は解約の申入れが可能。×
321-11-3借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合、借地権者は地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。×
410-11-1当初の存続期間内に、借地権者が、借地権設定者に通知することなく、建物を取壊し残存期間を超えて存続すべき建物を築造→借地権設定者は契約の解除が可能。×
504-10-1木造建物の所有を目的とする借地契約において、期間満了前に借地権者が鉄筋コンクリート造りの建物を無断で増築した場合、借地権設定者が遅滞なく異議を述べなければ、借地権の存続期間は、増築のときから20年となる。×
604-10-4期間満了前に建物が火災により滅失し、借地権者が同等の建物を再築した場合、土地所有者が遅滞なく異議を述べなければ、借地権の存続期間は、建物滅失の日から20年となる。×
703-12-1借地権者は、家屋が火災により減失したときは、新築することができ、その建物が借地権の残存期間を超えて存続するものであっても、土地所有者は異議を述べることができない。×
802-12-3建物の所有を目的とする土地の賃貸借において、当該建物が借地人の失火により滅失したときは、賃貸人は、解約の申入れをすることができる。×
902-12-4建物の所有を目的とする土地の賃貸借において、当初の存続期間中に当該建物が滅失したときであっても、当該賃貸借は終了しない。
(2).契約更新後の滅失・取壊し

20年の契約期間のうち、15年経過した時点で建物が滅失した場合

①借地権は存続

借地権者から、一方的に離脱◯
(地上権放棄or賃貸借の解約の申入れ)

②残存期間を超えて存続する建物の再築

以下のいずれかが必要

  1. 借地権設定者の承諾
  2. 裁判所の許可(⇒[03]2
③承諾・許可がある場合

借地権の期間の延長(⇒(1)③(a)と同じ)

④借地権設定者の承諾がない場合

借地権者が残存期間を超えて存続する建物を築造
→借地権設定者から、関係の解消◯
(地上権消滅請求or賃貸借の解約の申入れ)
★過去の出題例★

借地借家法[01]4(2)
契約更新後の滅失・取壊し
 年-問-肢内容正誤
110-11-3借地権者が、契約の更新後に、現存する建物を取り壊し、残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造した場合で、借地権設定者の承諾もそれに代わる裁判所の許可もないとき、借地権設定者は、土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。

5.強行規定

借地権者に不利な特約
→無効
★過去の出題例★

借地借家法[01]5
強行規定
 年-問-肢内容正誤
121-11-4当初の存続期間が満了し契約更新する場合、契約期間を10年と定めたときは、その定めは無効で契約期間は20年となる。
205-11-2「期間満了の際、借地権者に対し相当の一定額の交付さえ行えば、借地権設定者は更新を拒絶できる」と特約してもその特約は、無効である。

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